第3453回 ヨーロッパリーグのフランス勢(1) 1分2敗と不振のニース
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■第2節は両チームともアウエーで第1シードと対戦
前回までの本連載ではチャンピオンズリーグに出場しているフランス勢について紹介してきたが、今回はヨーロッパリーグに出場している2チーム、ニースとリヨンを取り上げよう。
本連載第3438回と第3439回で第1節の模様を紹介したが、リヨンはギリシャのオリンピアコスに勝利、ニースはスペインのレアル・ソシエダと引き分けている。第2節でニースはラツィオ(イタリア)、リヨンはグラスゴー・レンジャース(スコットランド)という第1シードのチームとアウエーで対戦、すなわち両チームともグループフェーズ8試合の中で最もタフなカードとなった。
■ラツィオの勢いと止めることができなかったニース
第2節は第1節の翌週に行われた。ニースはレアル・ソシエダと引き分けた後の国内リーグ戦ではヨーロッパカンファレンスリーグの出場権をプレーオフで失ったRCランスと戦い、スコアレスドロー、順位は9位である。ラツィオも国内リーグでは7位であるが、ヨーロッパリーグでは第1節でウクライナのディナモ・キーウにアウエー(戦火のため、ドイツのハンブルクで開催)に勝利している。ローマのオリンピック競技場、ホームのラツィオは序盤から優位に試合を進め、シュートは12分にはポスト、14分にはバーに当たり、ニースは何とか持ちこたえる。しかし、ラツィオは20分にCKからのクリアボールをペドロが左足でシュート、これが先制点となる。さらに35分にもラツィオはバレンティン・カステジャーノスが追加点を決める。
劣勢のニースであったが、41分にはジェレミー・ボガがシュート、ラツィオのGKはシュートのパワーを止めることができず、ニースは1点差に迫ってハーフタイムを迎えた。
後半に入ってもラツィオの勢いは止まらなかった。53分にはカステジャーノがまたゴールネットを揺らす。オフサイドの疑いがあったが、最終的には得点が認められた。66分にはニースのGKマルサン・ブルカがペナルティエリア内でカステジャーノと接触、ブルカはとしていないと主張したが、イエローカードを提示され、PKがラツィオに与えられた。これをマッティア・ザッカーニが決めて、スコアはさらに開いてしまう。ニースは1-4で敗れ、2017-18シーズンのグループリーグに続き、ラツィオに3連敗となったのである。
■ヨーロッパリーグのリーグフェーズが始まってから勝利のないニース
ニースはこの直後に行われた国内リーグのホームのパリサンジェルマン戦では一方的に攻め込まれる展開の中で前半に先制したが、後半に追いつかれ、引き分けてしまい、欧州の強豪との対戦の経験をもってしても勝つことができなかった。インターナショナルマッチデー明けの10月20日にはナントとアウエーで対戦したが、今度は優位に試合を進めながら先制され、追いつくのが精一杯、この試合もドローに終わる。結局リールはヨーロッパリーグのリーグフェーズが始まってから国内外で勝利することなく10月24日の第3節を迎えた。
■フェレンツェバローシュにもブダペストで敗れる
第3節はアウエーでのフェレンツェバローシュ(ハンガリー)戦である。フェレンツェバローシュはハンガリーで最も有力なクラブであるが、ここまでアンデルレヒト(ベルギー)、トットナム(イングランド)にいずれも1-2で敗れている。勝ち点1と勝ち点0の対戦となった。
ブダペストのグルーパマ競技場で行われた試合、立ち上がりからフェレンツェバローシュが攻め、13分にはFKをゴール前にあげ、ニースのシセがヘディングでクリアしたが、それをストッパーのモイーズ・ボンビートが自ゴールに向けて蹴りこんでしまう。GKのブルカは動くことができず、フェレンツェバローシュがオウンゴールで先制した。その後もフェレンツェバローシュが優勢に試合を進め、ニースは追加点こそ許すことはなかったが、84分には主将のパブロ・ロサリオも退場処分となり、0-1で敗れてしまったのである。(続く)