第2303回 最後の期待、ヨーロッパリーグ(1) リヨン、マルセイユ、ニースの3チームが出場

 7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■フランスから初めて3チームが決勝トーナメントに進出

 前回までの本連載ではチャンピオンズリーグの決勝トーナメントにフランス勢から唯一出場したパリサンジェルマンが1回戦で前年優勝チームのレアル・マドリッド(スペイン)に連敗して姿を消したことを紹介してきた。フランス勢がチャンピオンズリーグの準々決勝に進出できなかったのは久しぶりのことである。
 一方、今回から紹介するもう1つの欧州カップであるヨーロッパリーグには決勝トーナメントにフランスからマルセイユ、リヨン、ニースの3チームが出場する。ヨーロッパリーグが現行の大会方式となってからフランス勢が3チーム決勝トーナメントに出場するのは初めてのことである。昨年はリヨンが準決勝に進出したが、これがフランス勢として最高の成績である。その前の2季は決勝トーナメントの1回戦でフランス勢は姿を消しており、2011-12シーズンに至っては決勝トーナメントに1チームも進むことができなかったのである。

■現行方式での優勝チームはスペイン、イングランド、ポルトガル勢

 2009-10シーズンから現行方式になってこれまでに8回行われてきたが、スペイン勢が5回(セビリア3回、アトレチコ・マドリッド2回)、イングランド勢が2回(チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド)、ポルトガル勢が1回(ポルト)優勝しているが、いずれも同国リーグから多数のチームが決勝トーナメントに出場して優勝している。昨年優勝したマンチェスター・ユナイテッドはイングランドからは他にトットナム・ホットスパーしか決勝トーナメントに出場していなかったが、それ以外のケースは優勝チーム以外に2ないし3チームが同国リーグから出場していた。そういう点ではフランス史上最高の3チームが決勝に出場している今年は優勝のチャンスであろう。

■本命はアトレチコ・マドリッド、対抗はボルシア・ドルトムントとナポリ

 ヨーロッパリーグは各国のリーグ戦上位チームと国内カップ(オープンカップ、リーグカップ)の勝者が予備戦、プレーオフ、グループリーグを経て勝ち抜いてきた24チームとチャンピオンズリーグのグループリーグで3位になった8チームの32チームで決勝トーナメントを争うことになる。チャンピオンズリーグのグループリーグで不覚を取ったアトレチコ・マドリッド、ボルシア・ドルトムント(ドイツ)、ナポリ(イタリア)が優勝争いをすると目されている有力チームであり、その中でもアトレチコ・マドリッドが本命視されている。そして昨季の国内リーグ戦で優勝争いができず、ヨーロッパリーグに出場することになったアーセナル(イングランド)、ACミラン(イタリア)というビッグクラブも2番手集団と言えるであろう。そしてフランス勢のマルセイユとリヨンはこの2番手集団に相当するであろう。

■地元開催の決勝進出を狙うリヨン、2度決勝進出したマルセイユ、古豪ニース

 特にリヨンは今季の決勝が地元で行われるとあって、地元開催、地元優勝を狙っている。昨季のリーグカップの決勝もリヨンのパルク・オランピック・リヨネで行われたが、リヨンのファンは地元開催の決勝をスタジアムの外で観戦するしかなかった。そういう悔しい経験をした次のシーズンではより大きなタイトルを地元で獲得したいところである。60年を超える欧州カップの歴史の中で地元で優勝カップを掲げた例はこれまでにわずか4回、1957年のチャンピオンズカップのレアル・マドリッド、1965年のチャンピオンズカップのインテル・ミラノ(イタリア)、1982年のカップウィナーズカップのバルセロナ(スペイン)、2002年のUEFAカップのフェイエノールト(オランダ)だけである(UEFAカップは中立地で決勝が行われるようになった1997-98シーズン以降が対象)。
 そしてマルセイユもライバルのパリサンジェルマンが早々と欧州の舞台から降りてしまった今年こそ意地を見せたいところである。1980年代末から1990年代初めの黄金期はチャンピオンズカップの上位の常連チームであり、その後の低迷期においてもUEFAカップでは1998-99シーズンと2003-04シーズンには決勝に進出している。
 また古豪ニースもチャンピオンズカップの黎明期には1956-57シーズンと1959-60シーズンの2回、準々決勝に進出している。
 ヨーロッパリーグは基本的に木曜日に開催される。木曜の夜のフランス勢の活躍が楽しみである。(続く)

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