第1025回 巻き返しを図るマルセイユ(2) FCチューリヒに連勝、混戦模様のグループC

■FCチューリヒ相手に弾みをつけたいマルセイユ

 フランス勢のリヨン、ボルドーがグループリーグを首位で折り返したのとは対照的に、マルセイユは第1節のACミラン(イタリア)、レアル・マドリッド(スペイン)に対し、連敗でのスタートとなった。第3シードとして格上のビッグクラブ相手の連敗は妥当なものであると言う見方もあるが、第4シードのFCチューリヒ(スイス)がアウエーでACミランに勝利していることを考えれば、サッカーの都マルセイユとしては受け入れがたい結果である。そのマルセイユは第3節と第4節でFCチューリヒと対戦する。第4シード相手との連戦で弾みをつけたいところである。第3節と第4節は同じチームと連戦する日程となっているが、ここで下位シード相手と対戦することは恵まれた抽選であると言える。
 マルセイユはレアル・マドリッド戦の直前のリーグ戦でバランシエンヌに敗れたことを前回の本連載で紹介したが、レアル・マドリッド戦の直後のホームのモナコ戦でも敗れ、リーグ順位も5位まで降下してしまった。10月17日の国内リーグ第7節のナンシー戦はアウエーで3-0と勝利し、ほぼ1月ぶりの勝利をあげてチューリヒに乗り込んだ。FCチューリヒもACミランには勝利したが、国内リーグでは3連敗中であり、昨季のスイスチャンピオンとしては不本意なシーズン序盤である。

■アウエーで1点を守り切り初勝利をあげたマルセイユ

 なんとしても勝ち点3のほしいマルセイユは、開始早々の3分にヒルトンがシュートのこぼれ球を押し込む。幸先よい先制点かと思われたが、無情のオフサイドフラッグ、ゴールは認められず、試合続行となる。先制点のほしいマルセイユはその後もFCチューリヒのゴールを攻め続けるが、地元では負けられないFCチューリヒの守備陣も健闘し、ゴールネットを揺らすことなくハーフタイムを迎える。両チーム無得点で始まった後半であるが、今度はFCチューリヒが優勢に試合を進める。前半は仕事をすることがなかったスティーブ・マンダンダにも仕事が回ってくる。
 マルセイユの攻撃の軸は今年はじめにウクライナのシャフタール・ドネツクから獲得したブラジル人のブランドン、そしてフランス代表入りしたこともある小柄なMFのマチュー・バルブエナ、この2人を中心にFCチューリヒの守備をこじ開けようとする。そしてようやくマルセイユに待望のゴールがうまれた。ルチョ・ゴンザレスのFKは最終ラインからあがってきたノーマークのDFガブリエル・ハインツへと渡る。ハインツは難なくこの好機を得点に結びつける。アルゼンチン代表コンビの活躍でマルセイユは先制点を奪う。この1点を守りきったマルセイユはようやく3試合目にして初白星、後半戦に向けて弾みをつける勝ち点3をあげたのである。

■ホームの試合はファブリス・アブリエルの活躍で前半リード

 そして第4節の試合は11月3日に本拠地ベロドローム競技場で行われた。この試合はマルセイユのファブリス・アブリエルが活躍する。試合開始直後の3分にはシュートがFCチューリヒの選手に当たりゴールイン、マルセイユは先制点を早い段階で奪う。このゴールは記録上はオウンゴールとなるが、アブリエルは続く11分にもシュートを放ち、今度は自らのゴールとして記録に名を刻む。一方のFCチューリヒもミランでACミランに勝利したチームである。31分に1点を返し、なおもマルセイユのゴールに襲いかかるが、ハーフタイムのホイッスルとなる。試合は1点差で前半を終え、後半に突入する。

■試合終盤はマルセイユのゴールラッシュ

 マルセイユは後半序盤の51分にママドゥ・ニアンがゴールを決めて、2点差のセーフティリードとなる。そして試合が残り10分となってからはゴールラッシュになった。80分にヒルトン、87分にはブノワ・シャイルー、そしてロスタイムに入る90分にはブランドンがゴール、終わってみればなんと6-1という大勝で、強豪相手の終盤戦にむけて弾みをつけた。
 グループCの第3節と第4節ではこのほかにACミランとレアル・マドリッドが対戦し、第3節はアウエーのACミランが勝利し、第4節にミランで行われた試合はドローとなっている。FCチューリヒ相手にホームで取りこぼしたACミランがレアル・マドリッドとの直接対決を優位に進めたため、グループCは混戦となり、勝ち点7でACミランとレアル・マドリッドが並び、3位マルセイユが勝ち点6、4位FCチューリヒが勝ち点3で終盤戦を迎えるのである。(この項、終わり)

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