第3058回 本戦出場チームが決まった欧州カップ(3) ニース、ヨーロッパカンファレンスリーグの本戦に出場

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■延長に入ってからはマッカビ・テルアビブが優勢に

 ヨーロッパカンファレンスリーグのグループリーグ出場をかけたニースとマッカビ・テルアビブ(イスラエル)の第2戦は前後半の90分を終えた時点でホームのニースが1-0とリード、第1戦はマッカビ・テルアビブが1-0と勝利していることから、2試合通算では勝ち点、得失点差で並び、延長戦で出場権を争うこととなった。
 ニースはこの試合が欧州カップで66試合目であるが、初めて延長戦を戦うことになる。90分間にマッカビ・テルアビブは4人を交代させたが、ニースは2人だけ、延長に入る時点でニースは2人を投入、勝負をかける。ところがそれまで得点の気配のなかったマッカビ・テルアビブがニースのゴールを襲う。シュートの精度を欠き、得点には至らなかったが、ニースにとっては予想外の展開となった。そしてニースは100分にアミン・グイリが相手のペナルティエリアでファウル、この試合2回目の警告となり、退場してしまう。チームメイトの退場に対して審判団に異議を申し立てたダンテにもイエローカードが付きつけられる。

■東京オリンピックにも出場したアレクシス・ベカベカが決勝点

 残り10分で窮地に落ちたニースであったが、何とか延長前半は持ちこたえる。そして延長後半の時点で交代出場してきたアレクシス・ベカベカが大きな仕事をやってのける。東京オリンピックに出場したベカベカはロシアのロコモティフ・モスクワから今夏ニースに移籍し、オリンピックでのチームメイトのメルバン・バードと再び同じユニフォームで戦うことになったのである。そのベカベカが113分に放ったシュートはポストに当たりながらゴールイン、これが決勝点となり、ニースはヨーロッパカンファレンスリーグのグループリーグに出場することになったのである。
 これでフランスからはチャンピオンズリーグにパリサンジェルマン、マルセイユ、ヨーロッパリーグにレンヌ、モナコ、ナント、ヨーロッパカンファレンスリーグにニースと合計で6チームが出場することになった。このうちモナコとニースが予備戦、プレーオフを戦ったが、いずれも本大会に出場することとなった。

■注目のUEFAランキング争い、ベンフィカが本大会出場を決めたポルトガル

 これからグループリーグが始まるが、気になるのは欧州カップの出場数に影響するUEFAランキングである。
 予備戦、プレーオフで勝ち抜けば1勝、敗れ去れば1敗とカウントすると、フランス勢は1勝1敗(モナコが1敗、ニースが1勝)となる。シーズン開幕の段階でUEFAランキング5位のフランスのライバルとなるのは6位のポルトガルと7位のオランダである。 6位のポルトガルからは3チームが予備戦、プレーオフに出場した。チャンピオンズリーグの予備戦3回戦からスタートしたベンフィカはデンマークのミッティランに連勝し、プレーオフでもウクライナのディナモ・キーウに連勝し、グループリーグ出場を決めている。ヨーロッパカンファレンスリーグには2チーム出場、ギマラエスは予備戦2回戦でハンガリーのプスカシュ・アカデミアを1勝1分で下したが、予備戦3回戦でクロアチアのハイドゥク・スプリトと1勝1敗、得失点の差で敗れている。もう1チーム出場したジル・ビセンテは予備戦3回戦から参戦、リトアニアのリーガを1勝1分で下し、グループリーグ出場をかけて対戦したのがオランダのAZアルクマールであった。この戦いはUEFAランキングに影響のある直接対決であったが、AZアルクマールが連勝している。ポルトガル勢は本大会出場はベンフィカのみであるが、先述のカウント方法だと全体の成績は4勝2敗であった。

■ポルトガルを抜いて6位にランクアップしたオランダ

 そして順位をあげたのが7位のオランダである。チャンピオンズリーグを目指したPSVアイントホーフェンは、プレーオフではグラスゴー・レンジャースに1分1敗で敗れてヨーロッパリーグに転戦したが、予備戦3回戦ではモナコとの直接対決を制した。ヨーロッパカンファレンスリーグではトウェンテが予備戦3回戦でセルビアのFKチュカリチュキを下し、プレーオフでイタリアのフィオレンティーナに敗れたが、AZアルクマールは予備戦2回戦、3回戦と勝ち抜き、プレーオフではジル・ビセンテとの直接対決を制した。オランダ勢は5勝2敗という成績であった。
 この結果、7位のオランダが6位になったが、7位に陥落したポルトガルもポイントの値はフランスとの差を詰めたのである。(この項、終わり)

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