第964回 リヨン、首位の座から陥落(2) マルセイユ、第31節で首位を奪還

■勝ち点5差に6チームがひしめいて迎えた第30節

 第38節まであるリーグ戦の終盤、第29節で、リヨンは首位の差を暫定とはいえボルドーとマルセイユに明け渡した。リヨンがソショーに勝利した後の3月22日の21時に登場したのがパリサンジェルマンである。リヨンの勝利によって首位奪還のチャンスがなくなったパリサンジェルマンは気落ちしたのかトゥールーズに1-4と大敗する。
 この結果、第29節を終えた段階での順位は1位リヨン(16勝8分5敗、勝ち点56、得失点差+17)、2位マルセイユ(15勝10分4敗、55、+19)、3位ボルドー(15勝8分6敗、53、+18)の3チームが次節に首位になる可能性がある。さらに、勝ち点52で3チームが並び、得失点差により4位トゥールーズ(14勝10分5敗、+16)、5位リール(14勝10分5敗、+12)、6位パリサンジェルマン(16勝4分9敗、+9)となっている。

■上位陣が順当に勝利した第30節

 第30節は、3月28日と4月1日にワールドカップ予選のリトアニアとの連戦が組まれているため、1週あけて4月4日と5日に行われた。注目の6強であるが、首位リヨン、3位ボルドー、5位リールの3チームは4日の19時にキックオフされ、3チームとも下位のチームと対戦し、順当に勝利した。この段階でリヨンは首位をキープした。それ以外のチームの結果であるが、同日の21時にキックオフしたトゥールーズは相手が19位のカーンであったが、引き分けてしまった。翌日に試合を行ったパリサンジェルマンとマルセイユは勝利した。第30節は首位争いをする6強のうちトゥールーズを除く5チームが勝利し、上位3チームの順位は変わらず、リール、パリサンジェルマンが1つずつ順位を上げ、4位リール、5位パリサンジェルマンとなり、順位を4位から6位に下げたトゥールーズは一歩後退した。

■マルセイユ、ボルドーから暫定首位の座を奪い、リヨンの試合を待つ

 そしてついに大きな動きがあったのが続く第31節である。第31節は4月11日と12日に行われた。第30節と第31節の間には国内の他のタイトルの試合は行われず、前々回までの本連載で紹介したUEFAカップの準々決勝の第1戦が行われ、マルセイユとパリサンジェルマンがそれぞれ苦しい戦いを強いられたことは本稿で紹介したとおりである。
 9日の木曜日にUEFAカップが行われたこともあり、2位マルセイユと5位パリサンジェルマンの試合は日曜日12日にスライドした。パリサンジェルマンの相手は4位のリールである。また、王者リヨンはテレビ中継の関係で12日の21時としんがりに登場する。すなわち上位5チームのうち3位ボルドーを除く4チームが日曜日に試合を行う。大相撲で言えば、これより三役、といったスケジュールとなり、日曜日の夕方から夜にかけて大一番が続く。
 日曜日に登場するチームに注目が集まったが、上位陣で唯一土曜日に試合を行うボルドーにも注目しなくてはならない。ボルドーの相手はオセール、かつての欧州カップの常連チームも近年は精彩を欠く。しかし、オセールは年明けは好調であり、第28節にはリヨンで大金星、リヨンに2年ぶりにジェルランで土をつけており、侮ることのできない相手である。この難敵にボルドーは落ち着いた試合展開で2-0と勝利、3週間前の第28節と同様、暫定首位に立ち、日曜日を迎えたのである。
 日曜日は17時にマルセイユがホームでグルノーブルと対戦、18時45分にリールがパリサンジェルマンと対戦、そして21時に横綱リヨンがモナコを迎える。マルセイユでの試合、UEFAカップの疲労の残るマルセイユは前半こそ得点をあげることができなかったが、後半に入ってからゴールラッシュとなる。52分にPKで先制した後は面白いようにゴールネットが揺らされ、グルノーブルの反撃を後半ロスタイムの1点に抑え、4-1と大勝する。マルセイユは暫定首位の場をボルドーから奪うという3週間前と同じシナリオで残りの試合を待つことになった。

■モナコと引き分けたリヨン、首位から転落する

 続くリール-パリサンジェルマン戦はどちらが勝っても首位には届かず、スコアレスドローに終わる。
ファンの関心は結びの一番となったリヨン-モナコ戦である。この試合でリヨンが勝たない限り、首位の座を守ることはできない。リヨンは猛攻を仕掛けるが、なかなか得点にはつながらず、逆に34分にモナコに先制される。65分にリヨンは追いつくが、66分にすかさず勝ち越し点を奪われる。リヨンは81分にフレデリック・ピキオンヌのゴールで追いつくのが精一杯でドローに終わる。
 2009年4月12日、マルセイユは正式に首位を奪還、リヨンが首位から転落したのである。(この項、終わり)

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