第2936回 次々と決勝トーナメントに進出したフランス勢(8) ヨーロッパカンファレンスリーグにレンヌとマルセイユ

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■第5節で首位または2位を確定する可能性のあるレンヌ

 フランスからヨーロッパカンファレンスリーグに唯一参戦しているレンヌは第1シードのトットナム・ホットスパー(イングランド)と第1節で引き分けた後は3連勝した。一方、本命と目されたトットナム・ホットスパーは第3節でのフィテッセ(オランダ)とのアウエーゲームを落としている。第4節を終えた時点のグループGの順位は首位がレンヌロベニアのムラは4連敗で勝ち点がない。
 第5節は11月25日に、レンヌ-フィテッセ、ムラ-トットナム・ホットスパーの2試合が行われた。この第5節でレンヌは引き分け以上で2位以上を確定することができるが、首位を確定することもできる。ただし、それはこれまで4連敗のムラがトットナム・ホットスパー相手に勝ち点をあげることが条件である。

■国内リーグでも好調なレンヌ、ガエタン・ラボルドがハットトリック

 レンヌはリーグ戦でも好調で3位まで順位をあげている。特にホームでは6連勝中で、この間16得点をあげ、失点はPKによる1点のみ、ファンも期待し、晩秋の平日の夜間の試合であるが、本拠地ロアゾンパークには満員の2万3000人が集まった。レンヌのブルーノ・ジェネジオ監督は1トップにセル・ゲラシではなくガエタン・ラボルドを起用する。この采配が見事に的中する。ラボルドは前回の本連載で紹介した通り、第1節のトットナム・ホットスパー戦で得点をあげたが、今季加入したラボルドにとってレンヌでの初ゴールとなった。これで勢いづいたラボルドは11月の月間最優秀選手に選出された。ラボルドは9分に先制点、39分に追加点をあげる。前半終了間際にフィテッセは1点を返すが、ラボルドは後半に入った69分にハットトリックを達成する。チームとして2016年のウスマン・ダンベレ以来の偉業である。

■トットナム・ホットスパーの敗戦により、レンヌが首位を確定

 その後、フィテッセが2点をあげ、試合は引き分けに終わったが、予想をしていなかったのがもう1つの試合である。トットナム・ホットスパーは前半の早い時間帯にムラに先制を許す。ようやく72分にハリー・ケインが同点ゴールをあげたが、後半アディショナルタイムの94分に決勝点を奪われる。トットナム・ホットスパーが敗れたため、レンヌは最終節を待たずして、首位を確定、決勝トーナメント進出となったのである。

■最終戦の直接対決を制したマルセイユもヨーロッパカンファレンスリーグへ転戦

 そして、前々回の本連載で紹介したマルセイユは最終節にヨーロッパカンファレンスリーグのプレーオフを目指して最終節を戦うことになる。
 マルセイユの最終節の相手は最下位のロコモティフ・モスクワ(ロシア)である。マルセイユの所属しているグループEは2位以上の2チーム、3位以下の2チームが確定している。最終節は首位争い、3位争いの直接対決となった。マルセイユの勝ち点は4、ロコモティフ・モスクワは勝ち点2である。12月9日にベロドロームで行われる試合でマルセイユが引き分け以上であれば、3位を確保し、ヨーロッパカンファレンスリーグのプレーオフに出場できる。このプレーオフはベスト16決定戦であり、ヨーロッパカンファレンスリーグのグループリーグの2位チームと対戦する。
 マルセイユはロコモティフ・モスクワ相手にボールを圧倒的に支配する。ボール支配率は前半の20分の段階で80%、しかし、これまでの5試合もボール支配率で上回るものの、得点できなかった。そのネガティブなイメージを払拭したのが35分のアルカディウシュ・ミリクの先制点である。ミリクはジェンギス・ウンデルのCKをヘディングで決め、ガラタサライ戦に続く得点となった。
 後半に入ってもマルセイユは一方的に攻め続ける。マルセイユにPKが与えられてもおかしくないシーンもあり、80分にはバランタン・ロンギが2枚目のイエローカードで退場、マルセイユは10人になったが、攻撃陣が沈黙したロコモティフ・モスクワ相手に1点で十分であった。
 1-0で勝利したマルセイユは3位となり、ヨーロッパカンファレンスリーグに転戦、欧州カップに出場したフランス勢6チームはすべて越年したのである。(この項、終わり)

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