第555回 2005-06フランスリーグ・フィナーレ(3) ボルドーが2位を確定

■消化試合が1試合少ないボルドー

 本連載ですでに紹介しているように、リヨンは第35節の4月15日に早々と優勝を決めてしまった。その後、リーグカップ、フランスカップの決勝が盛り上がりを見せたが、優勝が決まってしまった後のリーグ戦の上位陣について紹介しよう。
 フランスリーグからは2位がチャンピオンズリーグ本戦に出場し、3位はチャンピオンズリーグの予備戦に出場することになる。そして4位以下のチームにはUEFAカップもしくはインタートトカップのチャンスしか残されていない。リヨンが優勝を決めた第35節の終了時点で2位はボルドー(34試合、勝ち点61)、3位はリール(58)、4位レンヌ(56)、5位マルセイユ(55)、6位ランス(53、得失点差+10)、7位オセール(53、得失点差+7)あたりまでに可能性が残されている。また上記の中でボルドーだけは1試合消化試合が少ないため、さらに有利である。
 まず、ボルドーは未消化だった第29節のソショー戦をアウエーでリーグカップ決勝の翌日に当たる4月23日に戦い、3-0と楽勝して勝ち点3を上乗せし、3位以下のチームに差をつける。

■フランスカップ決勝当日に行われた北のダービー

 第36節はフランスカップ決勝と同じ週末に行われた。これもワールドカップイヤーならではのことである。国内の注目がパリサンジェルマンとマルセイユという前代未聞の好カードに集まるその日の夕方、3位のリールが6位のランスに乗り込む。この北のダービーにも4万人以上の観客が詰めかける。この日、フランス国内でトップレベルの試合は2試合しか行われなかったが、2試合で12万人の観衆を集めたことになる。ボルドーを追撃したいリールであるが、ランスが4-2とライバルを下す。3位リールがボルドーとの勝ち点差を詰めることができなかった結果、ボルドーが2位を確定し、来季のチャンピオンズリーグ本戦出場を決めたのである。
 ボルドーが歓喜に沸き、リールに失意が訪れたその3時間後、フランスカップの勝者が決まり、パリサンジェルマンに来季のUEFAカップ出場権が与えられた。つまり、2試合で12万人という試合は国内のタイトルを決めるだけではなく、来季の欧州行きがかかった試合でもあったわけである。

■国内リーグに望みを託すマルセイユ

 マルセイユは欧州の舞台に立つためにはリーグ戦で上位に食い込むしかなくなった。フランスカップ決勝で敗れたマルセイユは気落ちするのではなく、新たな闘志を燃やした。そしてマルセイユのライバルチームの動きもマルセイユを後押しした。フランスカップ決勝を戦ったマルセイユとパリサンジェルマンは5月3日に試合日程をスライドした。パリサンジェルマンは4位のレンヌとアウエーで対戦、来季のUEFAカップへの出場権を手中にしているパリサンジェルマンとこれから手に入れようとするレンヌの対戦であったが、パリサンジェルマンはロスタイムに引き分けに追いつく。レンヌにとっては痛いドローであり、パリサンジェルマンはライバルのマルセイユの援護射撃をした結果になった。
 マルセイユは7位のオセールの本拠地に乗り込む。このところ欧州での活躍の目立たないオセールであるが、マルセイユの気迫の前に押された形となった。一方のマルセイユは欧州への唯一の道が国内リーグであると再認識し、チームのスローガンどおり、イレブンがゴールに一直線になり、2-1とオセールを下した。

■残り2試合で勝ち点で並んだリールとマルセイユ

 この結果、すべてのチームが2試合残した状態となった第36節終了時の順位は1位リヨン(勝ち点81)、2位ボルドー(65)が最終順位を確定する。以下3位リール(58、得失点差+21)、4位マルセイユ(58、得失点差+9)、5位レンヌ(57)、6位ランス(56)、7位オセール(53)となり、チャンピオンズリーグ予備戦出場権のある3位争い、そしてUEFAカップ出場権のある4位争いは混沌としてきた。勝ち点58で3位争いをしているリールとマルセイユの第37節のカードを紹介すると、リールは王者リヨンを迎え、マルセイユはすでに2部降格が決まったストラスブールとホームで対戦する。第37節でついにマルセイユが3位に浮上するのであろうか。(続く)

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