第1103回 マルセイユ、18年ぶりのリーグ優勝 (4) マルセイユは連勝街道、ボルドーとリヨンは大ブレーキ

■ジャン・ピエール・パパンの故郷でマルセイユが劇的勝利

 4月の初めにフランスリーグは首位の座がボルドーからリヨンへ、そしてリヨンからマルセイユへと渡った。この3チームの4月の戦いぶりは特徴的であった。
 まず、7日に行われた第14節のソショー戦で3-0と勝利して首位に躍り出たマルセイユ、栄冠まで一直線の連勝街道を走った。11日には第32節があり、ニースを迎えるが、バカリ・コネ、ステファン・エムビア、マチュー・バルブエナ、スーレイマン・ディアワラというゴールラッシュで4-1と大勝する。
 14日にはリーグカップ決勝のため延期された第30節のアウエーのソショー戦があり、終了間際のエムビアの得点で1-0と勝利する。
 そして17日は第33節のブローニュ戦、アウエーゲームである。ブローニュと言えばマルセイユの誇る不世出のストライカー、ジャン・ピエール・パパンの故郷である。昇格1年目のブローニュに対し、マルセイユは前半終了間際にバルブエナが得点し、この1点を守りきるかに思われたが、82分に追いつかれてしまった。ロスタイムは4分、長いロスタイムであったがその最後にブローニュの選手がペナルティエリア内で痛恨のハンド、このPKをタイエ・タイウォが決めて、マルセイユは勝利したのである。

■7連勝を飾ったマルセイユ

 4月25日の第34節のサンテエチエンヌ戦はタフな試合になった。6分にサンテエチエンヌの選手からボールをブランダンがインターセプトし、バルブエナが先制点を入れてマルセイユは幸先のよいスタートを切った。ところがそれからなかなかマルセイユは得点をあげることができない。ロースコアの割には見せ場の多い試合となったが、結局マルセイユが1-0で逃げ切り勝利する。マルセイユは3月21日以来これで7連勝となる。

■月間成績が1分5敗のボルドー

 一方、4月初めまで首位だったボルドーも残り試合が多いと言う点で、勝ち点方式のリーグ戦では優位な立場にあるはずだった。しかし、ボルドーはマルセイユとは対照的に連敗の泥沼に入ってしまう。首位を奪還された直後のチャンピオンズリーグのリヨン戦こそ勝利したものの、これは焼け石に水であり、10日の第32節のパリサンジェルマン戦では1-3と敗れてしまう。また、チャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦の第1戦と日程が重なり、本来は2月27日に行うはずであった第26節のルマン戦も元気なく1-2と敗れてしまい、リーグ戦3連敗を喫する。  そして17日にはホームにリヨンを迎える。チャンピオンズリーグでも対戦しているため、3週間で3度目の顔合わせとなる。リヨンもこの段階で5位であり、6位のボルドーに負けるわけにはいかない。この試合、ボルドーは2度のリードを守りきることができず、2-2のドロー、連敗をストップさせたが、獲得した勝ち点は1だけである。
 その後もボルドーは立ち直ることができず、24日のロリアン戦は0-1、リーグカップの決勝と日程が重なって延期された第30節のバランシエンヌ戦も0-2と落としてしまう。結局ボルドーは4月にリーグ戦を通常のチームより2試合多い6試合戦ったが、その戦績は1分5敗と散々な成績だったのである。

■4月に3試合しかリーグ戦を戦わなかったリヨン

 そして、ボルドーから首位を奪い、マルセイユに首位を奪われたリヨンも特徴的な1か月であった。リヨンは本連載第1091回から第1094回にかけて紹介しているとおり、チャンピオンズリーグで準決勝に進出し、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)と戦っている。リヨンは選手層が厚いため、チャンピオンズリーグの準々決勝までは日程を変更せずにリーグ戦を消化してきたが、さすがに準決勝になると日程を変更し、24日に行う予定だった第34節のモナコ戦を5月にまわした。リヨンは4月にリーグ戦をボルドーの半分の3試合しか行わず、1勝2分という成績で、月間獲得勝ち点は5にとどまった。
 この結果、4月から5月にかけて行われる第35節を前に、マルセイユがチャンピオンズリーグの決勝トーナメントで活躍したライバルたちを蹴落としたのである。(続く)

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