第3378回 パリサンジェルマン、フランスカップを制す(3) 準々決勝の組み合わせが決定

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■1部勢対決はニースとストラスブールが制す

 2月上旬に行われたフランスカップのベスト8決定戦、前回の本連載では欧州カップの決勝トーナメントを控えるパリサンジェルマン、レンヌ、リールの戦いについて紹介し、翌週の半ばに試合があるパリサンジェルマンとレンヌがベスト8入りし、リールがリヨンに敗れたことを紹介した。
 それ以外のベスト8争いであるが、1部勢同士の試合が2試合あった。モンペリエ-ニース戦はリーグ戦で2位のニースがアウエーゲームをものともせず、ゴールを積み重ね、4点を奪う。リーグ戦13位でホームのモンペリエは終盤に得たPKを決めることができず、その直後にようやく1点を返したにとどまった。
 もう1試合のストラスブールとルアーブルの対戦はフランスカップでは64年ぶりとなる。その時はストラスブールが勝利し、今季のリーグ戦の前半戦でもストラスブールが勝利している。この試合もストラスブールが先行し、3-1と勝利した。

■ルーアン、トゥールーズに続きモナコにもPK戦で勝利

 1部勢で下位のリーグのチームと対戦して敗れたのがモナコである。モナコはナショナル1部のルーアンとアウエーで対戦した。ルーアンは前々回の本連載で紹介したとおり、ベスト16決定戦で前年度王者のトゥールーズをPK戦で退けている。現在ナショナル1部で4位であり、2部復帰も望めるルーアンはモナコにおいても互角の戦いを演じた。23分にはシュートがポストに当たり、モナコのイレブンは肝を冷やす。ただ、先制点はモナコであった。ペナルティエリア内でモナコのフォラリン・バログンが倒され、バログン自身がPKを決める。対するルーアンは前半のアディショナルタイムに好位置でFKのチャンスを得る。このFKからルーアンの主将のクレモン・バッサンが同点ゴールを決めてハーフタイムを迎える。後半は両チーム得点上げることなく、90分の戦いが終わり、ベスト8へのチケットはPK戦で争われる。ルーアンにとっては2試合連続で1部勢相手のPK戦となった。ルーアンは後半のアディショナルタイムにPK要員と思われる選手を3人投入する。PK戦ではこの3人が見事に期待に応える。ルーアンは7人中6人が成功させ、モナコは試合中にPKを決めたバロガンが失敗するなど5人しか成功させることができなかった。ルーアンは2戦連続して1部勢をPK戦で下した。
 それ以外の2試合は2部リーグ以下のチーム同士の対戦で2部のラバルはナショナル2部のルピュイに敗れる。もう1つの試合では2部のバランシエンヌがナショナル3部リーグのサンプリエを下し、2部勢で唯一ベスト8入りした。

■準決勝に2部以下のチームの進出が確定

 ベスト8は1部勢5チーム(パリサンジェルマン、ニース、レンヌ、ストラスブール、リヨン)、2部のバランシエンヌ、ナショナル1部のルーアン、ナショナル2部のルピュイという顔ぶれとなった。
 準々決勝の組み合わせ抽選はベスト8決定戦が行われている中で行われた。1部勢対決はリヨン-ストラスブール、パリサンジェルマン-ニースの2カードである。ルピュイ-レンヌ戦はルピュイが3つ上のカテゴリーに挑戦する。ルーアン-バランシエンヌ戦は2部勢以下の対決となり、準決勝には少なくとも1チームが2部以下ということも決まった。

■チャンピオンズリーグを戦うパリサンジェルマン、ニースとの準々決勝は2週間遅れ

 その一方でパリサンジェルマンには2つの試練が襲った。まず、対戦相手のニース、組早生抽選が行われた時点の順位は2位である。パリサンジェルマンはベスト8決定戦のブレスト戦に続き、上位のチームの挑戦を受けることになった。
 そしてもう1点は試合日程である。準々決勝はもともと2月27日から2月29日と2月の最終週の平日に予定されている。ところが、パリサンジェルマンはその前後の週末にはリーグ戦があり、翌週の平日の3月5日にはチャンピオンズリーグのベスト16決定戦のレアル・ソシエダ(スペイン)戦のアウエーでの第2戦が控えている。国内外のカップ戦を戦うパリサンジェルマンの準々決勝は2週間遅らせて3月13日に行うことになったのである。(続く)

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