第3655回 折り返し初戦で好調なフランス勢(4) ビティーニャのハットトリックでトットナム・ホットスパーに勝利

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■国内リーグでは中位のトットナム・ホットスパー

 今季の開幕直前にUEFAスーパーカップで対戦したパリサンジェルマンとトットナム・ホットスパー(イングランド)、今季の両チームの成績を振り返ってみよう。まずパリサンジェルマン、リーグ戦では9勝3分1敗で首位をキープしている。トットナム・ホットスパーは5勝3分4分で9位、来季の欧州カップ出場には届かないポジションである。チャンピオンズリーグではパリサンジェルマンは3勝1敗で5位、トットナム・ホットスパーは2勝2分で10位であり、トットナム・ホットスパーがパルク・デ・プランスで勝利すれば勝ち点で逆転する。トットナム・ホットスパーとパリサンジェルマンは今夏のUEFAスーパーカップでしか対戦がないが、トットナム・ホットスパーはフランス勢と相性が良く、過去13戦して5勝5分2敗、今季もモナコとはスコアレスドローである。

■トットナム・ホットスパーにレンタル中のランダル・コロムアニ

 パリサンジェルマンは新人を抜擢、18歳のカンタン・ヌジャントゥがチャンピオンズリーグで初先発、CFで起用される。国内リーグ戦では9月下旬から主に終盤に交代選手として出場、チャンピオンズリーグでもバルセロナ(スペイン)、レバークーゼン(ドイツ)戦で終盤に出場している。国内リーグ戦でも先発はこれまで2試合だけ、連覇に向けてルイス・エンリケ監督は選手層に厚みを持たせることに余念がない。また、右サイドバックとして守備だけではなく攻撃の起点あるいはフィニッシャーとなることもあるアクラフ・ハキミが負傷して出場できないため、このポジションにウォーレン・ザイール・エメリを起用する。
 一方、トットナム・ホットスパーは2トップ、リシャルリソンとランダル・コロムアニである。リシャルリソンはブラジル代表、そしてコロムアニはフランス代表であるが、パリサンジェルマンからレンタルされている選手である。パリサンジェルマンには2022年に加入したが、選手層が厚く、レギュラーとしては活躍できなかった。そのため、昨年はユベントス(イタリア)、今年はトットナム・ホットスパーにレンタルされている。

■リシャルリソンのヘディングで先制、前半のうちに追いついたパリサンジェルマン

 試合は開始直後は黄色いユニフォームのトットナム・ホットスパーが高い位置からプレスをかけたが、すぐにパワーダウンし、パリサンジェルマンがいつもの試合のようにパスを自在に回すようになった。しかしながらなかなかパリサンジェルマンは先制点を奪うことができない。
 先制点を奪ったのは守勢のトットナム・ホットスパーであった。35分、左サイドからの攻撃からアーチー・グレイがファーサイドのコロムアニに合わせてクロスを入れる。コロムアニはゴール前にヘディングで折り返し、リシャルリソンが最後はヘディングでゴールに押し込んだ。この試合初のシュートが先制点になった。
 リードされたパリサンジェルマンは前半のうちに追いついた。45分、左CKのチャンスを得る。キッカーはクビチャ・クバラツヘリア、ショートコーナーでヌジャントゥにつなぐ。ヌジャントゥはドリブルで相手を交わし、ペナルティエリアの外でフリーとなっているビティーニャにパス、ビティーニャのミドルシュートが同点ゴールとなってハーフタイムを迎えた。

■点の取り合いを制したビティーニャのハットトリック

 後半は点の取り合いとなった。49分にトットナム・ホットスパーは左CKをファーサイドに蹴りこむ。リシャルリソンがつないで、グレイがシュート、これはパリサンジェルマンのウィリアン・パチョがクリアしたが、これをコロムアニがシュートして、トットナム・ホットスパーが勝ち越す。
 しかしパリサンジェルマンは53分、ペナルティエリア外からまたしてもミドルシュートを決めて追いつく。さらに58分にはパリサンジェルマンのプレスが功を奏し、ゴール前でボールを奪ってファビアン・ルイスが勝ち越しゴールを決める。65分には李康仁の左CKからゴール前の混戦の中、パチョが4点目を決める。
 トットナム・ホットスパーも73分にパリサンジェルマンの緩慢なプレーからボールを奪い、コロムアニがこの日2点目となるゴールで1点差に迫る。
 しかし、75分、トットナム・ホットスパーのペナルティエリア内のハンドで得たPKをビティーニャが決めて、ハットトリック。パリサンジェルマンが5-3の打ち合いを制したのである。(続く)

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