第1102回 マルセイユ、18年ぶりのリーグ優勝 (3) ボルドー首位陥落、リヨン、そしてマルセイユが首位に

■上位6チームが勝ち点3で迎えた4月最初の第31節

 シーズン佳境となる4月を迎える段階でフランスリーグは未曾有の大混戦となっている。勝ち点56にボルドー、モンペリエ、オセールの3チーム、勝ち点54にはリールとリヨン、そして勝ち点53にマルセイユと勝ち点3の中に6チームがひしめいている。
 4月最初の日程は第31節が3日に7試合、4日に2試合行われる。上位6チームのうちマルセイユとオセールを除く4チームは3日に試合があった。また3日の7試合のうち6試合は19時キックオフであり、モンペリエ-モナコ戦が21時キックオフである。

■1週間で3敗を喫したボルドー

 やはり注目の的は首位ボルドーであろう。昨年秋以来首位をキープしてきたボルドーであったが、3月末は苦しい戦いであった。27日はリーグカップ決勝のマルセイユ戦、30日はチャンピオンズリーグ準々決勝第1戦のリヨン戦とビッグゲームで連敗して4月を迎えた。ボルドーはホームにナンシーを迎える。ナンシーは12位であり、恐れるに足る相手ではないはずであるが、ボルドーは完全に失速していた。17分に先制を許し、29分に一旦は追いついたものの、後半に入って72分に勝ち越し点を奪われ、わずか1週間で3敗を喫したのである。

■選手層の厚いリヨンの復活祭

 そして気になる他チームの動向であるが、ボルドーと同時刻にキックオフしたのはリヨンとリールである。一昨年まで7連覇を果たしたリヨンは前半戦の成績は8勝6分5敗で勝ち点30であった。年が変わって1月はフランスカップ、リーグカップではいずれも敗退したが、リーグ戦は3戦3勝で勝ち点を39まで伸ばす。リヨンの強みは選手層の厚さである。チャンピオンズリーグの決勝トーナメントが始まった2月も日程を崩すことなく、国内リーグ4試合を行い3勝1分、勝ち点を49とし、この段階で首位ボルドーに勝ち点2差に迫る。ここで一気に3月攻勢かと思われたが、そこまでの力はリヨンにはなかった。3月のリヨンにとって最も重要な試合は10日のチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦のレアル・マドリッド(スペイン)第2戦であった。この試合に照準を合わせたため、リヨンはその前後のリーグ戦は引き分けに終わってしまい、3月のリーグ戦成績は1勝2分1敗と思うように勝ち点を伸ばすことができなかった。しかしリヨンは3月最後の試合はチャンピオンズリーグでリーグ戦の首位ボルドーを3-1と下し、ボルドーとは対照的に勢いに乗って4月を迎えた。
 4月最初の試合はレンヌとのアウエーゲームであり、レンヌに先行を許したが、マルセイユは、後半に入りバストス・フェルナンデス、リサンドロ・ロペスと言う南米勢のゴールで鮮やかに逆転勝ちを収める。同日にバランシエンヌと対戦したリールが敗れ、モンペリエもモナコとスコアレスドローに終わる。4月最初の土曜日を終えた時点で、リヨンとモンペリエが勝ち点を57に伸ばし、得失点差でリヨンが首位に立った。リヨンがリーグ戦の首位に立つのは昨年の11月以来のことであり、まさに復活祭となったのである。

■消化試合の少ないマルセイユがリヨンの首位を4日で奪う

 その翌日に行われたのがマルセイユ-ランス戦とオセール-パリサンジェルマン戦であった。マルセイユは22分のブランダンのゴールを守りきって勝ち点3を加え、首位には届かないものの、ボルドーと勝ち点で並ぶ。そして単独首位の可能性もあったオセールであったが、先制したもののパリサンジェルマンに追いつかれてドローとなり、勝ち点57でリヨン、モンペリエと並ぶのが精一杯だった。 第31節を終えた段階でリヨン、モンペリエ、オセールが勝ち点57で並び、モンペリエとオセールは得失点差も同じであり、総得点で上回るモンペリエが2位、そしてボルドーとマルセイユが勝ち点56で追い、リールが勝ち点54と言う混戦模様は変わらない。
 そして、この6チームのうち消化試合数が2試合少ないのがボルドーとマルセイユである。マルセイユは第14節のソショー戦を4月7日に行う。ちょうどボルドーとリヨンがチャンピオンズリーグの準々決勝2回戦を戦うのと同じ日にマルセイユはリーグ戦を地元で戦う。この試合でマルセイユは3-0と完勝、勝ち点を59に伸ばす。
マルセイユは今季初めて首位に立ち、リヨンの復活祭はわずか4日で終わったのである。(続く)

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