第2166回 リヨンも準決勝に進出 (2) 終盤の73秒間に逆転劇を演じたリヨン

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■トルコ勢と4回対戦したことがあるリヨン

 トルコのベシクタシュを本拠地パルク・オランピック・リヨネに迎えたリヨン、試合前のサポーター同士の衝突によってキックオフが大幅に遅れた。
 この両チームはこれまでの欧州カップでは対戦したことがないが、リヨンは欧州カップでトルコ勢とは4回対戦している。最初は1991-92シーズンのUEFAカップ2回戦である。トラブゾンスポルと対戦し、ホーム、アウエーとも敗れている。なお、この時には現在リヨンの監督を務めているブルーノ・ジェネジオが出場している。2回目は2001-02シーズンのチャンピオンズリーグのグループリーグである。グループFのリヨンはバルセロナ(スペイン)、レバークーゼン(ドイツ)、フェネルバフチェ(トルコ)と対戦した。フェネルバフチェに対してはホーム、アウエーとも連勝したが、グループリーグで3位にとどまり、UEFAカップに転戦した。その翌季の2002-03シーズンもリヨンはチャンピオンズリーグに出場し、グループリーグで3位となる。UEFAカップの決勝トーナメントの3回戦に回ったが、ここでトルコのデニズリスポルと対戦する。アウエーの第1戦はスコアレスドローで乗り切ったが、第2戦では0-1と敗れてしまい、敗退する。2004-05シーズンのチャンピオンズリーグに出場したリヨンはグループDでマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)、スパルタク・プラハ(チェコ)、フェネルバフチェと対戦する。この時もリヨンはフェネルバフチェにホーム、アウエーとも勝利し、グループリーグを首位で通過している。リヨンのトルコ勢との対戦成績は8戦して4勝1分3敗である。

■先制点はベシクタシュ

 試合前には両チームの選手がセンターサークルに並び、観客に落ち着くように求めて拍手を促す。ベシクタシュのキックオフで始まった試合、最初のチャンスは5分、ベシクタシュであった。ベシクタシュのFKをリヨン守備陣のクリアが小さく、マルセロがシュート、リヨンのGKのアントニー・ロペスはCKに逃れる。9分にもベシクタシュはCKからチャンスをつかみ、シュート、リヨンはムクタール・ディアカビのクリアでピンチを脱する。
 しかし、先制点はベシクタシュであった。15分にベシクタシュはFKをクイックでリスタート、タリスカが前方で受けて、ライアン・バベルにつないでシュートを決める。先制を許したリヨンは19分に同点のチャンスをつかみ、左サイドのコランタン・トリッソが攻め上がり、クロスをナビル・フェキルに合わせる。フェキルは左足でボレーシュートを放つが、クロスバーに当たり、同点には追いつけなかった。試合はベシクタシュがボール支配で上回り、前半を終える。

■後半も我慢の時間帯の続くリヨン

 1点を追うリヨンは後半に入ってからは立ち上がりにアレクサンドル・ラカゼットがペナルティエリアの中で相手と接触し、リヨンはPKをアピールするが結局はオフサイドの判定となる。67分にもフェキルがペナルティエリア内で倒されたが、主審はシミュレーションの反則を取る。
 後半に入ってからはリヨンはボール支配率とパスの多さで試合のイニシアティブを取る。しかしなかなかゴールマウスの中にシュートを放つことができない。またオフサイドの山で、チャンスと思ってもオフサイドの判定、ファンにとっても我慢の時間帯である。

■73秒間の間にリヨンが逆転

 そして後半に強いリヨンが本領を発揮したのは試合終了の7分前である。83分にマチュー・バルブエナのFKからボールがゴール前につながり、最後はトリッソが至近距離からゴールを決めた。さたにその73秒後、ジェレミー・モレルがゴール前の混戦から無人のゴールに逆転ゴールを決める。
 わずか73秒間の間に見事に逆転劇を決めたリヨンがホームの第1戦で2-1と勝利したのである。(続く)

このページのTOPへ