第3656回 折り返し初戦で好調なフランス勢(5) ニースは5連敗で敗退、リールは快勝

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■前半戦は4戦全敗のニース

 チャンピオンズリーグに出場したフランス勢3チームの第5節の戦いぶりを紹介してきたが、モナコが引き分けた以外がパリサンジェルマンもマルセイユも勝利し、第5節終了時の順位はパリサンジェルマンが2位、マルセイユが21位、モナコが23位となった。
 さて、今回は11月27日に行われたヨーロッパリーグのフランス勢の戦いを紹介しよう。18時45分にキックオフを迎えたのはニースである。ニースはポルト(ポルトガル)とアウエーでの戦いとなる。ニースは前半戦は4戦全敗、かろうじて得失点差で35位にとどまっている。ニースはここまで欧州カップで16試合連続で勝利がない。また国内外で現在4連敗と調子を落としている。相手のポルトは国内リーグでは首位を走り、チャンピオンズリーグでは2勝1分1敗、17位である。

■開始19秒で先制されたニース、元気なく5連敗で敗退

 試合は両チームの勢いの差が明白になった。ポルトのキックオフで始まった試合、開始19秒でゴールネットを揺らしたのはホームのポルト、ガブリエル・ベイガであった。これはチャンピオンズリーグ史上6番目に早いゴールとなった。ニースは守備の中心の42歳のダンテがチームを鼓舞する。互角の展開になったが、33分にまたベイガが得点を決め、ポルトはリードを広げた。シュートの精度を欠くニースは無得点でハーフタイムを迎える。
 後半に入っても流れは変わらなかった。58分、ニースはペナルティエリア内でダンテがポルトの選手を後ろから倒したかに見えたが、主審は笛を吹かなかった。これに対してポルトが抗議し、VARとなる。VAR判定の結果、ポルトにPKが与えられ、これを決めてポルトが3-0と勝利する。ニースは5連敗となる。前半戦でニースと同様4戦全敗だったグラスゴー・レンジャーズ(スコットランド)が同日に引き分けたため、ニースはついに単独最下位となり、そし24位までに入る可能性が消滅し、唯一この時点でリーグフェーズでの敗退が決まったのである。

■リールは得意のクロアチア勢のディナモ・ザグレブと対戦

 フランス勢の残り2チームは快勝した。まず、ニースと同時刻にキックオフを迎えたリールはホームにクロアチアのディナモ・ザグレブを迎えた。リールはディナモ・ザグレブとは欧州カップで初対決となるが、クロアチアのチームを得意としており、これまで2勝2分と負けがない。逆にディナモ・ザグレブはフランスのチーム相手に相性が悪く3分10敗と勝ったことがない。ただ、前半戦の成績だけならば、ディナモ・ザグレブは2勝1分1敗で、2勝2敗のリールを勝ち点で1上回っている。

■前後半とも2点ずつあげたリールが快勝

 リールは主将のバンジャマン・アンドレが出場停止明けとなり、先発メンバーに名を連ねる。先にゴールネットを揺らしたのはディナモ・ザグレブのモンセフ・バクラルであった。ヘディングシュートが決まったかに見えたが、直前のプレーでリールのトマ・ムニエを押しており、ゴールは認められなかった。ピンチを迎えたが、リールは試合を圧倒的に支配する。ただ、シュートまで結びつけられず、ゴールが遠い。そのリールが最初のゴールチャンスをつかんだのが21分のことであった。ハコン・アルナル・ハラルドソンが完璧な縦パスを前線のフェリックス・コレイアに供給、コレイアはディナモ・ザグレブのGKイバン・フィリポビッチとの一対一を制し、先制点を決めた。勢いに乗ったリールはその直後にハムザ・イガマネがシュート、これはフィリポビッチに止められる。リールは攻め続け、ヌガル・ムカウが追加点を36分に決め、ハーフタイムを迎えた。
 後半に入ってもリールが一方的に攻め、ピエール・モーロワ競技場に集まったファンを沸かす。69分にはハラルドソンからのパスを受けたイガマネがドリブルで突進して3点目を決める。終盤にリールはオリビエ・ジルーを投入、そして主将のアンドレが86分にゴールを決め、4-0と快勝したのである。(続く)

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