第2938回 欧州で最高の成績を残したフランス勢 (2) 今季のUEFAインデックスでトップになったフランス

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■7チームすべてが決勝トーナメントに進出したスペイン、首位通過はレアル・マドリッドのみ

 フランスから欧州カップに出場した6チームのうち4チームが首位突破を果たし、6チームすべてが年を越えて戦うことを紹介したが、これは欧州のスケールで見ても偉業である。
 欧州五大リーグの今季の欧州カップのグループリーグでの成績を見てみよう。まず、UEFAのリーグランキングは過去5年間の成績を集計したものであるが、現時点で5位のフランスの出場枠は6チームであるのに対し、トップのスペイン、2位のイングランド、3位のドイツ、4位のイタリアからは7チームが欧州カップへの出場枠があった。
 首位のスペインからはチャンピオンズリーグに5チーム(国内リーグ4位までのアトレチコ・マドリッド、レアル・マドリッド、バルセロナ、セビリアに加え、昨季のヨーロッパリーグ優勝のビジャレアル)、ヨーロッパリーグにレアル・ソシエダとベティスが出場した。チャンピオンズリーグでのスペイン勢は、首位通過を果たしたのはレアル・マドリッドだけで、リーグ優勝のアトレチコ・マドリッドがグループ2位通過、バルセロナとセビリアは3位でヨーロッパカップに転戦している。またヨーロッパリーグではレアル・ソシエダもベティスも2位通過となっている。フランスと同様に全チームが決勝トーナメントを戦うが、首位通過は1チームだけであり、格下の大会に転戦した3位も2チームある。

■トットナム・ホットスパーが敗退したイングランド勢

 イングランドはチャンピオンズリーグにはリーグ優勝から4位までのマンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、リバプール、チェルシー(前年度優勝)が出場し、ヨーロッパリーグにはレスターとウェストハム・ユナイテッド、ヨーロッパカンファレンスリーグにはトットナム・ホットスパーが出場した。チャンピオンズリーグは4チームとも決勝トーナメント出場を決め、チェルシー以外の3チームは首位通過であった。ヨーロッパリーグではウェストハム・ユナイテッドは首位通過したが、レスターは3位にとどまり、ヨーロッパカンファレンスリーグに転戦することとなった。またヨーロッパカンファレンスリーグに出場したトットナム・ホットスパーは新型コロナウイルスの集団発生に見舞われたこともあり、3位となって敗退が決定した。

■敗退や下位大会への転戦の目立つドイツ勢、イタリア勢

 ドイツからはチャンピオンズリーグにはリーグ1位から4位までのバイエルン・ミュンヘン、RBライプチヒ、ボルシア・ドルトムント、ヴォルフスブルク、ヨーロッパリーグにはフランクフルトとバイエル・レバークーゼン、ヨーロッパカンファレンスリーグにはウニオン・ベルリンがそれぞれ出場した。チャンピオンズリーグの決勝トーナメントに進出したのは6戦全勝したバイエルン・ミュンヘンだけである。RBライプチヒとボルシア・ドルトムントは3位に終わったためヨーロッパリーグに転戦し、ヴォルフスブルクは最下位で敗退が決定した。ヨーロッパリーグに出場した2チームはいずれも首位突破したが、ヨーロッパカンファレンスリーグに出場したウニオン・ベルリンは3位にとどまり敗退した。
 イタリアからのチャンピオンズリーグ出場はリーグ1位から4位までのインテル・ミラノ、ACミラン、アタランタ、ユベントス、ヨーロッパリーグ出場はナポリとラツィオ・ローマ、ヨーロッパカンファレンスリーグ出場はASローマであった。チャンピオンズリーグの決勝トーナメントに進出したのはユベントスとインテル・ミラノだけ、アタランタはヨーロッパリーグ転戦、ACミランは敗退している。ヨーロッパリーグでは2チームとも2位通過でプレーオフからの戦いとなる。ヨーロッパカンファレンスリーグのASローマは首位通過している。

■卓越した成績を残したフランス勢、今季のUEFAインデックスでは首位に

 このように見ると、敗退したチームがなかったのはフランス以外ではスペインだけであるが、首位突破を果たしたチームの数、下位の大会に転戦したチームの数を比較すると、フランス勢の卓越した成績がよくわかる。
 そしてフランスの現時点までの今季のUEFAインデックスは首位となった。この勢いで決勝トーナメントを戦ってほしいものである。(この項、終わり)

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