第2999回 リヨン、ウェストハムに準々決勝で敗れる(4) 第2戦は試合を支配しながらも大敗

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■リーグ戦でも引き分けて順位を落としたリヨン

 ヨーロッパリーグ準々決勝の第1戦、リヨンはアウエーで圧倒的に試合を支配し、さらに相手のウェストハムは前半のアディショナルタイムに退場者を出した。そのような展開でありながら、リヨンは先制点を奪われ、追いついたものの勝ち越し点を奪うことができず、1-1のドローに終わった。
 リヨンでの第2戦は1週間後の4月14日に行われる。この間に行われたリーグ戦ではアウエーでストラスブールと対戦、前半に先制点を奪われ、ようやく試合終了間際の90分にカール・トコ・エカンビが同点ゴールをあげて勝ち点1を獲得したものの、ニースに勝利したRCランスに抜かれて、順位を1つ落として10位となった。またストラスブール戦ではGKのアントニー・ロペスが負傷、さらにパケタが新型コロナウイルスの陽性となり、ともに第2戦を欠場することになった。

■ヨーロッパリーグ優勝に期待するリヨンのファン

 しかし、第1戦のアウエーでドローは結果としては悪くはない。さらにロンドンでの試合内容から、第2戦のリヨンでの試合は楽に勝利できるものとファンは確信していた。リーグ戦の順位では来季の欧州カップ出場が微妙になってきたリヨンにとって、欧州への最短ルートはここまで6勝3分と負け知らずのヨーロッパリーグでの優勝であろう。ファンの期待は高く、グルーパマ競技場には5万人以上の観客が集まった。
 リヨンは、第1戦で交代出場して得点をあげたトコ・エカンビが先発するほか、タンギ・エンドンベレ、ホッセム・アウアも調子を崩しているがパケタの穴を埋める形で先発した。一方、ウェストハムもクルト・ズーマが負傷により離脱、第1戦で退場となったクレスウェルも出場停止となる。

■圧倒的に攻め続けたが、先制点、追加点を奪われる

 開始早々にウェストハムが攻め込んだが、オフサイドの判定で攻撃が止まる。やはり試合はリヨンのペース、5分にはトコ・エカンビが早速ポストに当たるシュートを放つ。さらに11分にもトコ・エカンビのクロスにゴール前でホッセム・アウアが反応する。試合はリヨンが一方的に攻める展開となり、ボール支配率も65%以上となるが、リヨンのシュートは精度を欠き、枠内にシュートが飛ばない。逆に、ウェストハムも数少ないチャンスから枠内にシュートを放つ。第1戦と同じような状況である。そして同じようにリヨンは先制点を奪われた。38分、ウェストハムはCKを得る。これをパブロ・フォルナルスが蹴り、ニアポストで構えていたリヨンのGKのユリアン・ポラースベックとリヨンのDF陣の間に飛び込んだのがウェストハムのストッパーのクレイグ・ドーソンである。ドーソンが狭いスペースに入り込んでヘディングシュート、リヨンは1週間前、直近の週末の試合に続き先制を許した。
 これらの試合ではリヨンは追いついたが、この日は違った。前半の終盤、40分過ぎからはリヨンは攻撃できなくなる。そして44分にはウェストハムのクロスをチアゴ・メンデスがクリアするが、これがそのままデクラン・ライスにわたる。ライスはペナルティエリア内に持ち込んでシュート、リヨンの守備陣に当たってコースが変わり、ポラースベックが届かず、痛恨の追加点となって後半を迎える。

■後半に入っても失点したリヨン、試合終了後はファンがトラブル

 2点を追うリヨンは後半開始の時点から選手を2人入れ替える。しかし、後半開始早々の48分にリヨンは中盤でボールを失う。ボールを奪ったジャロッド・ボーウェンがそのままペナルティエリア内に前進、リヨンのGKポラースベックも前に出てきたが、そのサイドを突かれてシュート、決定的な3点目が入った。
 以後、リヨンは攻めに攻めるが、全くゴールの予感はしない。リヨンはウェストハムを上回る13本のシュートを放ったが、枠内はわずか2本、9本のシュートのうち5本が枠内のウェストハムが3-0と勝利し、リヨンは準々決勝で敗退した。
 残念だったのは試合終了後にリヨンのファンがピッチに入り込むというトラブルを起こしたことである。リヨンのファンはフランスカップのパリFC戦でも不祥事を起こしており、汚点となった。(この項、終わり)

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