第914回 チャンピオンズリーグ、決勝トーナメントへの道(2) 3連敗から立ち直れなかったマルセイユ

■連敗スタートとなったマルセイユ

 前回の本連載ではチャンピオンズリーグのグループリーグで序盤はつまずきながらも、最終節を待たずして王者リヨンが決勝トーナメント進出を決めたことを紹介した。
 今回はリヨンとともにフランスから出場しているボルドー、マルセイユの状況について紹介しよう。ボルドー、マルセイユともリヨンと同じような立ち上がりであった。マルセイユは第1戦はホームでリバプール(イングランド)と対戦し、1-2と敗れたことはすでに紹介したが、10月1日の第2戦ではアトレチコ・マドリッド(スペイン)とアウエーで対戦した。第2戦については第898回の本連載で紹介したとおり、アトレチコ・マドリッドが、フランス人FWのフローラン・シナマ・ポンゴルの大活躍により2-1と勝利し、マルセイユは連敗スタートとなった。

■PSVアイントホーヘン相手に終盤2失点、3連敗に

 第3節と第4節は同じチームとの対戦となるが、マルセイユはPSVアイントホーヘン(オランダ)と対戦する。PSVアイントホーヘンもマルセイユ同様に連敗している。前回紹介したリヨンは、ステアウア・ブカレスト相手に連勝し、一気に挽回している。マルセイユ、PSVアイントホーヘンともここで連勝すれば星を五分に戻すことができる。
 まず両チームの戦いはPSVアイントホーヘンの本拠地フィリップススタジアムで幕を開けた。マルセイユは昨季のチャンピオンズリーグのリバプール戦で勝利して以来、アウエーゲームでは勝利から遠ざかっている。そのような不安材料を抱えてのアイントホーヘン入りとなったが、前半はマルセイユが試合を押し気味に進める。後半に入ると、PSVアイントホーヘンがリズムをつかむ。最悪でもスコアレスドローを望むマルセイユであったが、その希望は崩れた。75分にPSVアイントホーヘンの巨漢FWのダニー・クーフェルマンにゴールを許し、さらに85分にもクーフェルマンに追加点を許し、マルセイユは前半戦3連敗となってしまったのである。

■ようやく第4戦で初勝利、昨年から続く連敗を6でストップ

 グループDで、同日に行われた連勝組のアトレチコ・マドリッド-リバプール戦は引き分けに終わり、前半戦を終えた段階で、アトレチコ・マドリッドとリバプールが勝ち点7、PSVアイントホーヘンが勝ち点3である。勝ち点0のマルセイユは、決勝トーナメント進出のためには後半戦で3連勝が必要となった。
 その後半戦最初の試合、マルセイユは本拠地ベロドロームでようやく目を覚ます。前半30分にコートジボワール代表のバカリ・コネが先制点をあげる。マルセイユにとっては今季のチャンピオンズリーグのグループリーグで第1戦のリバプール戦以来、久しぶりにリードする。リバプール戦の時はその2分後に追いつかれ、さらにその6分後には逆転されたが、このPSVアイントホーヘン戦では、リードを保つだけではなく、後半に入ってママドゥ・ニアンが65分、72分と連続得点をあげて、3-0と勝利したのである。マルセイユは今季のチャンピオンズリーグで初勝利を上げた。マルセイユは昨季はグループリーグで3連敗しており、昨季から続く連敗記録を6でストップしたのである。

■リバプールにアウエーで敗れ、決勝トーナメント進出に失敗

 そして首位攻防戦となるは第3節と同様にリバプール-アトレチコ・マドリッド戦は引き分けに終わる。残り2試合となった段階でリバプールとアトレチコ・マドリッドが勝ち点8、マルセイユとPSVアイントホーヘンが勝ち点3であり、マルセイユは決勝トーナメント進出にかすかな望みをつないで第5節のリバプール戦を迎えた。
 マルセイユとリバプールは昨季もグループリーグで同じグループに入っている。昨季は最終節にベロドロームで対戦し、マルセイユが大敗し、チャンピオンズリーグの決勝トーナメント進出を逃している。しかし、第2節にはアンフィールドで対戦し、マルセイユがフランス勢として初めてリバプールの聖地アンフィールドで勝利を上げている。マルセイユが昨年に引き続いてアンフィールドで勝利を上げれば、夢は継続する。
 しかし、23分にスティーブン・ジェラードのゴールを許してしまう。ジェラードは第1戦でも2得点をあげる活躍を見せている。後半になってマルセイユは昨年のアンフィールドでの殊勲者マチュー・バルブエナを投入するが追いつくことができず、0-1で敗退する。昨年に続き、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント進出に失敗したのである。(続く)

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