第801回 新春告げるフランスカップ(2) 上位陣の順当勝ちが多かったベスト32決定戦

■ニオールに続けと張り切る2部4チーム

 フランスカップのベスト32決定戦で2部のニオールが1部のランス(Lens)を下して、2008年のフランスサッカー界は幕を開けた。32試合のうち、1月4日の金曜日に行われたのはこの試合だけであり、それ以外の31試合は5日の土曜日または6日の日曜日に行われる。
 注目の2部勢(スダン、ルアーブル、ランス、ブレスト)の1部勢への挑戦はこの5日の夜に3試合が集中した。5日の21時には、ルアーブルはニースに、ランス(Reims)はナンシーにそれぞれアウエーで挑戦する。そしてスダンはカーンをホームに迎える。また、6日の夜にはブレストがモナコを迎える。

■スダン勝利、ルアーブルとランスは敗退

 スダンは1部のカーンを圧倒する。前半に2ゴールを奪い、リードして折り返す。カーンも追いすがるが、スダンが3-2とカーンをくだしてベスト16に進出した。
 しかし残りの試合は接戦とはなったが、1部勢が意地を見せた形になった。北西部のルアーブルは南仏のニースへ遠征する。ニースに先制を許し、しかもルアーブルは退場者をだしてしまい、10人で戦わなくてはならなくなる。しかしルアーブルは追いつき、試合は延長戦となる。延長前半にニースは決勝点を奪い、ニースが1部の意地を見せた。
 また、ランスもナンシーでの戦いで前半に2点を許してしまう。後半に1点返したが、結局1-2で敗退してしまう。

■無名選手のハットトリックの前に敗れたブレスト

 その翌日にベスト32決定戦の最後の試合としてブレスト-モナコ戦が行われた。1991年にクラブの財務が破綻し、3部(現在のナショナルリーグ)へ降格を余儀なくされたブレストにとって、その降格の年にフランスカップを獲得したモナコが相手である。ブレストは20分に先制点を奪い、この虎の子の1点を守りきろうとする。ブレスとは67分に退場者を出し、1人少なくなるが、モナコの得点を許さない。そして時計の表示は90分を越え、ロスタイムを守りきればブレストの大金星となるところであった。ところがこのロスタイムにモナコの無名の選手がブレストの夢を打ち砕く。まだ今季のリーグ戦には1試合、5分間しか出場したことがない弱冠18歳の小柄なジャメル・バカルがブレストのゴールネットを揺らす。そして延長戦に入ってもこのバカルが延長前半と延長後半にそれぞれ1点をあげてなんとハットトリックを達成、モナコは3-1と勝利したのである。この結果、ベスト32決定戦で注目された1部勢と2部勢の戦いは1部勢が3勝2敗と勝ち越したのである。

■1部勢、2部勢とも下位リーグ相手の取りこぼしは1試合ずつ

 例年の本連載ではフランスカップのベスト32決定戦は調整不十分な1部リーグのチームが、下部リーグのチームに敗れるジャイアントキリングを取り上げてきたが、今年の1部勢はおおむね順調であった。1部勢20チームのうち、4チームは1部勢同士の戦いとなり、残り16チームは下部リーグのチームとの対戦となった。2部リーグのチームと5チームが戦い3勝2敗、ナショナルリーグのチームとは4試合対戦し、3勝1敗、そしてCFA勢相手には4戦全勝、CFA2とは1試合戦い勝利、DH勢とは2戦2勝であった。すなわち、ナショナルリーグ以下のチームには10勝1敗とほとんど取りこぼすことなく1部勢のチームは15チームが32強入りしたのである。
 この取りこぼしをしない傾向は2部リーグについても同様であった。2部勢はこのベスト32決定戦に15チームが参戦したが、4チームは2部勢同士の戦いとなった。レベルの違うリーグの相手との対戦については、格上の1部勢と対戦した5チームは2勝3敗と負け越しているが、ナショナルリーグ勢とは2戦2勝、CFA勢とは1戦1勝、CFA2勢とは3戦して2勝1敗と格下のリーグの相手に対する戦績は5勝1敗と1部勢同様にほとんど勝利している。
 このようにおおむね取りこぼしをすることなくベスト32決定戦に1部勢が15チーム、2部勢が9チーム進出し、例年以上に上位陣が安泰なベスト32決定戦となったが、数少ない上位陣の取りこぼしが今年もファンの注目を集めたのである。(続く)

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