第1043回 チャンピオンズリーグ、グループリーグ終盤戦(3) ボルドー、最終戦を残して首位確定

■決勝トーナメント進出を早々に決めたボルドー

 前回の本連載ではチャンピオンズリーグのグループリーグの中盤の時点で決勝トーナメント進出を決めたリヨンを取り上げた。第5節でフィオレンチーナ(イタリア)との対戦に惜敗して首位の座を譲り渡し、最終戦ではゴールラッシュで大勝しながら、ライバルのフィオレンチーナが後半のロスタイムに決勝点をあげ、リヨンはグループリーグ2位に終わった。
 リヨン同様、グループリーグの中盤で決勝トーナメント進出を決めたのがボルドーである。第5節を迎える時点でのグループAの順位を確認しよう。まず首位はボルドーで勝ち点10、2位はユベントス(イタリア)で勝ち点8、3位はバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)で勝ち点4、そして最下位がマッカビ・ハイファ(イスラエル)で勝ち点0である。残り2試合でボルドーが連敗し、バイエルン・ミュンヘンが連勝すれば両チームは勝ち点で並ぶが、両チームの直接対決は2試合とも終わっており、ボルドーが連勝していることから、この両チームは勝ち点で並んでもボルドーが上位になり、ボルドーが決勝トーナメント進出を確保しているのである。

■リヨンが失敗した首位確定を決めたいボルドー

 ボルドーは11月26日の第5節ではホームでユベントスと対戦するが、この試合に勝利すれば、最終節を待たずして首位突破を確定することができる。逆にユベントスが勝利したならば、ユベントスは決勝トーナメント進出を決め、さらに勝ち点でリヨンを抜いて首位に躍り出ることができうる。前回の本連載をお読みになった読者の方ならば気が付かれるであろうが、前日に第5節の試合を行ったリヨンとフィオレンチーナの関係と酷似している。リヨンから国内リーグ王座の座を奪ったボルドーであるが、前日の元王者の過ちを繰り返すのではなく、新王者としてイタリアのビッグクラブをたたいて決勝トーナメントに優位な条件で臨みたいところである。

■進境著しいボルドー、四半世紀前と力関係が逆転

 さて、年内のチャンピオンズリーグの試合としては11月26日のこの試合がホームでの最終戦となる。第1節で対戦した際にも紹介したが、両チームは25シーズン前のチャンピオンズカップの準決勝で対戦している。1985年には両チームとも訪日しており、両チームの日本でのプレーは印象的なものであったが、その両チームがこの年に対戦しているというのは興味深い事実である。この準決勝では2試合ともユベントスが勝利、ユベントスは決勝でも勝利し、東京で行われたインターコンチネンタルカップでも優勝しており、ボルドーとの力の差は明白であった。しかし、それから四半世紀、国内リーグでチャンピオンに返り咲いたボルドーの成長は著しく、トリノでのユベントス戦は引き分けに持ち込んでいる。

■赤と白の縦じまのボルドー、2-0で堅守ユベントスを下す

 この試合、ボルドーは赤と白の縦じまのユニフォーム、ユベントスはグレーのユニフォームで対戦する。ボルドーは国内リーグ戦で失速し、2位ながら最近の6試合のうち4回黒星を喫している。ユベントスはこれまで4試合でわずか1失点と堅守を誇る。 フランスリーグでの不振を打開しようと赤白の縦じまのボルドーが開始から積極的に攻める。前半はノーゴールであったが、ボルドーがリードするのは時間の問題であった。
 先制点は54分、ヤロスラフ・プラシルのFKをフェルナンドの頭が完ぺきにとらえる。フェルナンドのヘッディングシュートは先制点となる。ユベントスもアレッサンドロ・デルピエーロを投入するなどして反撃に出るものの、次の得点もやはりボルドーであった。長いロスタイムの94分、ウェンデルからのパスをモロッコ代表のマルーアン・シャマクが得点に結び付け、ボルドーはこれで4連勝、早々と首位を確定した。第5節で首位を確定したのはグループDのチェルシーとグループHのアーセナルというイングランド勢とボルドーだけである。
 ボルドーは最終戦のマッカビ・ハイファ戦も、アウエーをものともせず1-0と勝利した。マッカビ・ハイファは6試合で6連敗、そして無得点という不名誉な記録を残してしまったのである。(続く)

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