第2887回 2021-22チャンピオンズリーグ開幕(2) リーグ優勝を逃した実力派の集う第2シード

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■タイトルホルダーで形成される第1シード

 前回の本連載ではチャンピオンズリーググループリーグの組み合わせにおいて主に各リーグのチャンピオンチームが集まった第1シードが必ずしも各リーグのUEFAランキングのトップチームではないことを紹介した。
 それでは、ここで第1シードから第4シードまでのチームを紹介しよう。第1シードはチェルシー(イングランド)、ビジャレアル(スペイン)という前年の欧州カップのタイトルホルダー、UEFAランキングで上位6か国のリーグチャンピオンのアトレチコ・マドリッド(スペイン)、マンチェスター・シティ(イングランド)、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、インテル・ミラノ(イタリア)、リール、スポルティング・リスボン(ポルトガル)というメンバーである。

■強豪チームがそろった第2シード

 第2シード以下は単純にUEFAランキング順に割り当てられる。第2シードはレアル・マドリッド、バルセロナ(以上スペイン)、ユベントス(イタリア)、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)、パリサンジェルマン、リバプール(イングランド)、セビリア(スペイン)、ボルシア・ドルトムント(ドイツ)となる。第2シードの中で最下位のボルシア・ドルトムントのUEFA係数は90,000であり、は第1シードに入ってもこれ以上の数字を残しているのはバイエルン・ミュンヘン、マンチェスター・シティ、アトレチコ・マドリッド、チェルシーの4チームだけであり、第2シードの最下位チームが第1シードの中位に位置することになる。
 第3シードはポルト(ポルトガル)、アヤックス・アムステルダム(オランダ)、シャフタール・ドネツク(ウクライナ)、RBライプチヒ(ドイツ)、レッドブル・ザルツブルク(オーストリア)、ベンフィカ・リスボン(ポルトガル)、アタランタ(イタリア)、ゼニト・サンクトペテルブルク(ロシア)である。

■参加32チームで最もUEFAランキングが低いリール

 第3シードの最下位であるゼニト・サンクトペテルブルクのUEFA係数は50,000、これ以下の第1シードのチームが2チームあり、リールとスポルティング・リスボンである。つまりこれらのチームは強豪国のリーグチャンピオンでなければ、第4シードに甘んじているわけである。
 最後に第4シードを紹介すると、ベクシタシュ(トルコ)、ディナモ・キエフ(ウクライナ)、クラブ・ブルージュ(ベルギー)、ヤングボーイズ(スイス)、ACミラン(イタリア)、マルモ(スウェーデン)、ヴォルフスブルク(ドイツ)、シェリフ・ティラスポリ(モルドバ)となる。第4シードで最下位のシェリフ・ティラスポリはモルドバのリーグ王者であるが、モルドバの国別ランキングは41位、予備戦1回戦でアルバニアのリーグチャンピオン、予備戦2回戦でアルメニアのリーグチャンピオン、予備戦3回戦でセルビアのリーグチャンピオンプレーオフでクロアチアのリーグチャンピオンを下してグループリーグに出場した。セルビアのリーグチャンピオンはベオグラード・レッドスター、クロアチアのリーグチャンピオンはディナモ・ザグレブ、金星を続けたわけだが、このシェリフ・ティラスポリのUEFA係数はリールよりも上である。つまり、フランスのリーグチャンピオンのリールはグループリーグに出場する32チームの中でUEFA係数が低いのである。 このようにシード制を設けているとはいえ、第1シードにはたまたまリーグ優勝したチームが集まり、第2シードはリーグ優勝を逃した有力チームが集まった。

■リールはグループG、パリサンジェルマンはグループAに入る

 フランス勢はリールはグループGに入る。このグループには第2シードからセビリア、第3シードはレッドブル・ザルツブルク、第4シードはヴォルフスブルクと比較的各シード内で下位のチームが集まった。
 パリサンジェルマンはグループA、第1シードからはマンチェスター・シティ、第3シードからはRBライプチヒ、第4シードはクラブ・ブルージュとなった。マンチェスター・シティはUEFAランキングでもパリサンジェルマンを上回る実力チームであり、二強の対決が楽しみである。(続く)

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