第2889回 2021-22チャンピオンズリーグ開幕(4) パリサンジェルマンと対戦するクラブ・ブルージュ

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■9大会連続で決勝トーナメントに進出しているパリサンジェルマン

 前回の本連載では昨季のフランスリーグの優勝チームのリールがドイツのヴォルフスブルクとホームで対戦し、得点機では上回ったものの、0-0のドローに終わり、チャンピオンズリーグでの2006年以来のホームでの勝利を記録することができなかった。
 リールが引き分けに終わった翌日の9月15日、リーグ2位に甘んじたパリサンジェルマンが登場する。チャンピオンズリーグなどの欧州カップではさっぱりの成績しか残せないリールに対し、パリサンジェルマンはチャンピオンズリーグには今年で10年連続の出場となるが、過去9年すべてグループリーグを勝ち抜き、決勝トーナメントに進出している。UEFAランキングについても8番目であり、今年こそ念願のビッグイヤーを獲得したい。

■初戦の相手は第4シードのクラブ・ブルージュ

 グループAに入ったパリサンジェルマンの初戦はベルギーのクラブ・ブルージュとアウエーで対戦する。ホームとアウエーの違いこそあれ、リールとパリサンジェルマンのフランス勢は初戦で第4シードのチームと対戦することになった。第2シードのパリサンジェルマンはグループAでは第1シードのマンチェスター・シティ(イングランド)と対戦する。マンチェスター・シティはUEFAランキングでパリサンジェルマンよりも上であり、昨季は準決勝でパリサンジェルマンに連勝している。グループAはこれ以外に第3シードのRBライプチヒ(ドイツ)である。マンチェスター・シティとパリサンジェルマンの力が抜きん出ており、首位はこの2チームで争われるであろう。パリサンジェルマンはマンチェスター・シティとの直接対決に余裕をもって臨むために、それ以外のチームには取りこぼしたくない。アウエーゲームとはいえ、ここで確実に勝ち点3を得ておきたいところである。

■「ベルギーのバイエルン」と言われるまでに力をつけたクラブ・ブルージュ

 クラブ・ブルージュは1981年のキリンカップに出場、この時はインテル・ミラノ(イタリア)、エバートン(イングランド)、三菱重工というクラブチーム、そして日本と中国の代表チームで争われた。クラブ・ブルージュはエバートンと引き分け、日本代表にも勝利し、優勝を果たしており、日本のファンの皆様には強烈な印象を残しているであろう。
 当時もベルギー国内では強豪であったが、やはりアンデルレヒトに次ぐ一であったことは否めない。そのクラブ・ブルージュが「ベルギーのバイエルン」と言われるようになったのは今世紀に入ってからである。今世紀に入ってベルギーリーグで2位以下となったのはわずか2回である。そして過去7シーズンはリーグ2位以内に入っており、現在ベルギーリーグでは2年連続してチャンピオンになっている。

■欧州カップで振るわないクラブ・ブルージュ

 ベルギーリーグのチャンピオンになれば、チャンピオンズリーグのグループリーグに出場することができる。しかし、欧州カップの壁は厚く、グループリーグをなかなか勝ち抜くことができない。したがってリール同様、UEFAランキングは低く、今回も第4シードに甘んじている。
 パリサンジェルマンはこれまでチャンピオンズリーグでベルギーのチームと6試合戦っているが、5勝1分けと大きく勝ち越している。さらにその試合内容が一方的であり、21得点して1失点しかしていない。この6試合のうち4試合はアンデルレヒト戦、そして直近の2試合の相手がクラブ・ブルージュであり、2019-20シーズンのチャンピオンズリーグのグループリーグで対戦している。この時は中盤戦の第3節と第4節で対戦したが、ブルージュで行われた第3節では攻撃陣の主力が先発から外れたが、途中出場のキリアン・ムバッペが3得点1アシストと活躍して5-0と勝利した。続くパリでの第4節はマウロ・イカルディのゴールで1-0とパリサンジェルマンが勝利し、早々と決勝トーナメント進出を決めた。このシーズンは新型コロナウイルスの影響を受けて中断したが、パリサンジェルマンは決勝に進出、一方のクラブ・ブルージュはグループリーグで3位となり、ヨーロッパリーグに転戦、しかしマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)に決勝トーナメント1回戦で敗れ、両チームの力の差がそのまま結果として現れたのである。(続く)

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