第2753回 2020-21チャンピオンズリーグ(8) 3位以下が確定したレンヌ

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、昨年の台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■他の主要リーグに比べて成績の悪いフランス勢

 前回までの本連載でチャンピオンズリーグの前半戦を紹介してきたが、フランス勢は昨季リーグ優勝のパリサンジェルマン(グループH)が1勝2敗で3位、リーグ2位のマルセイユ(グループC)が3連敗で最下位、リーグ3位のレンヌ(グループE)も1分2敗で最下位となっている。欧州五大リーグの他のリーグは4チーム出場しているが、前半戦を終えた時点でイングランドは4チームとも首位、ドイツは3チームが首位で2位が1チームと好調であり、スペインは1位1チーム、2位2チーム、3位1チームとここまでで各グループリーグの首位チームを独占している。イタリアは2位が2チーム、3位1チーム、4位1チームであり、フランス勢の力が一段劣ることを如実に示している。

■中3週間ある第3節と第4節の間

 これまでは第3節と第4節は同じチームと戦い、そのインターバルも短かったことから、ここで一気に流れに乗る、あるいは失速するチームがあった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で日程が変更した今季は第3節と第4節のインターバルは中3週間となる。実はこの3週間の間にフランスの場合は国内リーグ戦は2試合しかなく、代表のインターナショナルマッチデーが3試合予定されている。また、マルセイユは11月21日に予定されていた第11節のニース戦を延期している。
 このインターバルの間、マルセイユはストラスブールにアウエーで勝利したが、パリサンジェルマンとレンヌは直接対決している。この時点でリーグ首位はパリサンジェルマン、レンヌも3位であり、レンヌが勝利すれば勝ち点で並ぶこともあり、上位同士の対戦ということでも注目を集めた。結果はホームのパリサンジェルマンがモイス・キーンの先制点とアンヘル・ディマリアの2ゴールで3-0と勝利している。
 ただ、パリサンジェルマンは次節ではモナコに敗れ、1勝1敗で後半戦を迎えるが、レンヌはボルドーにも敗れ、連敗してイングランドのチェルシーを迎えることとなる。
 第4節には11月24日の18時55分にレンヌ、21時にパリサンジェルマン、25日の21時にマルセイユが登場する。

■二強二弱となったレンヌの所属するグループE

 インターバル期間中に連敗したレンヌは首位のチェルシーと対戦する。グループEはチェルシーとセビリア(スペイン)が2勝1分で勝ち点7、レンヌとクラスノダール(ロシア)が1分2敗で勝ち点1という二強二弱となっている。二強は二弱相手に勝利、そして二強同士、二弱同士の試合は引き分けという実にわかりやすい構図である。チャンピオンズリーグの決勝トーナメントに出場するためには上位2チームに入らなくてはならず、第4節は上位チームと下位チームの対戦となるが、下位チームはここで勝たなければ決勝トーナメントの道はない。逆に上位チームはここで下位チームを下せば、2試合を残して決勝トーナメント進出を決めることができる。

■アディショナルタイムに決勝点を決めたオリビエ・ジルー

 チェルシーにはフランス代表で活躍するオリビエ・ジルーやエンゴロ・カンテが所属しているが、代表戦で活躍したため、この日はベンチスタートとなる。先制点をあげたのはチェルシーであった。チェルシーは守りを固め、カウンターアタックを仕掛ける作戦、それが決まったのが22分であった。カウンターアタックからカラム・ハドソン・オドイがドリブルで持ち込んでシュートを放ち、ゴールネットを揺らす。前半のアディショナルタイムにティモ・ベルナーのゴールはオフサイドで取り消され、レンヌは1点のビハインドで後半を迎える。
 追加点の欲しいチェルシーは後半に入ってからカンテ、ジルーを投入する。しかし、試合終盤の85分に得点をあげたのはレンヌであった。バンジャマン・ブリジョのクロスをセル・ゲラシがヘディングで同点ゴールを決める。
 ところがこれで終わらない。アディショナルタイムにはジルーがレンヌの守備陣に競り勝ってヘディングで決勝点をあげ、チェルシーが3-1で勝利する。
 もう一つの試合はセビリアがクラスノダールを下し、上位2チームが決定、レンヌは3位の座をクラスノダールと争うことになったのである。(続く)

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