第3653回 折り返し初戦で好調なフランス勢(2) マルセイユは逆転勝利、モナコと対戦するパフォス

 平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■後半開始早々にピエール・エメリク・オーバメヤンのゴールで追いついたマルセイユ

 チャンピオンズリーグのリーグフェーズの後半戦最初の試合、イングランドのニューカッスル・ユナイテッドをベロドロームに迎えたマルセイユ、立ち上がりは攻め込まれ、先制されたが、立ち直り、試合を支配する。しかしながら前半に追いつくことができず、1点を追って後半に入る。
 前半に決定的なチャンスをつかみながらシュートが阻まれたピエール・エメリク・オーバメヤンが早速、同点ゴールを決めた。後半開始から10数秒、この試合が初先発となった、マルセイユの17歳、ダリル・バコラがセンターライン付近から右サイドを飛び出したオーバメヤンに絶妙のスルーパス、オーバメヤンが足元にボールをおさめた時、ニューカッスル・ユナイテッドのGKニック・ポープはかなり高い位置におり、オーバメヤンはドリブルでポープを交わしてペナルティエリアの外の難しい角度から無人のゴールに先制点を決めた。

■逆転ゴールも決めたオーバメヤン、マルセイユを勝利に導く

 対するニューカッスル・ユナイテッドはその直後の48分、先制点を決めたハーベイ・バーンズが2点目を決めたかに見えたが、これはオフサイドでゴールは認められなかった。  50分、今度はマルセイユのティモシー・ウェアが右サイドから持ち込んでクロスを入れる。ゴール前に走りこんできたオーバメヤンがニューカッスルの選手と競り合ってゴールを決め、ついにマルセイユは逆転する。
 ニューカッスル・ユナイテッドは同点のチャンスがあったが、59分のジョゼフ・ウィロック、77分のアントニー・エランガのシュートをいずれもGKのヘロニモ・ルリが阻み、2-1と勝利した。マルセイユが欧州カップでイングランドのチームに勝利するのは2010-11シーズンのチャンピオンズリーグのチェルシー戦以来、15シーズンぶりのことでイングランド勢戦の連続未勝利記録を12でストップしたのである。

■チャンピオンズリーグに初出場となるパフォス

 第5節2日目の11月26日にはモナコとパリサンジェルマンが登場した。モナコはアウエーでパフォス(キプロス)と対戦した。本連載の読者の方には初めて目にするチームの名前かもしれない。2014年にパフォスにあったクラブが合併して誕生し、キプロスリーグの2部からスタートする。2023-24シーズンにはキプロスカップで優勝、初めて欧州カップに挑戦し、カンファレンスリーグでリーグフェーズを勝ち抜き、決勝トーナメントに進出している。
 そして、昨季はキプロスリーグで初優勝する。ただ、中堅国以下のリーグで優勝してもチャンピオンズリーグのリーグフェーズを戦えるわけではない。予備戦、プレーオフを勝ち抜かなくてはならないが、予備戦2回戦から参戦し、マッカビ・テルアビブ(イスラエル)、ディナモ・キーウ(ウクライナ)を倒し、プレーオフではレッドスター・ベオグラード(セルビア)という欧州カップで実績のあるチームを次々と倒し、リーグフェーズに進出してきた。リーグフェーズではオリンピアコス(ギリシャ)、カイラト・アルマトイ(カザフスタン)とスコアレスドロー、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)には1-5と大敗したが、第4節でビジャ・レアル(スペイン)に1-0と勝利し、チャンピオンズリーグ本戦で初勝利をあげた。すなわち、前半戦の成績は1勝2分1敗、モナコと同じ成績である。

■今夏、パフォスに加わったダビド・ルイス

 このパフォスには本連載の読者のみならず、サッカーファンであればだれでも知っている選手が今季加わった。2014年から2年間、パリサンジェルマンのストッパーとして活躍したダビド・ルイスである。2011年にはチェルシー(イングランド)の一員としてクラブワールドカップで訪日していることから日本の皆様はよくご存じであろう。
 パリサンジェルマンを離れた後、チェルシー、アーセナルとイングランドのクラブに所属、2021年には母国のブラジルに戻り、フラメンゴ、フォルタレーザに所属し、今夏、キプロスで38歳のシーズンを迎えることになったのである。(続く)

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