第2721回 パリサンジェルマン、準優勝に終わる (5) 最新の対戦もホームで勝利し1勝1敗

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■21世紀の常勝軍団バイエルン・ミュンヘン、2013年以降に優勝を重ねたパリサンジェルマン

 パリサンジェルマンとバイエルン・ミュンヘンとはチャンピオンズリーグで4回、8試合対戦してきたが、今回は最新の戦い、2017-18シーズンのグループリーグでの対戦を紹介しよう。
 バイエルン・ミュンヘンは21世紀に入ってからはブンデスリーガで常に優勝争いをするチームとなる。2季以上リーグ覇者の座を譲ったのは1回だけ、2010-11シーズンと2011-12シーズンでボルシア・ドルトムントが連覇した以外はリーグ王者を譲っても、翌シーズンには王者の座に返り咲いている。チャンピオンズリーグも連続して出場している。
 対するパリサンジェルマンであるが、20世紀最後のリーグ優勝は1993-94シーズンである。1990年代に欧州三大カップで5年連続で準決勝に進出した時も、国内リーグ優勝は1回しかなかったのである。
 そのパリサンジェルマンが長いトンネルを抜けて3度目の優勝を果たしたのは2012-13シーズンのことであった。カタール資本の傘下となり、大型補強の成果が表れた。それ以降は1シーズンを除いて優勝を重ね,通算の優勝回数は9回を数えるに至った。しかし、その間、唯一優勝を逃したシーズンはモナコが優勝し、パリサンジェルマンは2位になり、チャンピオンズリーグに出場した。

■キリアン・ムバッペを獲得し、攻撃力がアップ

 国内のリーグ戦で優勝を逃したことから、パリサンジェルマンは第2シードとなる。この時にグループリーグで第1シードに入ってきたのがバイエルン・ミュンヘンである。第3シードにはベルギーのアンデルレヒト、第4シードはスコットランドのセルチック・グラスゴーが入る。二強二弱という構図である。
 盤石だったパリサンジェルマンが国内でリーグ優勝をモナコに奪われた原因はモナコの新星、キリアン・ムバッペの存在が大きい。そのムバッペをパリサンジェルマンはかなり無理な方法で獲得(正確にはこのシーズンはレンタルで、翌シーズンに移籍)してしまう。ムバッペ、エディンソン・カバーニ、ネイマールという攻撃陣は国内リーグでは無敵で全焼している状況でチャンピオンズリーグが開幕する。
 初戦はセルチック・グラスゴー戦、アウエーの試合であったが、パリサンジェルマンは5-0と大勝する。5点のうちオウンゴールを除く4点はネイマール、ムバッペ、カバーニが記録し、期待通りの活躍をする。

■パリでバイエルン・ミュンヘン相手に3-0と完勝、開幕5連勝を飾る

 第2節でパリサンジェルマンはホームにバイエルン・ミュンヘンを迎える。この試合については本連載第2242回で紹介しているが、ダニエウ・アウベスが3分に先制点、2点目はカバーニが31分に決める。後半に入ってもパリサンジェルマンの攻撃陣は勢いを失うことがなく、ムバッペのパスをネイマールが決めて3-0と勝利、これがパリサンジェルマンのバイエルン・ミュンヘンとの最多得点差での勝利となる。
 最終の第6節で両チームはミュンヘンで対戦することになるが、最終戦を迎える時点でパリサンジェルマンは5連勝、バイエルン・ミュンヘンは4勝1敗である。パリサンジェルマンは5試合で24得点、1失点、対するバイエルン・ミュンヘンは10得点、5失点であり、両チームの勢いの差は明白である。

■ミュンヘンでは勝ちを譲るが、首位突破したパリサンジェルマン

 しかし、バイエルン・ミュンヘンは勝利すれば勝ち点で並び、直接対決の結果で首位が決まる。バイエルン・ミュンヘンは4点以上の差をつけて勝利したい。7万の地元ファンの期待に応えて8分にロベルト・レバンドフスキが先制点をあげる。37分にはフランス人選手のコランタン・トリッソが追加点を決め、2-0で折り返す。後半も同スコアであれば、バイエルン・ミュンヘンの逆転となったが、50分にムバッペが1点返し、バイエルン・ミュンヘンの追加点は1点にとどまり、パリサンジェルマンが首位突破する。
 しかし、決勝トーナメントでは2位通過のバイエルン・ミュンヘンは準決勝まで進出するが、パリサンジェルマンは1回戦で敗退する。両チームを下したのは優勝チームのレアル・マドリッド(スペイン)であった。(続く)

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