第438回 フランス勢に試練の欧州カップ準々決勝第1戦

■昨年の半分の2チームが準々決勝に進出

 前回の本連載ではリーグ戦の人気カードであるマルセイユ-パリサンジェルマン戦を紹介したが、国内外でシーズンは残すところ2月であり、ファンの関心は各クラブの戦いに集中する。今回は欧州カップの準々決勝第1戦を取り上げよう。
 昨年の欧州カップの準々決勝は、チャンピオンズリーグにモナコとリヨン、UEFAカップにマルセイユとボルドーとフランスから4チームが進出した。準々決勝ではモナコはレアル・マドリッドを下し、マルセイユはインテル・ミラノを破ったが、リヨンはポルトの前に屈し、ボルドーはバレンシアに連敗した。
 今季のフランス勢のベスト8入りは、チャンピオンズリーグのリヨン、UEFAカップのオセールと、前年の半分の2チームであるが、悲願のタイトルを獲得したいところである。

■攻撃のリヨン、守備のPSVアイントホーヘン

 まず、火曜日にはリヨンがPSVアイントホーヘンを地元に迎えた。PSVアイントホーヘンは決勝トーナメント初戦ではドイツの王者ベルダー・ブレーメンに2試合で10得点と言うゴールラッシュを見せ、ダークホースとなったリヨン。一方のPSVアイントホーヘンは決勝トーナメント1回戦ではフランス勢のモナコを下しており、モナコの仇をリヨンは討ちたいところである。
 両チームとも国内リーグでは首位を快走しているが、欧州カップでのその戦いぶりは対照的である。これまでの8試合の両チームの成績を見ると、リヨンが27得点をあげている攻撃のチームであるならば、PSVアイントホーヘンは7失点しかしていない守備のチームである。

■一方的に攻めたリヨン、追加点を奪えずドロー

 その攻撃のチームのホームスタジアムではその通りの試合展開となった。リヨンは開始早々から攻め続け、PSVアイントホーヘンは守勢一方となる。リヨンの得点は時間の問題であった。12分にフローラン・マルーダが先制点、集まったファンは決勝トーナメント1回戦のベルダー・ブレーメン戦の再現となるゴールラッシュを予感した。ところが、リヨンはなかなか追加点を奪うことができない。決定機を次々と逃し、試合は終盤へ。そして71分に朴智星のパスを受けたフィリップ・コクーが貴重な同点ゴールを上げる。再三の好機を活かすことができなかったリヨンはまさかのドローという結果となったのである。

■敵地でオウンゴール、大敗したオセール

 そして、1日おいた木曜日の7日、UEFAカップの準々決勝が行われた。オセールはCSKAモスクワと対戦するが、まず第1戦はモスクワで行われた。本連載の第389回ならびに第405回で紹介したとおり、今季のチャンピオンズリーグのグループリーグではフランス勢のパリサンジェルマンと同組となり、ホーム、アウエーとも連勝している。一方のオセールはこれまでに欧州カップで100試合以上戦っており、経験十分であるが、ロシアあるいはソ連のチームとの欧州カップでの対戦は初めてのことである。ところが、試合は予想もしなかった展開となった。
 21分にCSKAモスクワのチディア・オダイアがミドルシュート、このシュートがオセールのリオネル・マティスの足に当たり、コースが変わってオウンゴールとなる。この1点が平均年齢22歳と言う若いチームであるCSKAモスクワを勢いづけた。63分にオセールのDFがペナルティエリア内でCSKAモスクワのFWを倒し、PKを献上。これをセルゲイ・イグナシェビッチが決めて2-0。さらに71分、77分にもCSKAモスクワは得点をあげ、最終的に4-0という大差の勝利となった。CSKAモスクワは13年前のチャンピオンズリーグのマルセイユ戦で喫した0-6という大敗の汚名を返上した。オセールはCSKAモスクワがマルセイユに大敗したシーズンでUEFAカップ準決勝に進出したのがこれまでの欧州カップでの最高の成績であるが、さすがに4点差を逆転するのは厳しいであろう。
 期待されたフランス勢であるが、準々決勝の第1戦で早くも窮地に立たされたのである。(この項、終わり)

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