第616回 新方式のインタートトカップをマルセイユ、オセールが勝ち抜く

■多様な出場ルートのあるUEFAカップ

 前回までの本連載ではチャンピオンズリーグのグループリーグの第1節でのフランス勢の好スタートを紹介したが、欧州カップはチャンピオンズリーグだけではない。同時期に頂点を目指すUEFAカップもまた重要なタイトルである。UEFAカップを語るに当たり、欠かせないのが出場にいたる多様なルートの存在である。まず、各国のリーグ戦の次点組となるチーム、カップ戦の勝利チームがシーズンの終了後に決定している。それに加えてチャンピオンズリーグの予備戦やグループリーグで敗れたチームが降格してくるケース、またインタートトカップを勝ち抜いて昇格してくるケースと様々である。
 昨シーズン終了時にフランス勢でUEFAカップ出場権を確保しているのはリーグ4位のランス、フランスカップ勝者のパリサンジェルマン、リーグカップ勝者のナンシーの3チームであった。
 それに加えてインタートトカップに出場したのがリーグ5位のマルセイユとリーグ6位のオセールである。

■インタートトカップの大会形式の変更

 インタートトカップは前年度のリーグ戦が終了してまもなく行われるため、選手が休養を取る期間がなくなり、今年のようにシーズンオフにワールドカップが開催されるとチームによっては主力選手をワールドカップで奪われた時期に国際試合を行わなくてはならず、故意に出場を回避しようとするようなチームもあった。このような各クラブの声を踏まえ、今年から大会形式を変更した。従来はインタートトカップ経由でUEFAカップに出場できるチームは3チームだけであり、最大で5回戦を戦わなくてはならなかった。しかし、この方式では時間がかかるため、シーズンオフを返上して戦わなくてはならなかった。そこでUEFAは大会形式を変更し、インタートトカップ経由でUEFAカップに出場できるチームを11チームに拡大し、最大でも3回戦までとした。その代わりこの11チームはUEFAカップの本戦ではなく予備戦に参戦することにしたのである。

■国外のチーム相手の公式戦でシーズン前の調整

 しかしながら、ホームアンドアウエー方式の1回戦が行われるのは6月17日と25日であり、ワールドカップでグループリーグから決勝トーナメントへと移行する時期である。今回のワールドカップ出場国の中ではスウェーデンのカルマーが参戦している。フランス勢の2チームは3回戦からの東欧となる。3回戦の日程はワールドカップが終了した直後の7月15日に第1戦、そして22日に第2戦が行われる。ちなみにフランスリーグは8月4日であり、各クラブとも新シーズンに向けてチームの強化を図っている時期であり、国内外のクラブとの親善試合の代わりに国外のチームと公式戦を戦いながらリーグ戦開幕に備えると考えればいいであろう。
 3回戦ともなればそれなりのビッグネームも登場する。ドイツのヘルタ・ベルリン、イングランドのニューカッスルユナイテッドやかつて日本人選手が在籍したスペインのビジャレアル、ベルギーのゲンクというビッグクラブも名を連ねている。その中でマルセイユはウクライナのドニプロ・ドニプロペトロフスク、オセールはルーマニアのファルール・コンスタンタと対戦することになった。

■マルセイユは辛勝、オセールはホームでの貯金で勝利

 マルセイユは昨年もリーグ戦5位としてインタートトカップに出場、2年連続して次点としてのインタートトカップ参戦である。マルセイユは昨年もスイスのヤングボーイズを下してUEFAカップ出場権を獲得しており、今年も格の違いを見せたいところである。まず第1戦はマルセイユのホームゲームであったが、ベロドロームではなく近郊のイストルで行われた。公式戦でありながらもプレシーズンマッチでもあるという位置づけが如実に現れている。ワールドカップで活躍したお目当てのフランク・リベリーの姿はないが、多くのファンが集まった。しかしながら試合はスコアレスドローに終わり、欧州挑戦の切符はアウエーでの第2戦に委ねられ、第2戦でもマルセイユは2-2のドローとなるが、アウエーゴール2倍ルールで辛うじてUEFAカップ予備戦出場を決める。
 一方のオセールは第1戦のホームゲームを本来のアベ・デシャン競技場で戦い4-1と楽勝、アウエーの第2戦は0-1と落としたが、ホームでの貯金がものをいい、UEFAカップ予備戦出場となったのである。(この項、終わり)

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