第2178回 リヨンも準決勝敗退(4) 1点及ばなかったリヨン、またも準決勝で消える

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■攻撃的な布陣のリヨン

 第1戦を1-4と大敗したリヨンであるが、大逆転を期待するファンがパルク・オランピック・リヨネに集まり、5万5000人の観衆で膨れ上がる。
 大量点の欲しいリヨンは攻撃的な布陣、1トップはアレクサンドル・ラカゼット、攻撃的なMFには右にマクスウェル・コルネ、左にマチュー・バルブエナ、中央にナビル・フェキルが控える。攻撃の起点となる守備的MFはコランタン・トリッソとマキシム・ゴナロンの2人、守備ラインは右からラファエウ、ニコラ・ヌクル、ムクタル・ディアカビ、ジェレミー・モレル、そしてGKはアントニー・ロペスである。ディアカビ、コルネは20歳と若い選手が名を連ねた一方、バルブエナ、モレルは30歳以上のベテランである。

■先制点を許したリヨン、前半終了間際に逆転

 試合は3度目の正直を願うファンの期待を裏切らないものとなる。ホームのリヨンは立ち上がりから積極的に3-0を目指して、攻め込む。3分にはバルブエナのCKをラカゼットが頭で合わせるがボールはクロスバーの上を通り過ぎる。その後もリヨンは積極的に攻めるが、なかなか得点をあげることができない。逆にアヤックス・アムステルダムは24分にリヨン守備陣のすきをつき、ハキム・ツィエクがロペスと1対1になる。これをアントニー・ロペスは防ぐが、その後もアヤックス・アムステルダムの攻撃が続く。先制点は27分、ラファエルとエンクルの意思疎通が十分でなかったためにボールを奪われ、アミン・ユネスがカスパー・ドルベリにパス、ドルベリが放ったシュートに対してミスを挽回しようとラファエルが身を挺してクリアしようとする。しかし、ボールはゴールラインを通過しており、リヨンは痛恨の失点となる。19歳のドルベリは第1戦でも得点をあげており。今季の欧州カップで通算5得点目となる。
 4得点が必要になったリヨンであるが、前半も終わろうとするのにノーゴール、リヨンにとって悲願の欧州カップ決勝進出は絶望かと思われた44分、トリッソがペナルティエリア内でファウルを受けてリヨンはPKを得る。このPKをラカゼットが決めて、ここからリヨンの大反撃が始まった。アディショナルタイムの表示が出た直後の46分にラカゼットがフェキルのパスを受けてシュート、ファーサイドに飛んだシュートにアヤックス・アムステルダムのGKは及ばず、リヨンが2-1と逆転し、前半を終える。

■選手交代が功を奏し、あと1点と追い上げる

 リードしているとは言え、リヨンはあと2点取らないと追いつくことができない。後半に入り、リヨンはボール保持率が高まり、アヤックス・アムステルダムを押し込む。リヨンはよいリズムで試合を進めていることから、選手交代はアヤックス・アムステルダムよりも後手となる。リヨンの選手交代は75分にモレルに代えてマチェイ・リブス、77分には豊富な運動量を記録したバルブエナを下げてラシド・ゲゼルを投入する。いわばラストスパートにかける形となったリヨンであるが、この2人が見事に期待に応える。リブスからのクロスをゲゼルが決めて、3-1、あと1点に詰め寄る。さらに84分にはアヤックス・アムステルダムのニック・フェオエルヘフェルに2枚目のイエローカード、リヨンは数的有利になる。ここでパルク・オランピック・リヨネのボルテージは最高潮となる。

■1点及ばなかったリヨン、ベストゴール10傑に2ゴールが入る

 ところが、リヨンはあと1点が届かず、3-1で勝利したものの、2試合通算スコアで決勝進出はならず、またも準決勝で敗退したのである。
 結局、ヨーロッパリーグはイングランドのマンチェスター・ユナイテッドが決勝でアヤックス・アムステルダムを2-0と下して優勝したが、大会終了後に発表されたベストゴール10傑にリヨンの選手のゴールが2つランクインした。いずれも3月9日に行われた2回戦のホームでのASローマ戦で、後半開始直後に2-2に追いついたトリッソの右足のゴールが2位、そして4-2とダメ押しを決めた後半のアディショナルタイムのラカゼットのゴールが10位に入ったのである。(この項、終わり)

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