第2208回 本大会目指す3チーム(2) 第2戦で明暗の分かれたマルセイユとボルドー

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■シード扱いとなったマルセイユとボルドー

 チャンピオンズリーグの予備戦3回戦でニースがアヤックス・アムステルダム(オランダ)を退けたことを前回の本連載で紹介したが、ヨーロッパリーグではマルセイユとボルドーが予備戦3回戦を戦った。ヨーロッパリーグの予備戦はチャンピオンズリーグと異なり、各チームの所属リーグのランキングは関係なく、各チームの欧州カップでの戦績を元にしたランキングでシードチームとそれ以外に分かれる。フランス勢は2チームともシードに入り、ノーシードのチームと対戦することになった。抽選の結果、マルセイユはベルギーのオーステンデ、ボルドーはハンガリーのビデオトンとの対戦となった。
 予備戦3回戦の第1戦は7月27日に行われ、マルセイユ、ボルドーともホームに国外のチームを迎えた。

■バレル・ジェルマン、生まれ故郷でハットトリック

 マルセイユはシーズン前の練習試合は6勝1分と負け知らず、ファンにとってはリーグ開幕よりも一足早い試合に期待が高まり、平日とはいうものの4万5000人のファンがベロドロームに集まった。この試合、マルセイユは新戦力が活躍した。立ち上がり2分に先制点を決めたのはバレル・ジェルマンであった。本連載の読者の皆様であればよくご存じのブルーノ・ジェルマンの息子である。父ブルーノがマルセイユに所属したいたときにブルーノはマルセイユで生まれている。昨季はモナコに所属し、リーグ優勝に貢献したジェルマンは今季から生まれ故郷のマルセイユのメンバーとなり、最初の公式戦でチーム最初の得点を決めた。ところが、26分にマルセイユは不用意なファウルからPKを献上、復帰したスティーブ・マンダンダに期待がかけられたが、オーステンデの主将のセバスチャン・シアニが決めて同点に追いつかれる。マルセイユは今季モンペリエから加入したモルガン・山村が32分に勝ち越し点を奪い、1点リードして折り返した。
 後半に入って55分にマンダンダがスーパーセーブを見せ、その直後の56分にジェルマンがゴールを決める。マルセイユは69分に失点し、1点差に攻め寄られるが、82分にジェルマンがさらに追加点を決めて4-2とする。マルセイユはハットトリックを決めたジェルマンをはじめとする移籍組の活躍で4-2と先勝したのである。

■第2戦をスコアレスドローで乗り切ったマルセイユ

 第2戦はベルギーに舞台を移す。ベルギーリーグはフランスリーグよりも1週間早く開幕しており、オーステンデは開幕戦でムスクロンに0-1と敗れている。元気のないオーステンデ相手にマルセイユはしばしばチャンスをつかむが、シュートが2回もポストに嫌われるなどして無得点、しかし、オーステンデにも得点を与えず、第2戦はアウエーでスコアレスドロー、1勝1分のマルセイユはプレーオフに進むこととなった。

■1勝1敗となるが、アウエーゴールの差で敗退したボルドー

 第1戦にホームで勝利したのはボルドーも同様であった。年が明けてからボルドーは下位チームには負けておらず、リーグ6位に滑り込み、パリサンジェルマンのフランスカップ優勝でチャンスを手に入れた。昨季のハンガリーリーグ2位で予備戦の1回戦から勝ち進んできたビデオトン相手に18分にユヌス・サンカレが先制点を入れる。23分にビデオトンに追いつかれるが、33分に再びサンカレがゴールを決めて勝ち越す。後半は両チーム得点なく、ボルドーが2-1と1点差の勝利で第2戦を迎えることになった。
 ハンガリーリーグもフランスリーグより早く開幕しており、ビデオトンはヨーロッパリーグの予備戦を含めすでに公式戦を7試合消化している。この試合はイエローカードが飛び交い、負傷者が続出する荒れた試合となった。前半のアディショナルタイムは4分と表示されたが、それを越えて試合が行われた50分、ビデオトンはCKから1点を奪う。
 後半立ち上がりの46分、ボルドーはユスフ・サバリが2枚目のイエローカードで退場、厳しい展開となった。しかし、ビデオトンも69分に警告2回目の選手が出て、数的には10対10のイーブンとなった。残り20分でボルドーは得点をあげなくてはならなかった。後半のアディショナルタイムは7分もあったが、結局ノーゴールであった。1勝1敗、通算得点も2-2と並んだがアウエーゴールの差でボルドーはリーグ開幕前に欧州の舞台から降りたのである。(この項、終わり)

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