第1042回 チャンピオンズリーグ、グループリーグ終盤戦(2) リヨン、最終戦大勝も2位に終わる

■フランス勢がイタリア勢と対戦する第5節

 アイルランドとの激闘のちょうど1週間後、フランスの有力クラブはチャンピオンズリーグで国際試合を戦う。開幕戦と同じイタリア勢との戦いである。まず24日にリヨンがアウエーでフィオレンチーナと、そして25日にボルドーがユベントスを迎え、マルセイユはミラノに遠征してACミランと戦う。すでに紹介したとおり、リヨンとボルドーはグループリーグ突破を決めており、首位を狙う。そしてこの時点で3位のマルセイユは混戦を抜け出して決勝トーナメントに進みたい。

■前半終了直後に失点、シュートが枠をとらえられなかったリヨン

 まず24日のリヨンの相手のフィオレンチーナはホームで勝利すれば実に10季ぶりの決勝トーナメント進出である。一方のリヨンはこの試合に勝てばグループリーグを首位突破となる。直前の国内リーグではアイルランド戦の代表メンバーの半分を温存したが、このフィオレンチーナ戦はウーゴ・ロリス、アリー・シッソコ、ジェレミー・トゥーララン、シドニー・ゴブーの4人がそろって先発出場した。この試合にかけるリヨンの意気込みが伝わってくる。
 試合は前半からフィオレンチーナが優勢に進めた。フィオレンチーナはフランス代表としてファインセーブを連発したロリスの守るゴールを攻め、2回もゴールポストをたたくが、いずれも得点はならず。アイルランド戦では出番のなかったフランス代表のシッソコが自陣ゴール前でボールを奪われ、相手を倒してしまい、ペナルティをとられる。このチャンスに伝統の紫のユニフォームのフアン・バルガスが慎重に決めて先制点、フィオレンチーナは前半を最少得点で折り返す。
 後半は一転してリヨンが攻め続ける。リヨンは、フランス代表経験のあるセバスチャン・フレイの守るゴールにシュートの雨を浴びせるが、ゴールネットを揺らすどころか枠に入ったシュートを放つことができない。試合を通じて両チームのシュート数はリヨンが14に対し、フィオレンチーナは11、しかし、リヨンが初めてゴールの枠に入るシュートを放ったのは試合も終盤の64分のことであった。シュートの精度がこれほど低くてはいくらボールをキープしても、シュートを放っても得点には結びつかず、リヨンは5試合目にして初黒星、フィオレンチーナに抜かれて2位に落ちたのである。
 フィオレンチーナの勝利により、大会前は最有力と予想されたリバプール(イングランド)の3位が決定し、まさかのヨーロッパリーグへの点戦となったのである。

■リヨン、地元でゴールラッシュ

 グループEの最終節は12月9日に行われた。グループEの関心事はリヨンとフィオレンチーナの首位争いである。ホームで最終戦を迎えるリヨンの相手のデブレツェニ(ハンガリー)はここまで5連敗、グループリーグに出場している32チームで5連敗はデブレツェニとグループAのマッカビ・ハイファ(イスラエル)だけである。フィオレンチーナはリバプールでのアウエーの試合である。リヨンがホームで勝利し、フィオレンチーナがアウエーゲームで負ければリヨンが再び逆転してグループ首位で決勝トーナメントに進む。リヨンが勝利し、フィオレンチーナが引き分けた場合、両チームは勝ち点13で並ぶ。順位はまず当該チームの直接対決の成績で決定されるが、リヨンとフィオレンチーナの対戦は2試合ともホームチームが1-0で勝利しており、グループリーグ全体の得失点差で決められる。最終節を迎える段階の得失点差はリヨンが+5、フィオレンチーナが+6であるが、リヨンは大量得点での勝利が期待できる。
 大量得点での勝利のほしいリヨンはシナリオ通りの戦いとなった。25分にバフェタンビ・ゴミス、42分にはマチュー・バストスが追加点、後半に入って59分にはミラレム・ピヤニッチ、76分にはシッソコが得点し、4-0と大量リードで終盤を迎える。

■ロスタイムの決勝点でフィオレンチーナが首位に

 そして海の向こうリバプールでは前半終了間際にリバプールが先制する。フィオレンチーナも63分に追いつくが、試合は同点のままロスタイムに入る。試合終了の笛が吹かれれば両チームは勝ち点で並び、得失点差はリヨンが+9、フィオレンチーナが+6となり、リヨンが首位となる。しかしロスタイムの92分、フィオレンチーナのアルベルト・ジラルディーノのゴールが決まり、リヨンの首位奪回はならなかったのである。(続く)

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