第827回 今年も欧州カップの8強に残れなかったフランス勢

■欧州カップ8強の顔ぶれ

 第823回から第826回までの本連載で決勝トーナメントに突入した欧州カップについて紹介した。チャンピオンズリーグは1回戦(ベスト8決定)、UEFAカップは1回戦(ベスト16決定戦)と2回戦(ベスト8決定戦)が行われ、それぞれベスト8が決定した。
 ベスト8の顔ぶれはチャンピオンズリーグはマンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、リバプール、アーセナル(以上イングランド)、シャルケ04(ドイツ)、ASローマ(イタリア)、バルセロナ(スペイン)、フェネルバフチェ(トルコ)となり半分をイングランド勢が占めた。また、UEFAカップはレバークーゼン、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、フィオレンチーナ(イタリア)、ヘタフェ(スペイン)、グラスゴー・レンジャーズ(スコットランド)、スポルティング・リスボン(ポルトガル)、ゼニト・サンクトペテルブルク(ロシア)、PSVアイントホーヘン(オランダ)となった。

■欧州五大リーグの中で唯一8強入りを逃したフランスリーグ

欧州五大リーグと言われるイングランド、イタリア、スペイン、ドイツ、フランスの状況を見るならば、イングランドは4チーム(チャンピオンズリーグ4)、ドイツは3チーム(チャンピオンズリーグ1、UEFAカップ2)、イタリアは2チーム(チャンピオンズリーグ1、UEFAカップ1)、スペインは2チーム(チャンピオンズリーグ1、UEFAカップ1)をベスト8に送り込んでおり、フランスだけが取り残された形となった。それ以外のリーグについてはトルコ、オランダ、スコットランド、ポルトガル、ロシアという中堅のリーグからそれぞれ1チームが8強入りしている。

■フランス勢7チームの足取り

 フランス勢は当初7チームが欧州カップにエントリーした。その足跡を振り返るとリヨンはチャンピオンズリーグの本戦から参戦、グループリーグを2位で通過したものの、決勝トーナメントでは1回戦で敗れた。マルセイユもチャンピオンズリーグの本戦から参戦、グループリーグでは3位にとどまったため、UEFAカップに転戦、1回戦は勝ち抜いたが2回戦で姿を消した。トゥールーズはチャンピオンズリーグの予備戦に出場したが、3回戦で敗れ、UEFAカップに転戦、グループリーグで4位に沈んだ。ボルドーはUEFAカップに出場しグループリーグを首位で突破したが、決勝トーナメント1回戦で敗れた。レンヌはUEFAカップのグループリーグで最下位に終わった。そしてソショーはUEFAカップの1回戦で敗れ、グループリーグにも出場できなかった。最後にランスはインタートトを勝ち抜いた唯一のフランス勢であったが、UEFAカップの1回戦で姿を消した。このように7チーム中3チームが決勝トーナメントに進出し、16強に残ったのがリヨンとマルセイユ、32強に残ったのがボルドー、そしてUEFAカップのグループリーグで敗退したのがトゥールーズとレンヌの2チーム、UEFAカップの1回戦で敗退したのがソショーとランスの2チームと言う結果であった。

■フランス勢が今世紀に入って8強入りを逃したのは早くも5度目

 フランス勢が欧州カップの8強に入ることができなかったのは本連載第694回で紹介したとおり、昨年に続く事態である。近年のフランス勢の欧州カップでの成績を振り返ると、ベスト8に進出することができなかったのは2001年、2002年、2003年、2007年、そして今年であり、今世紀に入って8シーズン中5シーズンは8強を逃している。過去30年間で8強を逃したのはこれらのシーズンも含め8回しかない。すなわち、1980年代、1990年代の20年間で3回しか逃していない8強を、今世紀に入ってからは8年間で5回も逃しているのである。
 さらに、今世紀に入ってから8強に残ったチームをリストアップすると、リヨンが2004年、2005年、2006年と3年連続でチャンピオンズリーグ準々決勝に進出、モナコが2004年のチャンピオンズリーグ決勝に進出、マルセイユが2004年のUEFAカップ決勝に進出、オセールが2005年のUEFAカップ準々決勝に進出と4チームがのべ6回残っただけである。この成績は物足りない結果である。現在の欧州のクラブシーンでチャンピオンズリーグで優勝するにはビッグクラブでなくてはならないであろう。しかし、欧州カップで8強に残ることはビッグクラブでなくても可能であることは今回準々決勝に残った16チームの顔ぶれを見れば決して不可能なことではなく、来季以降のフランス勢の奮起を期待したいところである。(この項、終わり)

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