第3654回 折り返し初戦で好調なフランス勢(3) モナコはキプロスで引き分ける
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■フランス勢にとって3回目となるキプロス勢との対戦
チャンピオンズリーグ第4節でモナコはキプロスのパフォスとアウエーで戦う。モナコにとっては初めてのキプロスのチームとの対戦であり、フランス勢としてもチャンピオンズリーグでキプロスのチームと対戦するのはリヨンとパリサンジェルマンがアポエル・ニコシアと対戦しただけである。人口3万2000人のパフォスの町であるが、会場のアルファメガ競技場には8000人を超える観衆が集まった。
この時点で両チームは1勝3分1敗で勝ち点で並んでいるが、得失点差でモナコが24位、パフォスが25位である。
■南野拓実が先制点、ダビド・ルイスは史上2番目の年長ゴール記録
勝利の欲しいモナコは立ち上がりから攻め、3分にはマグネス・アクリウシェのクロスがパフォスのゴール前に上がるが、フォラリン・バロガンがわずかに届かない。さらに5分、アクリウシュが右サイドからゴール前の南野拓実にサイドキックでパス、これを南野が右足で決めてモナコが先制する。
これに対してパフォスは8分にスローインからチャンスを作り、シウバがミドルシュート、モナコのGKも届かなかったがクロスバーに当たり、モナコは救われた。ただ、18分パフォスは右CKのチャンス、これをゴール前で待ち受けていたダビド・ルイスがヘディングで同点ゴール、38歳218日での得点はチャンピオンズリーグ史上2番目の年長ゴールとなった。最年長記録はシャフタール・ドネツク(ウクライナ)のペペが記録した40歳290日である。
■相手のミスをついて勝ち越したモナコ、試合終盤に追いつかれる
このゴールでいったんはペースダウンしたモナコであったが、26分にバックパスを受けたパフォスのGKミカエルからのパスをバロガンがインターセプトしてそのまま左足でシュート、勝ち越しゴールとなる。
モナコがリードして迎えた後半に試合は突入、49分には南野からの縦パスをバロガンがシュート、パフォスのGKがこれを防ぐ。パフォスも負けていない。54分には中央付近から縦パスを出し、シウバがGKのルーカス・フラデツキーと一対一になるが、モナコのGKがシュートをブロックする。
パフォスは試合終盤に猛攻を仕掛けた。86分には右サイドのスローインからボールをつないでファーサイドのミスラフ・オルシッチがシュート、枠内に飛んだがモナコの守備陣がCKに逃れる。パフォスのチャンスは続く。左サイドのCK、キッカーはオルシッチ、CKをモナコのDFがクリアするが、オルシッチの足元に流れて、オルシッチが再びゴール前にクロスを上げる。これをパフォスのイバン・シュニッチがヘディングでシュート、これがバーに当たって跳ね返り、モナコのDFのモハメド・サリスに当たってゴールイン、モナコは不運なオウンゴールで追いつかれ、ドローとなって圧倒的に攻めながらも勝ち点1を獲得するにとどまったのである。
■UEFAスーパーカップの再戦となるパリサンジェルマン-トットナム・ホットスパー戦
そしてフランス勢で最も注目を集めるのはパリサンジェルマンである。バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)に敗れたとはいえ、前半戦を5位で折り返す。後半戦最初の試合はホームにトットナム・ホットスパーを迎える。トットナム・ホットスパーは昨季の国内のプレミアリーグで17位であった。18位以下が2部に相当するチャンピオンシップに降格するため、危うく降格するところであったが、ヨーロッパリーグで優勝し、今季のチャンピオンズリーグの出場権を獲得するに至った。
すなわち、両チームはシーズン開幕前のUEFAスーパーカップで対戦している。この模様については本連載の第3600回と第3601回で紹介した通り、中立地であるイタリアのウディーネで8月13日に開催された。試合はトットナム・ホットスパーが2点をリードして終盤に入ったが、パリサンジェルマンは85分に李康成、94分にゴンサロ・ラモスの得点で追いつき、PK戦となる。PK戦ではパリサンジェルマンに新加入となったGKのルイ・シュバリエが活躍し、パリサンジェルマンが勝利したのである。(続く)
