第1742回 ヨーロッパカップ本戦への道(1) リール、リヨンともプレーオフに進出

 3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■予備戦、プレーオフを戦うリール、サンテチエンヌ、リヨン

 8月8日のスタッド・ド・ランス-パリサンジェルマン戦でフランスリーグの1部が開幕したが、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの本戦出場を目指す予備戦はすでに7月から始まっている。
 今季、フランスからチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグにはそれぞれ3チームが出場するが、本戦にストレートで出場できるのは、チャンピオンズリーグはパリサンジェルマン(リーグ1位)、マルセイユ(リーグ2位)の2チーム、ヨーロッパリーグはギャンガン(フランスカップ優勝)だけであり、リーグ3位のリールはチャンピオンズリーグの予備戦3回戦から、リーグ4位のサンテチエンヌはヨーロッパリーグのプレーオフから、リーグ5位のリヨンはヨーロッパリーグの予備戦3回戦からの参戦となる。

■UEFAインデックス6位のフランスリーグ3位のリールは予備戦3回戦から参戦

 チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの予備戦3回戦はホームアンドアウエー方式で行われ、第1戦は7月の末、第2戦はその翌週の8月初めに行われ、リールとリヨンはリーグ開幕前に国際試合を2試合行うことになる。リーグ戦開幕前に敗退することはチームの士気にも関わるところであるから、確実に勝利し、8月下旬に行われるプレーオフ進出を決めてリーグ戦でもスタートダッシュを決めたいところである。
 この2チームで先に登場したのはリールである。各国リーグで3位になった場合はUEFAインデックスで1位から3位までは本戦出場、4位のイタリアと5位のポルトガルはプレーオフからの参戦である。6位のフランスは予備戦3回戦からの3戦であり、7位のウクライナ以降は2位チームが予備戦3回戦からの登場となる。

■アウエーの第1戦の貯金でグラスホッパー・チューリッヒを下したリール

 リールの対戦相手はスイスリーグ2位のグラスホッパー・チューリッヒである。1月前のワールドカップのグループリーグでフランスはスイスに勝利している。国の代表チームのランキングはフランスよりもスイスが上位であるが、リーグのランキングはフランスが上位である。
 7月30日、チューリッヒのレツイグント競技場、まだ日も高い19時にキックオフされる。グラスホッパーのメンバーでスイス代表としてワールドカップのメンバー入りしたのはミハエル・ラングだけであるが、GKのダニエル・ダバリはイラン代表であるから日本の皆様はよくご存じであろう。一方のリール、フランス代表はリオ・マブーバだけであるが、GKのビンセント・エニェアマはナイジェリア、サロモン・カルーはコートジボワール、そしてディボク・オリジはベルギーの代表としてワールドカップで活躍した。
 リールのワールドカップ組は出場しなかったが、地力の差は明らかであり、先制点をあげたのはソショーから移籍してきた若手のセバスチャン・コルシアであり、24分にリールが先制し、後半開始早々にはライアン・メンデスが追加点をあげ、アウエーでの第1戦を2-0と勝利した。
 リールの第2戦は本拠地のピエール・モーロワ競技場で8月5日に行われた。アウエーの第1戦で2点差で勝利していることもあり、リールは余裕をもって戦いを進める。19分にフローラン・バルモンが先制点、33分にグラスホッパー・チューリッヒに追いつかれるが、2万5000人のファンも余裕で試合終了のホイッスルを聞く。2試合合計3-1でリールはプレーオフに出場する。

■ムラダー・ボレスラフに連勝したリヨン

 一方、リヨンは7月31日、ヨーロッパリーグの予備戦3回戦でチェコのムラダー・ボレスラフと対戦する。ライバルのサンテチエンヌがプレーオフから参戦、リヨンはプレーオフの前に負けるわけにはいかない。リヨンはヨーロッパカップ用の黒のサードユニフォーム、立ち上がりからムラダー・ボレスラフを圧倒する。前半にリヨンはモハメド・ヤッタラ、マキシム・ゴナロンのゴールでリード、後半も3点を追加し、ムラダー・ボレスラフの反撃を1点に押さえ、4-1と大勝する。
 リーグ開幕前夜にジェルランで行われた第2戦も同じ黒のサードユニフォームでファンの前に姿を見せたリヨンは、アレクサンドル・ラカゼットが先制、いったんは追いつかれるが試合終了直前にクリントン・エンジェが決勝点、連勝してプレーオフ進出決定、リーグ戦開幕を迎えることになったのである。(続く)

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