第1928回 中盤を迎えたチャンピオンズリーグ(4) リヨン、中盤戦で連敗、決勝トーナメントの夢絶たれる

 4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■パリサンジェルマンとレアル・マドリッドの対戦の前日に登場するリヨン

 まだチャンピオンズリーグのグループリーグの中盤戦というのにグループAのパリサンジェルマンとレアル・マドリッド(スペイン)の全勝同士の対戦はフランスとスペインだけではなく、欧州中の注目を集めた。
 両雄の対戦は10月21日にまずパルク・デ・プランスで行われるが、その前日の20日にもう1つのフランス勢のリヨンが第3節を戦う。

■リーグチャンピオンが勝ち点を重ねた序盤戦

 ここまで2試合で勝ち点1のリヨンにとって第3節と第4節で対戦するロシアのゼニト・サントペテルスブルクは少々重い相手である。パリサンジェルマン同様、リーグチャンピオンということで第1シードに滑り込んだが、UEFAクラブインデックスでは格が上のスペインのバレンシア相手に第1戦でアウエーで勝利しており、第2節は第4シードのベルギーのゲント相手に2-1と順当勝ちしている。第1節と第2節で連勝しているチームはグループAのパリサンジェルマンとレアル・マドリッド、グループCのベンフィカ(ポルトガル)、グループDのユベントス(イタリア)、グループFのバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、そしてグループHのゼニト・サントペテルスブルクの6チームであるが、レアル・マドリッド以外はリーグチャンピオンであり、リーグチャンピオンを優遇した今回の大会レギュレーションの変更に見事にこたえたと言えるであろう。

■前半戦で唯一3連勝したゼニト・サンクトペテルブルク

 リヨンはまずアウエーでゼニト・サンクトペテルブルクと対戦する。挽回したいリヨンであるが、ゼニト・サンクトペテルブルクは3分にアルテム・ジュバが先制点を決める。この早すぎる時間帯での失点にリヨンは戦意を失い、前半はこれといった見せ場を作ることもなく、終了してしまう。後半に入ってここまでリヨンのブレーキとなってきたアレクサンドル・ラカゼットがようやく覚醒する。49分にクリストフ・ジャレの放ったシュートのコースを変えて同点に追いつく。しかし、56分のゼニト・サンクトペテルブルクのフッキのミドルシュートがすべてを決した。見事なシュートに場内は歓喜、リヨンは落胆、リヨンはさらに終盤にも失点し、1-3と敗れ、折り返しの時点で勝ち点はわずか1にとどまり、得失点差でもゲントに及ばず最下位でターン。ゼニト・サンクトペテルブルクは前半戦を3連勝で終えた唯一のチームとなった。
 グループHは首位が勝ち点9のゼニト・サンクトペテルブルク、2位のバレンシア(スペイン)は勝ち点6、ゲントとリヨンが勝ち点1であり、第4節でチャンピオンズリーグの決勝トーナメント進出2チームが決まる可能性もある。

■ホームのジェルランでもゼニト・サンクトペテルブルクに敗れたリヨン

 その第4節は11月4日に行われた。リヨンは本拠地ジェルランで今季2試合目の国際試合である。崖っぷちのリヨンの大逆転を応援しようと3万人を超すファンが集まった。前半戦を3連勝したゼニト・サンクトペテルブルクに対し、リヨンは立ち上がりは攻勢をかけるが、次第に試合はゼニト・サンクトペテルブルクのペースとなる。25分にはアルテム・ジュバが先制点を奪い、ジェルランに集まった地元ファンをがっかりさせる。しかし、後のないリヨンも果敢に反撃、しばしばゼニト・サンクトペテルブルクのゴールを襲うが、得点はならず、1点を追って試合は後半に入る。 後半に入ってもゴールネットを揺らしたのはゼニト・サンクトペテルブルクのジュバであった。57分に追加点をあげ、これで勝負あった。リヨンはボールを持たされた格好となるが得点をあげることはできず、0-2と敗退する。 リヨンはこれで3位以下が決定し、チャンピオンズリーグの決勝トーナメント進出の可能性はなくなった。前日にパリサンジェルマンがレアル・マドリッド(スペイン)に敗れたのに続き、フランス勢は連日の敗戦となる。フランスの国別ランキングもロシアにも抜かれて7番目に落ちたのである。(続く)

このページのTOPへ