第2937回 欧州で最高の成績を残したフランス勢 (1) 出場6チーム中4チームが首位突破

 読者の皆様、あけましておめでとうございます。連載を開始して21回目の新年を迎えました。
 本年もよろしくご愛読のほどお願いいたします。

■フランスからの出場6チームすべてが年を越えて戦う欧州カップ

 今年はワールドカップイヤーである。これまでのワールドカップイヤーでは新年最初の連載はワールドカップの展望で始めてきた。しかし、今回のワールドカップは6月開催ではなく11月に行わるため、いまだ出場国が出そろっておらず、組み合わせ抽選も行われていない。ワールドカップの展望は組み合わせ抽選が行われてからとして、今回は欧州カップのフランス勢の好成績を改めて振り返ってみよう。
 前回までの本連載ではフランス勢が次々と決勝トーナメントに進出したことを紹介した。チャンピオンズリーグの決勝トーナメントにリールとパリサンジェルマン、ヨーロッパリーグの決勝トーナメントにリヨンとモナコ、ヨーロッパカンファレンスリーグの決勝トーナメントにレンヌ、プレーオフにマルセイユが進み、フランス勢は6チームすべてが年を越えて戦いを継続した。

■第1シードにふさわしく、首位突破を決めたリール

 6チームすべてがグループリーグを突破したが、その内容について特筆すべき点がある。それは総じて高いレベルでグループリーグの戦いを終えたという点である。6チーム中4チームが首位突破を果たしている。
 近年、フランスのサッカー界はパリサンジェルマンの一強体制が続いていたが、昨季はリールがリーグ優勝し、チャンピオンズリーグでは第1シードとなる。ところがリールは欧州での実績が乏しく、本来の力を表すUEFAインデックスは第4シード相当であった。前半戦は苦戦したが、後半戦になり勝ちを重ね、最終的には首位突破している。

■圧倒的な強さを見せたリヨン、同じく首位突破のモナコ、レンヌ

 ヨーロッパリーグで圧倒的な力を見せつけたのがリヨンである。開幕から4連勝し、第4節で唯一の首位確定を決めている。最終戦に引き分けただけで5勝1分、ヨーロッパリーグでは最高の成績を残した。また、モナコも負けていない。モナコも第5節で首位突破を決めて、3勝3分と無敗でグループリーグを終えた。ヨーロッパリーグのグループリーグで無敗だったのはリヨン、モナコのフランス勢以外はガラタサライ(トルコ)とフランクフルト(ドイツ)だけである。
 そして、新設されたヨーロッパカンファレンスリーグに出場したレンヌは前回の本連載で紹介した通り、第5節で首位を確定している。なお、最終節はトットナム・ホットスパー(イングランド)とアウエーで対戦する予定であったが、トットナム・ホットスパーで新型コロナウイルスの集団感染が発生、試合は延期となったが、代替試合の開催の予定が立たず、没収試合(レンヌが3-0で勝利)となり、トットナム・ホットスパーは3位となり、敗退が決まった。最終戦は戦わずして勝利したレンヌも4勝2分と無敗であった。

■2位突破のパリサンジェルマン、ヨーロッパカンファレンスリーグに転戦したマルセイユ

 一方、首位突破ができなかったのが意外なことにパリサンジェルマンとマルセイユである。パリサンジェルマンはUEFAインデックスではリールを上回っていたが、リーグ2位であったため、第2シードに回った。第1シードにはパリサンジェルマンよりUEFAインデックスで上位のチームは3チームしかなかったが、そのうちの1つであるイングランドのマンチェスター・シティと同じグループになるというくじ運の悪さもあった。しかし、首位突破のマンチェスター・シティとは勝ち点1差の11をあげている。これは2位通過のチームの中ではグループHのチェルシーの13に次ぐ2番目の数字であり、決勝トーナメントでの上位進出が十分に期待できる。
 そして、フランス勢の中で唯一グループリーグで2位までに入れなかったのがマルセイユである。最終的には1勝4分1敗という成績であったが、すべての試合でボール支配率は相手を大きく上回っており、試合に勝って勝負に負け、結果として3位にとどまった。しかし、ヨーロッパカンファレンスリーグのプレーオフ(ベスト16決定戦)というチャンスを得た。グループリーグ期間中の10月3日に亡くなった黄金時代の会長のベルナール・タピの墓前にタイトルを捧げたいと思っているであろう。(続く)

このページのTOPへ