第2788回 好調リール、アヤックスに連敗(3) リーグ首位同士の対戦となったアヤックス戦

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■ピエール・モーロワ競技場で初めて迎える決勝トーナメント

 前回の本連載で紹介した通り、2010年代になってからのリールは国内では好成績を収めたものの、欧州では逆に「出ると負け」状態になり不本意な戦いが続いた。
 そして、世界中が新型コロナウイルスの感染拡大によって大きな影響を受けた2020年、2019-20シーズンは途中で打ち切りとなったが、打ち切り前の最後の試合でリヨンに勝利し、4位になり、ヨーロッパリーグのグループリーグ出場が決まった。そして本連載第2761回から第2764回で紹介した通り、リールはグループHでイタリアのACミランに次いで2位になり、決勝トーナメント進出が決まった。リールが欧州カップの決勝トーナメントに進出するのは2010-11シーズンのヨーロッパリーグ以来10年ぶりことである。つまりリールは新しいスタジアムのピエール・モーロワ競技場で初めて欧州カップの決勝トーナメントを戦うことになるのである。

■チャンピオンズリーグのグループリーグ3位のアヤックスと対戦

 リールはグループリーグで2位であったことから、決勝トーナメント1回戦はノンシード扱い、すなわちグループリーグ首位突破のチームとまずホームで戦うことになる。そしてヨーロッパリーグの決勝トーナメントに出場してくるのはグループリーグで上位に入ったチームだけではない。チャンピオンズリーグのグループリーグで3位に入ったチームも転戦してくる。チャンピオンズリーグのグループリーグは8つあり、3位になった8チームのうち、勝ち点の多い4チームがシード扱い、少ない4チームがノンシードとなる。シード扱いとなった4チームはマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)、クラブ・ブルージュ(ベルギー)、シャフタール・ドネツク(ウクライナ)、アヤックス(オランダ)という顔ぶれである。
 そして12月14日に行われた抽選の結果、リールの決勝トーナメント1回戦の相手はアヤックスとなったのである。

■リーグ戦で首位とキープするリール

 ところで、リールは今季はリーグ戦では快調である。開幕戦こそレンヌを迎えたホームゲームで引き分けたが、11月8日の第10節のブレスト戦で敗れるまで無敗を続けた。そしてヨーロッパリーグの決勝トーナメントの組み合わせ抽選の行われル前日のリーグ戦第14節のボルドー戦で勝利し、首位に躍り出た。第15節のディジョン戦も勝利、第16節はパリサンジェルマンを迎え、スコアレスドローで首位をキープする。今年初めの試合となる第18節のアンジェ戦で敗れて首位から陥落し、前半戦の首位チームの称号である秋の王者はリヨンに譲ったが、後半戦は6連勝し、第22節で首位を奪還する。日程の関係で暫定的に首位を譲る瞬間はあったものの、節の終了時点では首位を保っている。リーグ首位チームとしてヨーロッパリーグの決勝トーナメントを迎えることになったのである。

■オランダリーグで首位のアヤックス

 そしてアヤックスもチャンピオンズリーグのグループリーグでは第1節のホームでのリバプール(イングランド)戦を落とし、続く第2節のアタランタ(イタリア)戦でも引き分けてしまう。この2チームには結局勝利することができず、格下のデンマークのFCミジュランドに2勝しただけで、3位に終わってしまった。
 一方、国内リーグではアヤックスも好調であり、12月9日に敗れて以来、リーグ戦では13戦無敗という成績で首位を保っている。オランダとフランスのリーグ首位同士がヨーロッパリーグの決勝トーナメントで対戦することになったのである。
 リールの欧州カップでの決勝トーナメントは10年ぶりであるが、この時もオランダ勢のPSVアイントホーフェンと対戦している。ホームでの第1戦はリールは2点を先行したが、終盤にオウンゴールを重ねて2失点し、ドローに終わる。アウエーでの第2戦はピエール・アラン・フローが先制点をあげたが、逆転されて1-3と敗れる。同じオランダ勢との対戦、そしてリーグのリーダー同士の対戦にリールのイレブンは闘志を、燃やしているのである。(続く)

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