第1866回 パリサンジェルマン、輝く三冠 (2) エディンソン・カバーニが活躍、欧州主要国初の三冠達成

 4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■2部勢の優勝は珍しいカップ戦

 2部で9位ながら、過去のフランスカップ決勝は初進出であった1979年以外は4連勝しているオセール、パリサンジェルマンに対しては2003年の決勝で勝利したのを含みこれまでのフランスカップでは6戦して4勝という相性の良さも見逃せない。しかし、これまで決勝で2部のチームが1部のチームを破って優勝したのは1959年のルアーブルと2009年のギャンガンの2回しかない。
 奇しくも今年は欧州でイタリアを除く主要国のカップ戦の決勝が同日に行われることになり、5月30日はさながらカップ戦ファイナルの日となった。イングランドはアーセナル-アストンビラ、ドイツはボルシア・ドルトムント-ウォルフスブルク、スペインはアスレチック・ビルバオ-バルセロナと1部勢同士の戦いばかりである。また前週にカップファイナルが行われたイタリアもユベントスがラツィオを破っており、2部のチームが決勝に残ることは非常に難しい。これらの国で2部のチームが優勝したのは歴史が古いイングランドを除くと、ドイツで1回(1992年のハノーバー)あるだけで、イタリア、スペインは1部勢しか優勝経験がない。

■歴史的なゲームに8万観衆が集う

 オセールが3回目の奇跡を起こせるかどうか、逆にパリサンジェルマンは史上初の三冠(フランスリーグ、フランスカップ、リーグカップ)獲得となるか、いずれのチームが勝利するとしても歴史的な記録になることは間違いない。
 この歴史の証人になろうと、スタッド・ド・フランスは8万観衆で埋まった。

■役者のそろったパリサンジェルマン、侮れないオセール

 パリサンジェルマンはハビエル・パストーレが出場停止となっている以外はベストメンバー、トップの位置にはズラタン・イブラヒモビッチが入る。今季のパリサンジェルマン、後半戦の快進撃を支えたのはイブラヒモビッチに代わって得点を量産したエディンソン・カバーニ、左ウイングの位置に入る。実はパリサンジェルマンの国内外の公式戦を通じた得点はイブラヒモビッチとカバーニが30得点ずつ挙げており、3位のエセキエル・ラベッシの9点を大きく引き離している。イブラヒモビッチとカバーニのチームない得点王争いにも注目したい。
 一方のオセールであるが、かつて欧州や1部で活躍した懐かしい名前もある。まずはフレデリック・サマリターノ、10年前に19歳以下の欧州選手権で優勝した時のメンバーである。2010年にはオセールの一員としてチャンピオンズリーグにも出場している。そして主将を務めるセバスチャン・プイグルニエも忘れてはならない。ストッパーのプイグルニエは国内外で豊富な経験を誇り、ナンシー所属時の2006年にリーグカップを獲得しているがフランスカップは準優勝どまりである。

■チーム最多得点となったエディンソン・カバーニのゴールが決勝点

 試合はパリサンジェルマンが一方的にボールを支配する展開となった。その中心はマルコ・ベラッティ、豊富な運動量でパスの起点となる。オセールは守勢一方となったが、そこは織り込み済み。カウンターアタックに専念し、しばしばパリサンジェルマンのゴールを脅かす。前半はオセールの守備陣がよく持ちこたえ、0-0で後半を迎える。  後半に入ってゴールネットを揺らしたのはパリサンジェルマンであった。64分、右サイドのグレゴリー・バンデルビールからのクロスをカバーニがプイグルニエに競り勝ってヘディングで決める。僚友イブラヒモビッチを1点上回る今季通算31点目のゴールはパリサンジェルマンの三冠を決める貴重なゴールとなったのである。
 今季のカバーニは通算で52試合に出場しており、イブラヒモビッチの37試合を大きく上回る活躍である。カバーニの存在なしに今季の三冠は達成できなかったであろう。

■欧州主要国で初めての国内三冠

 国内リーグ、国内カップ、リーグカップの三冠はフランスだけではなく、欧州の主要国で初めてという快挙である。さらにシーズン前のチャンピオンズトロフィーも加えると四冠となる。
 来季は是非ともこれらのタイトルに加え、チャンピオンズリーグ制覇を期待したい。(この項、終わり)

このページのTOPへ