第1759回 チャンピオンズリーグ開幕(1) ポルトガル、ロシアのチームと対戦するモナコ

 3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■チャンピオンズリーグのグループリーグの組み合わせ抽選

 本連載の第1742回から第1745回にかけて紹介したとおり、フランスからチャンピオンズリーグの本戦にはパリサンジェルマンとモナコ、ヨーロッパリーグの本戦にはリール、サンテチエンヌ、ギャンガンが参戦することになった。
 チャンピオンズリーグはヨーロッパリーグよりも1日早くプレーオフが終わり、本戦のグループリーグの抽選もチャンピオンズリーグはヨーロッパリーグよりも1日早く行われる。
 チャンピオンズリーグのグループリーグの抽選会は8月28日にモナコで行われた。過去5年間のチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグでの実績を基にチームのランキングを計算し、参加する32チームを4つのシードに分ける。パリサンジェルマンは32チーム中12番目で第2シード、モナコは最後から2番目で第4シードとなっている。ちなみに第1シードはポイント順でレアル・マドリッド、バルセロナ(以上スペイン)、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、チェルシー(イングランド)、アトレチコ・マドリッド(スペイン)、アーセナル(イングランド)、ポルト(ポルトガル)という顔ぶれである。

■パリサンジェルマンはバルセロナ、アヤックス・アムステルダム、アポエル・ニコシアと対戦

 抽選の結果、パリサンジェルマンはグループFに入る。第1シードからバルセロナ、第3シードからはアヤックス・アムステルダム(オランダ)、第4シードからアポエル・ニコシア(キプロス)というメンバーになった。いずれのチームもチャンピオンズリーグの常連、昨年に続く出場となったが、バルセロナとパリサンジェルマンの力が他の2チームに比べて抜きんでているという見方が多いであろう。パリサンジェルマンはバルセロナとは昨季の準々決勝で対戦し、2試合とも引き分けながらアウエーゴールの差で惜敗、アヤックス・アムステルダムはかつてズラタン・イブラヒモビッチが所属したチームであり、パリサンジェルマンとの1戦は特別な雰囲気の中で行われるであろうし、一昨年アポエル・ニコシアが旋風を巻き起こしたことは記憶に新しい。

■モナコはベンフィカ、ゼニト・サンクトペテルブルク、レバークーゼンと対戦

 そしてモナコはグループC、第1シードはベンフィカ、第2シードはゼニト・サンクトペテルブルク(ロシア)、第3シードはレバークーゼン(ドイツ)となった。このグループもグループF同様に全チームが昨季のチャンピオンズリーグにも出場している。グループFに比べると4チームの力が拮抗しているが、モナコのファンだけではなく、フランスのサッカーファンにとっても注目のグループとなった。

■UEFAインデックスで7位に落ちるフランス

 本連載でもしばしば紹介しているように、各クラブの欧州での戦いをリーグごとに集計したUEFAインデックスでフランスはポルトガルに抜かれて6位に転落したが、この夏のチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの予備戦やプレーオフの結果をカウントするとロシアにも抜かれて7位に落ちることになる。ポルトガルはチャンピオンズリーグの第1シードにベンフィカとポルトの2チームを送り込み、第3シードにスポルティング・リスボンの名もあり、ヨーロッパリーグにはマデイラが出場する。ロシアはチャンピオンズリーグに参戦するのは第2シードのゼニト・サンクトペテルブルククと第3シードのCSKAモスクワの2チームであるが、ヨーロッパリーグにはロコモティフ・モスクワ、ディナモ・モスクワ、ロストフ、クラスノダールの4チームが出場する。ランキングで7位に落ちると2016-17シーズンのチャンピオンズリーグには2チームしか出場できない。ポルトガル、ロシア、フランスのリーグのランキング争いは僅差であり、目を離せない。
 このような状況の中でモナコはポルトガルのベンフィカ、ロシアのゼニト・サンクトペテルブルクと直接対決する。これらのチームにモナコが勝利することは、モナコというチームの評価だけではなく、フランスサッカーの評価につながっていくのである。(続く)

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