第3281回 フランス勢の欧州カップ中盤戦(9) パナシナイコスに連勝したレンヌ

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■国内リーグで連敗中のレンヌ

 前回の本連載でヨーロッパリーグ出場チームの中でも飛びぬけた力を持つリバプール(イングランド)と中盤戦を1勝1敗で乗り切ったトゥールーズを紹介したが、今回紹介するレンヌは中盤戦も素晴らしい結果を残した。
 まずヨーロッパリーグのグループFのレンヌは序盤戦は1勝1敗、中盤戦はギリシャのパナシナイコスと対戦する。パナシナイコスは序盤戦1勝1分と首位で中盤戦を迎える。第3節は10月26日にパナシナイコスのホームゲーム、アテネで行われた。レンヌは国内リーグでは第8節まで無敗であったが、ヨーロッパリーグ第2節のビジャレアル(スペイン)戦に敗れてから国内リーグでも連敗、アウエーの試合とは言え4連敗は避けたいところである。

■レンヌ、アウエーでパナシナイコスに勝利し、首位に浮上

 レンヌは序盤から果敢に攻め、パナシナイコスのカウンターアタックを受ける場面もあったが、7分に右サイドのエンゾ・ルフェからのクロスをアミン・グイリが決めて先制する。その後も14分のグイリのシュートはポストに阻まれる。パナシナイコスはボールを保持するもののシュートに結びつけることができず、ようやく決定機を迎えたのは41分、レンヌのGKスティーブ・マンダンダが難なくさばき、1点リードしてハーフタイムを迎える。
 後半に入って間もなくゴールネットを揺らしたのはレンヌのアルノー・カリムエンドであった。49分にゴールを決めたカリムエンドはフランス代表入りに大きくアピールした。60分にレンヌはペナルティエリア内でのファイルでPKを取られ、1点を返されるが、守勢の試合展開を耐え、2-1で勝利する。なお、この日予定されていたビジャレアル-マッカビ・ハイファ(イスラエル)戦はイスラエルとパレスチナの軍事衝突により、延期となる。勝ち点を6としたレンヌが首位に躍り出た。

■1人少なくなったレンヌ、好機を得点に結びつけ、首位をキープ

 ヨーロッパリーグのアウエー戦で勝利したレンヌであるが、国内リーグではホームで引き分け、アウエーで最下位のリヨンに敗れ、勝ちから遠ざかっている中で、11月9日にパナシナイコスをロアゾンパークに迎える。
 満員のスタンドにはギリシャからのファンも1300人、先制点を奪ったのはレンヌであった。7分にファビアン・リーデルが右足で放ったシュートはパナシナイコスのGKの足の間を抜いてゴールに入る。
 ところが31分レンヌのジャヌエル・ベロシアンがペナルティエリア内でパナシナイコスの選手のユニフォームをつかみ、ベロシアンはレッドカードで退場、パナシナイコスにPKが与えられた。レンヌは追いつかれ、残り1時間近くを10人で戦わなくてはならなくなった。
 しかし、ここからレンヌは素晴らしいゲームを披露する。ボールを完全にパナシナイコスに保持されながらもなんとか前半は1-1のまま折り返す。後半に入っても数的有利のパナシナイコスのゲームとなったが、レンヌは選手を次々と入れ替え、交代出場してきたばかりのイブラヒム・サラが65分には無人のゴールに勝ち越し点を入れる。さらに70分にはルドビック・ブラが70分に追加点を入れて、3-1とする。終盤はレンヌが数的不利を感じさせない戦いで3-1でレンヌが勝利、2位のビジャレアルに勝ち点3の差をつけて首位をキープした。

■実力チーム同士で中盤戦を戦うリール

 ヨーロッパカンファレンスリーグではグループAの2位のリールは首位のスロバン・ブラチスラバ(スロバキア)と対戦する。このグループはリールが第1シード、スロバン・ブラチスラバが第2シードであり、中盤戦が首位決戦となるのは順当であろう。ただ、リールは第2節でフェロー諸島のクラクスビークとアウエーとは引き分けてしまっている。グループ2位の場合決勝トーナメントに出場するためには、プレーオフを戦わなくてはならない。リールは中盤戦で1勝1敗ではなく、最低でも1勝1分で乗り切りたいところである。(続く)

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