第2935回 次々と決勝トーナメントに進出したフランス勢(7) 大本命のトットナム・ホットスパーと開幕戦で引き分けたレンヌ

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■今季からスタートしたヨーロッパカンファレンスリーグ

 前回の本連載でヨーロッパリーグの第5節でトルコのガラタサライに敗れたマルセイユは3位以下が決定し、ヨーロッパカンファレンスリーグをかけて最終節を戦うことになった。
 このヨーロッパカンファレンスリーグは今季から始まった大会である。かつては欧州三大カップと言われていたように3つの大会があったが、チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグに再編され、それぞれの大会の出場チームも多くなり、特にヨーロッパリーグは年明けからの決勝トーナメントに32チームが参加することから過密日程が課題となっていた。一方、サッカーの普及という点から強豪リーグ以外のチームにも欧州の舞台を準備したい。そのような背景からヨーロッパリーグの下位のトーナメントとして今季から発足した。

■昨季リーグ6位のレンヌ、グループリーグでトットナム・ホットスパーと対戦

 ヨーロッパリーグ出場に準じる成績を残したチームが出場し、フランスからは前年度のリーグ6位のレンヌが出場した。180以上のチームが出場するヨーロッパカンファレンスリーグは予備戦やプレーオフを勝ち抜かないとグループリーグに出場できないが、本連載第2877回で紹介した通り、レンヌはノルウェーのローゼンボリをプレーオフで下した。
 グループリーグは4チームずつ8つのグループに分かれ、UEFAインデックスによってシード分けされ、レンヌは第2シードになり、グループGに入った。このグループの第1シードはイングランドのトットナム・ホットスパーという強敵が入り、レンヌは9月16日の第1節でホームで対戦することとなった。決勝トーナメントへの道であるが、グループリーグで首位チームのみが決勝トーナメントへ進出、2位の場合はヨーロッパリーグのグループリーグ3位のチームとのプレーオフを経由することになる。したがって、決勝トーナメント進出のためにトットナム・ホットスパーに競り勝ちたいところである。

■初戦でトットナム・ホットスパーと引き分けたレンヌ

 昨季プレミアリーグで7位のトットナム・ホットスパーは今季も3勝1敗で7位という成績、一方のレンヌは若干出遅れ、11位でこの一戦を迎える。トットナム・ホットスパーにはフランス代表の主将のGKウーゴ・ロリスが所属しているが、この日はベンチで戦況を見つめる。一方、攻撃はハリー・ケインが中軸をなす。ケインが中心となる攻撃陣はレンヌのゴール前に攻め込み、ルーカス・モウラのクロスをロイック・バデがコントロールミスをしてオウンゴールとなる。先制点を奪われたレンヌであるが、その後攻勢に出て、23分にはフラビアン・テが同点ゴールを決める。2万3000人の満員の観客は歓喜する。前半終了間際にはケインのシュートをレンヌのロマン・サランがセーブし、前半を1-1で終える。
 レンヌは4季連続で欧州カップを戦う。過去の成績はトットナム・ホットスパーに及ばないが、後半に入っても互角の戦いを演じる。71分にレンヌはガエタン・ラボルドが無人のゴールに逆転の一撃を決める。GKのミスであり、ロリスがウォーミングアップを始める。グループリーグに出場している32チームのうちUEFAインデックスがローマ(イタリア)に次いで2番目のトットナム・ホットスパーは、76分にデンマーク代表のピエール・エミール・ホイビェアが同点に追いつく。試合は2-2のままドローで終了、レンヌは最低限の結果は残すことができた。

■第2節から第4節まで3連勝したレンヌ

 レンヌは第2節で第3シードのフィテッセ(オランダ)とアウエーで対戦、前半に先制されたが、後半に2得点を奪って逆転勝ちした。第3節と第4節は第4シードでスロベニアのムラと対戦した。ムラはグループリーグ出場32チームの中でUEFAインデックスが最も低いチームである。レンヌはアウエー、ホームとも1点差でムラを下し、確実に勝ち点を重ねた。
 一方、大本命と目されたトットナム・ホットスパーは思うように勝ち点を伸ばすことができなかったのである。(続く)

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