第1069回 2009-10欧州カップ決勝トーナメント (3) フランス勢、4チームとも第1戦先勝

■現在の本拠地メトロポール競技場で戦うリール

 リヨンがレアル・マドリッド(スペイン)にホームで勝利と言う幸先のよい出だしとなった今季の欧州カップの決勝トーナメント、リヨン勝利の2日後の2月18日にはヨーロッパリーグでマルセイユとリールが登場する。前々回の本連載で紹介したとおり、マルセイユはFCコペンハーゲン(デンマーク)、リールはフェネルバフチェ(トルコ)とそれぞれ対戦する。
 まずリールは19時キックオフ、マルセイユは21時05分にキックオフ、ちょうどリールの試合が終わった段階でマルセイユの試合が開始する。グループリーグを首位通過できなかったリールはグループリーグを首位で通過したフェネルバフチェと第1戦をホームで戦う。このようなホームアンドアウエー方式の場合、アウエーで第2戦を迎えるのは厳しく、勝利しておきたいところである。リールは近郊のビルヌーブダスクにあるメトロポール競技場でホームゲームを行う。リールは3季ぶりの欧州カップであるが、前回はチャンピオンズリーグに出場しており、UEFAの規定する競技場の収容人員を満たすために、ランスのフェリックス・ボラール競技場やサンドニのスタッド・ド・フランスを使用したが、今季のヨーロッパリーグは現在の本拠地のメトロポール競技場で行う。

■最少得点差で勝利したリール

 リールはリーグ戦では3位であるが、年明けの国内のカップ戦ではフランスカップはベスト32決定戦でコルマールにPK負け、そしてリーグカップではベスト8決定戦はレンヌに勝利したものの、準々決勝ではマルセイユに敗れ、残るタイトルは2つになってしまった。
 1万6000人の観衆のうちおよそ5000人がトルコ人という異様な雰囲気の中で試合はキックオフされた。リールは立ち上がりの2分にフローラン・バルモンが先制点を決めるが、フェネルバフチェも5分にゴールを上げ、すかさず同点に追いつく。第2戦にかけるフェネルバフチェはこれで攻撃の手を休める。リールがその後は試合を支配するが、勝ち越し点をあげることなく前半が終わる。
 後半に入り、51分には先制ゴールをあげたバルモンがチャンスをつくり、ピエール・アラン・フローが要約勝ち越し点をあげる。その後、試合は荒れ気味となり、フェネルバフチェは退場者も出し、リールが数的有利になったが、リールは最少得点差で第1戦をものにしたのである。

■終盤にゴールラッシュを見せたマルセイユ

 そのリールにリーグカップで勝利したマルセイユはデンマークの首都コペンハーゲンでの試合となる。マルセイユはリーグ5位、2月に入ってからカップ戦を2回戦い、リーグカップはトゥールーズに勝利してボルドーとともに決勝進出を果たしたが、フランスカップはランスに敗れ、ベスト32どまりであった。FCコペンハーゲンとのアウエーの戦い、マルセイユにとってアウエーで引き分けならば合格点と言う相手ではないが、マルセイユはこれといった見せ場を作ることなく前半を終えてしまう。後半も無得点が続くが、残り20分弱で試合は動く。まず、72分にアフリカ選手権に出場できなかったセネガルのママドゥ・ニアンが待望の先制点、ところがその7分後にニアンが痛恨のハンドでPKを与え追いつかれる。しかし、84分にハテム・ベンアルファが勝ち越し点、さらに89分にはブルキナファソ代表としてアフリカ選手権に出場したシャルル・カボレが3点目を上げ、3-1というスコアで第2戦を迎えるのである。

■ヨアン・グルクフのFKから決勝点が生まれたボルドー

 そして第2週に登場したのがチャンピオンズリーグのボルドーである。23日にオリンピアコス(ギリシャ)とアウエーで対戦する。リーグ戦でも順調に1位をキープするボルドーはリーグカップでも決勝進出、フランスカップは敗れたものの、国内外のタイトルを密かに狙っている。その攻撃の中心はヨアン・グルクフである。試合は前半ロスタイムのグルクフのFKで決まった。グルクフのFKはゴール前に放り込まれる。ターゲットはストッパーのミカエル・チアニ、チアニがヘディングでゴールネットを揺らし、これが決勝点となる。
 フランス勢は4チームとも第1戦を勝利したのである。(この項、終わり)

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