第2600回 フランス勢不振のヨーロッパリーグ(4) サンテチエンヌ、オレクサンドリーヤと2試合とも引き分け

 おかげさまで第2600回の連載を迎えることになりました。連載開始以来18年で2600回もの連載を続けることができたのは読者の皆様のおかげです。読者の皆様に改めて感謝するとともに、引き続きのご愛読をよろしくお願いいたします。

■昨季ウクライナリーグ3位のオレクサンドリーヤ

 ヨーロッパリーグに参戦しているフランス勢は第2節を終えた時点でサンテチエンヌもレンヌも1分1敗、中盤戦で上位進出をうかがう。
 国内リーグ戦では宿敵リヨンとのダービーマッチを制するなど連勝して中盤戦を迎えるサンテチエンヌ、ウクライナのオレクサンドリーヤとの連戦となり、まずサンテチエンヌで試合が行われる。
 オレクサンドリーヤは2014年にオレクサンドリーヤにある2つのクラブが合併して現在の姿となった。昨年はウクライナリーグで3位になり、今季はヨーロッパリーグの本戦に初めて出場している。またウクライナリーグでは現時点で12チーム4位である。飛行機の到着が遅れ、試合前日の練習も時間を遅らせて行われた。これまでヨーロッパリーグには予備戦に2回出場しているが、これまでの通算成績は1勝3分4敗、調子をあげたサンテチエンヌは連勝するためにも、そしてサンテチエンヌの後に試合を行うレンヌのためにも、ホームの勝利で勢いをつけたいところである。

■先制するもオウンゴールで失点、ホームでは引き分け

 サンテチエンヌは直前のリーグ戦のボルドー戦とは先発メンバー7人を入れ替えて臨む。サンテチエンヌは狙い通り先制点をあげる。8分に左サイドDFのガブリエル・シウバが左足でシュートを決める。ところがガブリエル・シウバがその6分後にオウンゴールをしてしまい、スコアは1-1となる。直近のリーグ戦のボルドー戦、リヨン戦では後半のアディショナルタイムに決勝点を入れたサンテチエンヌであるが、この日は好機はつかんだものの得点できず、引き分けとなり勝ち点を1しか上積みできなかった。

■アウエーの試合で2点のリードを守れず2試合連続ドロー

 サンテチエンヌは第4節までに国内リーグを2試合行い、1勝1分、国内外での連続試合無敗記録を7に伸ばし、リーグ戦の順位を8位まで上昇させる。そして11月6日、ウクライナのオレクサンドリーヤに乗り込む。サンテチエンヌはウクライナで試合をするのは4年前のヨーロッパリーグのグループリーグ以来であり、その際はドニプロに1-0と勝利している。サンテチエンヌと同勝ち点のオレクサンドリーヤもホームで何とか勝利したく持ち前の攻撃的な試合運びをする。これに対しサンテチエンヌのGKのステファン・ルフィエが好セーブを連発する。最終ラインの好プレーに刺激され、攻撃陣も少ないチャンスを生かす。23分、ワビ・カズリがボールを保持してペナルティエリアに持ち込むが、倒されてしまい、サンテチエンヌはPKを得る。これをカズリ自身が落ち着いて決めて先制する。
 後半に入って68分、オレクサンドリーヤが同点ゴールを決めたが、オフサイドの判定でゴールは取り消しとなる。一方、サンテチエンヌは72分にカマラが追加点をあげ、残り18分で2点のリード、これで誰しもが勝利を確信したが、83分にはサンテチエンヌの守備の乱れを突いてオレクサンドリーヤが1点を返し、時計の針は90分を過ぎる。アディショナルタイムは4分と表示されたが、91分、サンテチエンヌは不用意なプレーからボールを奪われ、ボレーシュートを決められてしまう。2点のリードをサンテチエンヌは守りきれず、またもドローとなってしまう。

■終盤の上位陣と対戦に望みを託すサンテチエンヌ

 グループIの残りの試合であるが、ベルギーのゲントとドイツのヴォルフスブルクが対戦し、第3節はゲントで行われ、アウエーのヴォルフスブルクが2点を先行したが、ゲントは前半のうちに1点を返し、後半のアディショナルタイムに同点に追いつきドローとなった。ヴォルフスブルクで行われた第4節の試合はヴォルフスブルクが前半に得点したが、後半に入ってゲントが3連続ゴールで逆転勝ちをする。
 中盤戦を終えた時点でグループIはゲントが勝ち点8で首位、ヴォルフスブルクが勝ち点5で続き、サンテチエンヌとオレクサンドリーヤが勝ち点3で追う。サンテチエンヌは第5節で首位ゲンクを迎えるが、欧州の夢をつなげることができるだろうか。(続く)

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