第3084回 3チームが参戦したヨーロッパリーグ(2) ディナモ・キーウに連勝したレンヌは2位以内を確定

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■レンヌと中盤戦で対戦するディナモ・キーウ

 昨季リーグ戦4位で今季も期待されたレンヌはリーグ戦が始まってからは白星と黒星が並び、順位表でも中位にとどまっていたが、ヨーロッパリーグの開幕と同時に国内でも上り調子となった。ヨーロッパリーグの第1節と第2節では後半アディショナルタイムに得点と失点を記録し、1勝1分で中盤戦を迎える。
 レンヌの中盤戦の相手はディナモ・キーウ(ウクライナ)である。今年のディナモ・キーウについては本連載第3078回でも取り上げたが、2月のロシアのウクライナ侵攻によってリーグ戦は中断してしまう。その時点のリーグ2位チームであったディナモ・キーウはチャンピオンズリーグ予備戦に出場し、予備戦2回戦は勝利したものの、予備戦3回戦で敗れてヨーロッパリーグに回ってきた。

■予備戦2回戦の再戦となったフェネルバフチェに敗れたディナモ・キーウ

 ディナモ・キーウが予備戦2回戦で下したのはトルコのフェネルバフチェであった。チャンピオンズリーグの予備戦は2回戦で敗れても3回戦で敗れてもヨーロッパリーグのグループリーグに回ることになるが、奇しくも両チームは同じグループBに入り、第1節で対戦することとなった。予備戦2回戦では第2戦で延長の末、ディナモ・キーウがアウエーのイスタンブールの地で勝利したが、本戦の第1節では同じイスタンブールの試合で後半アディショナルタイムを迎えた時点で1-1であったが、決勝点をフェネルバフチェが決め、第1シードのディナモ・キーウは初戦を落とした。
 ロシアのウクライナ侵攻は秋になっても続き、ディナモ・キーウはグループリーグもホームゲームをポーランドで行うことになる。クラクフにキプロスのAEKラルナカを迎えるが、開始早々に奪われた1点が重くのしかかり、結局ディナモ・キーウは0-1で敗れ連敗スタートとなった。

■調子をあげてきたレンヌ、17歳のデジレ・ドゥエのゴールで先勝

 ウクライナ侵攻の影響があったとはいえ、第1シードのディナモ・キーウは不本意な形で中盤戦を迎える。一方、迎え撃つレンヌはヨーロッパリーグが開幕してから国内外で負けがなく、3勝2分、国内リーグでも順位を6位まで上げてきた。
 10月6日、レンヌはロアゾンパークにディナモ・キーウを迎える。両チームはこれまでにもヨーロッパリーグで対戦したことがある。2018-19シーズンのグループリーグでのことであり、その時はホーム、アウエーともディナモ・キーウが勝利、ただ、レンヌも終盤戦で連勝して2位に入り、クラブ史上初めて欧州カップの決勝トーナメント進出を決めた。そしてなんといってもこの時は平和であった。
 試合はレンヌが序盤から優勢に進め、組織プレーでディナモ・キーウを圧倒する。23分には左サイドを攻めあがったアミン・グーリからパスを受けたマルタン・テリエがペナルティ襟内を突き進み、シュート、これが先制点となる。ディナモ・キーウも32分に2年前の親善試合でフランスから得点を奪ったビクトール・ツィガンコフが同点ゴールを決める。このまま時計の針は進んでいくが、レンヌは90分に17歳のデジレ・ドゥエが相手のミスからボールを拾ってシュート、決勝点となったのである。

■ディナモ・キーウに連勝し、フェネルバフチェとともに決勝トーナメントへ

 その翌週の13日には舞台をポーランドのクラクフに移し、ディナモ・キーウのホームゲームが行われた。レンヌは好調を維持し、この間に行われたリーグ戦では同じヨーロッパリーグに参戦しているナントと対戦、ブルターニュダービーを3-0と制してポーランドに向かった。前の試合で決勝点をあげたドゥエは先発メンバーに名を連ねる。レンヌはこの試合も主導権を握り、ボールを支配する。すべてに上回るレンヌの先制点が生まれたのは後半が始まって間もなく、48分のことであった。カメルーン代表として期待される20歳のクリストファー・ウーが主将のバンジャマン・ブリジョーのパスを受けてシュート、これがこの試合唯一のゴールとなる。レンヌは3勝1分で勝ち点10、同じ成績で並ぶフェネルバフチェとともに2位以内を確定し、両チームは第5節で対戦するのである。(続く)

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