第3091回 グループリーグ終盤戦の欧州カップ(4) レンヌ、痛恨の終盤戦で2位通過

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■中盤戦で2位以内を確定したレンヌとフェネルバフチェ

 これまでの本連載ではチャンピオンズリーグの終盤戦のフランス勢の戦いについて紹介してきたが今回からヨーロッパリーグで戦ったフランス勢について紹介しよう。
 まず、フランス勢で最も早く2位以内を確定したレンヌ、グループBでは3勝1分と無敗の終盤戦を迎える。第5節を迎える時点の順位はレンヌとフェネルバフチェ(トルコ)が勝ち点10でトップ、3位はキプロスのAEKラルナカで勝ち点3、ウクライナのディナモ・キーウは4連敗と戦火の国民を勇気づける結果にはなっていない。すでにこの時点で2位以内の2チームが確定、ファンの関心はレンヌとフェネルバフチェの首位争いとなったが、残り2試合でレンヌはいずれも悔いの残る試合展開となった。

■イスタンブールでの首位決戦、前半に3点を奪ったレンヌ

 第5節はレンヌとフェネルバフチェがイスタンブールで対戦した。この試合でレンヌが勝利すれば、最終戦の結果でフェネルバフチェと勝ち点で並んでも直接対決の結果で首位突破となる。これは対戦相手のフェネルバフチェも同じ条件であり、両チームの選手ならびにファンのモチベーションが高い中でキックオフを迎えることになった。レンヌはヨーロッパリーグだけではなく国内リーグでも好調である。負傷者もほとんどおらず、コンディションはよい。8月27日に行われたリーグ戦第4節でRCランスに敗れたのを最後に6勝2分と無敗、国内外で12試合負けなしでイスタンブールに乗り込んできた。迎え撃つフェネルバフチェも欧州カップのホームでの試合は抜群の勝率を誇る。
 黄色と黒の縦縞のフェネルバフチェを応援する3万4000人の大観衆はキックオフ直後に沈黙した。レンヌは3分に左サイドから9月に代表入りした左サイドのアドリアン・トリュフェールからのクロスをアミン・グイリがシュート、レンヌは幸先よく先制点を奪う。10分にグイリが今度はアシスト役となってロブロ・マイエルのゴールを演出したかに見えたが、他の選手がオフサイドの位置におり、得点は取り消された。しかし、レンヌの勢いは止まらない。16分にマルタン・テリエがフェネルバフチェの守備陣をかわし、追加点を奪う。守備陣も活躍し、20分にはフェネルバフチェのシュートをストッパーのロドンがゴールラインの前でシュートをクリアする。さらにレンヌは30分にグイリが追加点、3-0と大差をつける。

■3点差を追いついたフェネルバフチェとドロー、首位争いは最終節へ

 3点のリードを許していたとはいえ、フェネルバフチェは圧倒的なボール支配率を誇っており、まず42分に1点を返す。後半に入って51分にレンヌはベテランGKのスティーブ・マンダンダが負傷して退場するが、レンヌは2点のリードをキープする。しかし、フェネルバフチェは82分に1点差に迫るゴールをミハ・ザイツが決め、88分にエムル・モレが同点ゴールを決め、試合は3-3のドロー、首位確定は最終節に持ち越された。

■ホームでAEKラルナカに追いつかれたレンヌは2位通過

 痛恨の引き分けになったレンヌであったが、直接対決は2引き分けながら、アウエーでハイスコアだったレンヌが優位である。最終節でレンヌはフェネルバフチェと同等以上の成績で首位となる。11月3日の最終節でフェネルバフチェはアウエーでディナモ・キーウ、レンヌはホームでAEKラルナカと対戦する。両チームとも元気のない下位チーム相手の試合で勝ち点3が確実視されていた。
 その予想の通り、レンヌは試合開始から一方的にゲームを支配した。前半の17分にレンヌはマティス・アブランが先制点を決める。その後もしばしば好機を迎えたが、追加点を奪うことができない。一方のフェネルバフチェはポーランドのクラクフでの試合で前半に2点を奪う。
 ホームでボールを支配しながら追加点を奪うことができなかったレンヌは時間帯によってはAEKラルナカに攻め込まれた。76分にはAFKラルナカがラファ・ロペスに同点ゴールを決められてしまった。結局、レンヌは1-1のドローに終わってしまい、グループ2位通過、決勝トーナメントはプレーオフから参戦するのである。(続く)

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