第1401回 フランスリーグ、フィナーレ(7) モンペリエ、地元でエビアン相手に手痛いドロー

 昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■チャンピオンズリーグ本戦出場を狙う3位リール

 自慢の攻撃力でソショーに6-1と大勝したパリサンジェルマン、首位モンペリエとの差は勝ち点で2、得失点差で1となった。リーグ戦は残り5試合、逆転の可能性はいくらでもある。
 しかし、昨年の二冠チームで現在リーグ3位のリールも、パリサンジェルマンとは勝ち点で5の差で追走している。リーグ戦で2位になれば来季のチャンピオンズリーグの本戦への出場権を獲得できる。第34節ではリールがパリサンジェルマンをホームに迎えて、2位への希望を託す。また、4月の最終週に行われる第34節はフランスカップの決勝が土曜日の28日に行われるため、金曜日に2試合、日曜日に7試合、そしてフランスカップのファイナリストであるリヨンの試合は5月10日に行われる。

■ラグビーとのアベック欧州出場を狙うトゥールーズを下したモンペリエ

 モンペリエは金曜日にアウエーのトゥールーズとの試合、パリサンジェルマンは日曜日の夜にリールとのアウエーゲームとなる。
 ラグビーの都トゥールーズ、今季はサッカーのチャンピオンズリーグに相当するハイネケンカップでは準々決勝でスコットランドのエジンバラに敗れているが国内リーグではクレルモンと並んで首位である。サッカーも7位でヨーロッパリーグ出場権が手に入る4位のリヨンとは勝ち点で3差であり、首位モンペリエに地元で勝利して来季はサッカーもラグビーも欧州の舞台にアベック出場したいところである。
 しかし、そのトゥールーズの望みを砕いたのがモロッコ代表のユネス・べルアンダである。3分にドリブルからペナルティエリア内に持ち込んで右足でシュート、この1点でモンペリエは勝利し、パリサンジェルマンとの勝ち点差を暫定的に5とした。

■リールに敗れ首位と勝ち点の差が5に開いたパリサンジェルマン

 そして来季のチャンピオンズリーグ本戦を目指すリールはパリサンジェルマン戦の前日にお紺われたフランスカップ決勝でリーグ3位のリヨンが勝利して来季のヨーロッパリーグの出場権を獲得したこともあり、下を見るのではなく、上を見てこの試合に臨む。
 このような精神的なアドバンテージもあり、リールは48分にハビエル・パストーレに先制を許しても動じず、71分には獲得したPKをエデン・アザールが決めて同点、80分にはノーラン・ルーがヘディングで逆転ゴールを決める。パリサンジェルマンは残り4試合で首位モンペリエとの差は勝ち点で5と開き、3位リールに勝ち点差2と迫られたのである。

■敗色濃厚だったエビアン戦、逆転ならず引き分けたモンペリエ

 この勝ち点5差で勝負あったかに見えたが、首位争いをする両チームの試合はドラマの連続であった。
 続く第35節も試合によってキックオフ時刻が異なり、この節もモンペリエはパリサンジェルマンよりも1日早く試合を行う。年が変わってから全勝を続ける本拠地ラ・モッソンでの試合、今季1部に昇格したエビアンを迎えての1戦である。前半終了間際に試合は動き始めた。42分にエビアンのGKステファン・アンデルセンがオリビエ・ジルーと競り合ってペナルティを取られる。このPKをべルアンダが決めて先制、しかし、44分にエビアンが追いつく。さらにエビアンは69分にトーマス・カーレンバーグが逆転ゴール。敗色濃厚となったモンペリエであったが、得点ランキング首位のジルーがゴールを決めて同点に追いつく。さらに長いロスタイムの間にドラマがあった。93分にペナルティエリア内でエビアンのDFがファウルを犯し、PKが与えられたが、両チームの間で争いが起こり、モンペリエのべルアンダ、エビアンのセドリック・モンゴングとサベル・カリファ、合計3人がレッドカードを突き付けられた。19人となったピッチ上でスレイマン・カマラがPKを蹴るが、これが失敗。敗戦濃厚だったモンペリエは終盤の逆転勝利も可能であったが結局は引き分けとなった。
 そしてその翌日のパリサンジェルマン、6位でヨーロッパリーグ出場を狙うサンテチエンヌを迎える。前半にネネ、後半にハビエル・パストーレと大型移籍の南米勢が得点を重ね、2-0と勝利する。パリサンジェルマンは首位モンペリエに勝ち点で3、得失点差で1の差で残り3節を迎えたのである。(続く)

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