第1670回 8強がそろったフランスカップ(2) アンジェ、リール、ギャンガン、レンヌも8強入り

 3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■2部対決は2位のアンジェが最下位のCAバスティアを振り切る

 準々決勝進出をかけたベスト8決定戦は4部に相当するCFAのカンヌが1部のモンペリエを延長戦の末下すという波乱の幕開けとなった。
 2月11日20時からはアンジェとCAバスティアという2部勢同士の戦いとなる。このベスト8決定戦で唯一の2部勢同士の対戦であるが、アンジェは現在2位で1部昇格を狙う位置にあるが、対するCAバスティアは最下位の20位、本連載第1655回で紹介した通り今季2部に初昇格したが、相変わらず厳しい戦いが続く。この両チームはすでにリーグ戦では2試合を戦っており、8月にはバスティアで1-1のドロー、そして1月31日にはアンジェで戦ったばかりであり、ホームのアンジェが1-0と勝利している。2週間前の試合に続きアンジェの優勢が予想されたが、思わぬ展開となった。先行したのはCAバスティア、前半に1点奪い、リードして折り返すが、アンジェも後半追いつく。その後CAバスティアの選手が退場となり、アンジェは数的優位に立つが、得点をあげることなく、試合は延長戦になる。延長前半も終わろうとする105分、1人少ないアウエーのCAバスティアが勝ち越し点をあげる。延長前半のロスタイムにアンジェが追い付き、残るは延長後半の15分間。この15分間にアンジェは2得点を奪い、結局アンジェが4-2というスコアで勝利した。

■1部で3位のリールがカーンにPK戦で辛勝

 ベスト8決定戦初日の2月11日の最後に行われた試合はリール-カーン戦であり、この試合もスペクタクルな得点経過となった。1部で3位、リーグ優勝あるいはチャンピオンズリーグ出場を狙うホームのリールが優位と思われたが、カーンは14分と28分にベンガリ・フォデ・コイタが連続ゴールを奪い、2-0とリードする。リールは33分にロニー・ロデランが1点を返し、後半に入って76分に追いつき、82分にはロデランからのパスによりノーラン・ルーが勝ち越しゴールを決め、このままリールが逆転勝利かと思われた。しかしこの日大活躍のロデランはロスタイムの92分にヘディングしたボールが痛恨のオウンゴール、試合は延長戦に突入する。延長戦では両チーム得点がなく、PK戦で準決勝進出チームを決定する。PK戦は両チームとも5人全員が成功、6人目は明暗が分かれ、リールは成功したが、カーンは失敗し、リールの準々決勝が決まったのである。

■アウエーゲームの続くギャンガン、下部リーグのイール・ルースを下す

 続く2月12日はCFA2部のイール・ルースがギャンガンを迎える。イール・ルースはアジャクシオのフランソワ・コティ競技場で試合を行う。ギャンガンはフランスカップではアウエーゲームが続く。ギャンガンというと2部時代の2009年にフランスカップで優勝しているが、その時の8回戦でホームゲームを戦ったのを最後に常にアウエー(スタッド・ド・フランスでの決勝を含む)での試合が続き、今回もまたギャンガンから離れた地での試合である。また、ギャンガンは下位のリーグのクラブには敗れることが極めて少ない。今回もアウエーゲームとなったが下位のリーグのクラブには負けない、というデータのとおり、前半と後半に1点ずつ得点を決め、2-0と5部に相当するリーグのクラブを破り、準々決勝進出を決めた。この段階でコルシカ島のチームは姿を消したのである。

■レンヌ、オセールを倒して準々決勝へ

 このギャンガンが優勝した2009年のフランスカップの準優勝チームがレンヌである。レンヌは18時45分キックオフの試合で2部のオセールと対戦する。レンヌは前半に挙げた1点を守り切って1-0と勝利する。1980年代から2000年代にかけてフランスサッカーのトップクラスを競ったオセールも2部に落ち、2012年からはフランス代表としても活躍したベルナール・カゾニが監督を務めているが、タイトル獲得はならなかった。カゾニ監督は現役時代も様々なタイトルを獲得しているがフランスカップはマルセイユ時代の1991年の準優勝が最高、フランスカップの活躍からスターダムを駆け上ったオセールの復活はいつになるのだろうか。(続く)

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