第1745回 ヨーロッパカップ本戦への道(4) サンテチエンヌ、PK戦を制し、グループリーグに進出

 3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■リーグ戦でも元気の出ないけが人続出のリヨン

 前回の本連載ではヨーロッパリーグのプレーオフの第1戦でサンテチエンヌ、リヨンとも敗れたことを紹介したが、今回はその翌週に行われた第2戦の模様を紹介しよう。
  両チームとも8月28日に第2戦を行ったが、リヨンの方が先に試合を行い、ルーマニアのジュルジュで19時45分キックオフ、フランス時間では18時45分のキックオフとなる。ホームの第1戦でまさかの逆転負けを喫したリヨン、1点差であるならば3-2以上の勝利、それ以外では最低でも2-0の勝利が必要である。リヨンは8月21日の敗戦がよほどショックであったのであろう、8月24日に本拠地ジェルラン競技場で行われた試合でRCランスに0-1と敗れ、リーグ戦では連敗、黒星先行となった。
 得点を重ねて逆転したいリヨンであるが、シーズン開幕直後というのに負傷者が続出し、ヨアン・グルクフ、クレマン・グルニエ、サミュエル・ウムティティ、ゲイダ・フォフォナなどがメンバーから外れ、本来は守備的MFのマキシム・ゴナロンをストッパーに起用する苦肉の策でルーマニアに乗り込む。

■26分にジョルダン・フェリが先制点

 一方のアストラ・ジュルジュは日本のファンの期待する瀬戸貴幸はベンチスタートであるが、ヨーロッパリーグの本戦に向けて優位な状況で第2戦を迎える。
 リヨンはキックオフ直後から積極的に攻める。特に両サイドバック、右のクリストフ・ジャレ、左のメディ・ゼファン、2人のサイドからの攻め上がりがチャンスを作る。ホームのアストラ・ジュルジュは守勢一方でカウンターアタックだけが頼りである。ジョルダン・フェリがペナルティエリア内からのシュートで1点先制、攻勢のリヨンは残り70分弱で1点追加をすればよい。その直後にもリヨンは決定的なチャンスがあったが、アストラ・ジュルジュのGKの好守にはばまれた。

■追加点が奪えなかったリヨンは敗退

 前半は終始リヨンのリズムであったが、結局この1点だけで、グループリーグへのチケットは後半の45分に委ねられた。後半は一転してアストラ・ジュルジュのリズムとなり、追加点の欲しいリヨンが自陣ゴール前にくぎ付けとなる時間帯が続く。本来は活躍してはならないGKのアントニー・ロペスがスーパーセーブを連発し、アストラ・ジュルジュのゴールを許さないが、リヨンのファンの期待しているのは攻撃陣の活躍である。リヨンは早めのメンバー交代で総力戦をかけるが、最後の得点チャンスは84分、フェリのシュートにアストラ・ジュルジュのGKは届かなかったが、ポストが助ける。アストラ・ジュルジュは終盤にはフランス人選手のバンサン・ラバンに代えて瀬戸を投入、守りを固めたアストラ・ジュルジュから追加点を奪うことができなかったリヨンは1-0と第2戦で勝利したが、アウエーゴール2倍ルールでプレーオフ敗退となったのである。

■激しい展開、サスペンスはPK戦を制したサンテチエンヌが勝利

 そしてホームで1点を追うことになったサンテチエンヌは20時30分にキックオフ、直前のリーグ戦ではレンヌ相手に試合内容で圧倒しながらスコアレスドローに終わった緑の軍団。得点と勝利を期待するファンが2万7000人以上集まった。カルデミル・カラブクスポルのサンバ・ソー、ラリー・マビアラはかつてフランスのクラブに所属しており、ジェフロワ・ギシャールのファンから名誉のブーイングを浴びる。試合は開始直後から激しいものになる。そして開始早々の13分、ちょうどリヨンの敗退が決まったころ、サンテチエンヌはケビン・モネ・パッケのボレーシュートで先制する。これでタイとなるが、サンテチエンヌは残り80分近くホームで戦うことができる。試合は一進一退の攻防が続くが、90分経ってスコアボードは動かず、延長戦に突入する。
 息詰まる試合展開のまま120分経ってもゴールは生まれず、PK戦となる。先蹴のリヨンは次々と成功させ、最後は今回のワールドカップの第3GKだったステファン・ルフィエが止めて、ジェフロワ・ギシャールは歓喜の渦に包まれたのである。 (この項、終わり)

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