第453回 2004-05フランスリーグ・フィナーレ(3) 辛くも残留したボルドーとナント

■2部降格争いが話題になった理由

 フランスリーグの最終節の模様をお伝えしているが、日本の読者の皆様から降格争いについても取り上げて欲しい、というお便りをいただいた。2部降格が例年話題にならないフランスとの国情の違いがよく現われている。しかし、このフランスでも今年は2部降格が話題になった。それは、思いもかけなかったビッグクラブが2部に降格するピンチを迎えていたからである。
 フランスリーグの1部の下位3チームは2部に自動降格、代わりに2部の上位3チームが昇格してくる。今季のフランスリーグは優勝したリヨンも独走であったが、最下位のイストルもまた独走であり、早々と2部降格が決定してしまった。本連載でもたびたびご紹介しているように、1980年代、1990年代のフランスのサッカーを支えたモナコ、マルセイユ、パリサンジェルマン、オセールは一桁順位であるが、やはりファンとしては優勝争いに絡んで欲しいものである。そして2部に降格するのではないかとファンを心配させたのが今回紹介するボルドーとナントである。ともに太平洋岸の主要都市であり、ワールドカップ開催都市として有名な両チームのこれまでの成績は誇るべきものがある。ボルドーはこれまでにリーグ優勝5回、フランスカップ優勝3回、リーグカップ優勝1回という成績を誇る。一方のナントはリーグ優勝8回、フランスカップ優勝3回というタイトルを獲得している。かつての名門が力を落として2部降格というケースはランス(Reims)やサンテエチエンヌの例があるが、ボルドーとナントの場合はこの数年も素晴らしい実績を残しているところがこれまでの名門チームとは異なる点である。

■過去10年間、国内外で活躍したボルドーとナント

 過去10年間の両チームの成績は、リーグ優勝が1回ずつ(ボルドー:1999年、ナント2001年)、フランスカップは1999年と2000年にナントが連覇を果たし、リーグカップはボルドーが2002年に優勝している。そして国内の三大タイトルだけではなく、欧州カップでの活躍も特筆すべきものがある。過去10シーズンの中で、ボルドーは8回、ナントは6回欧州カップに出場しているのである。またナントは欧州カップ以外に2回インタートトに出場している。これは両チームが安定して国内リーグで上位をキープしていたことを示している。さらにボルドーは1995年のUEFAカップで準優勝し、それ以外にも2度ベスト8入りしている。一方のナントも1995年にはチャンピオンズリーグで準決勝に進出している。

■最終節を前にピンチを迎えた両チーム

 このような近年の輝かしい成績の両チームが今季は苦戦し、残り2節となった段階でボルドーは勝ち点42で13位、ナントは勝ち点40で16位と低迷している。降格圏内の18位のカーンの勝ち点が39である。そしてこの第37節の結果は両チームのファンにとって衝撃的なものになった。ボルドーはチャンピオンズリーグ本戦出場を狙うモナコをホームに迎え、ロスタイムに失点して追いつかれて勝ち点1しか獲得できず、ナントはソショーと対戦し、前半にオウンゴールで失点、その後、ソショーに退場者が出て数的に優位に立ったが、終盤にナントも退場者が出て万事休す、勝ち点を増やすことはできなかった。この結果、最終節を迎える段階でボルドーは15位(勝ち点43)、そしてナントは19位(勝ち点40)、降格圏内の18位バスティアの勝ち点は41であり、ピンチを迎えたのである。

■最終節でようやく残留を決める

 勝てば降格を免れるボルドーはマルセイユと対戦、前回の本連載で紹介したとおり、点の取り合いとなり、結局はロスタイムに追いつかれ、勝ち点を1獲得する。
 最終節を迎える段階で残留圏内の17位カーンの勝ち点が42であるため、勝ち点40のナントは自チームの勝利とともに、カーンや18位のバスティア(勝ち点41)が勝ち点を伸ばさないことが残留の条件である。ナントは地元で最終戦を迎え、40分に先制点をあげる。一方ライバルのカーンは最下位が早々に確定してしまったイストルと対戦、バスティアはストラスブールとの対戦。イストルは地元で意地を見せ、終始カーンをリードする。一方ストラスブール-バスティア戦は無得点が続く。このままスコアが動かなければ勝ち点3を伸ばすナントが残留となるが、同点に追いつかれれば降格となる。結局はストラスブールが終盤に得点を重ねてバスティアを下し、ナントは1点を守りきる。
 最終的にはボルドーは勝ち点44で15位、ナントは勝ち点43で17位となり、残留する。降格したのは18位カーン、19位バスティア、20位イストルの3チームであるが、国内外で活躍したボルドーとナントには来季は復活を望みたいところである。(続く)

このページのTOPへ