第1556回 パリサンジェルマン、19年ぶり優勝(8) リヨンで優勝を決めたパリサンジェルマン

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■マルセイユが先に試合を行う第35節

 地元で試合を行う第35節での優勝が実現しなかったパリサンジェルマン、優勝決定は第36節以降に持ち越された。第36節は5月10日の金曜日から12日の日曜日まで3日間にわたって行われるが、優勝の可能性のあるマルセイユは土曜日、パリサンジェルマンは日曜日に登場する。
 第35節を迎える段階でパリサンジェルマンとマルセイユの勝ち点の差は7、すなわち、マルセイユが第35節で敗れれば、その段階でパリサンジェルマンの優勝が決まる。すなわちパリサンジェルマンは地元以外の試合で優勝が決まる可能性があるばかりではなく、マルセイユの結果によっては第35節の試合前に優勝が決まってしまう可能性がある。マルセイユが引き分けの場合はパリサンジェルマンは引き分け以上、マルセイユが勝利した場合はパリサンジェルマンも勝利すれば優勝が決まる。

■苦手のホームでのトゥールーズ戦に勝利して安堵のマルセイユ

 このような条件で戦われる第35節、マルセイユは地元ベロドロームでトゥールーズと対戦する。マルセイユが負ければその時点で宿敵パリサンジェルマンの優勝が決まる。マルセイユは2月のリーグ戦でパリサンジェルマンに敗れてからリーグ戦では無敗でパリサンジェルマンを追走している。しかし、過去5年間、地元でトゥールーズに勝利したことがない。期待と不安の入り混じる中でキックオフ。前半無得点に終わるかと思われた45分、マチュー・バルブエナからのクロスをアンドレ・アユーがシュートし先制、62分にアマルティファーのパスからアンドレ・アユーが追加点。トゥールーズの反撃を82分の1点に押さえて、マルセイユはパリサンジェルマンの優勝をひとまずは阻止したのである。

■チャンピオンズリーグ出場を目指すリヨンと対戦

 そして5月12日、パリサンジェルマンは21時キックオフ。相手はリヨンである。3強同士の直接対決、すでにリヨンには優勝の可能性はなく、この段階での両チームの対戦を残念に思う方も少なくないであろう。しかし、リヨンは優勝の夢が絶たれたとはいえ、チャンピオンズリーグ出場を目指す大一番となった。パリサンジェルマンを迎える試合前の段階で3位リヨンは2位マルセイユと勝ち点で7差、4位リール、5位ニースとは勝ち点で3差である。したがって、もしパリサンジェルマンに負けるようだと3位以下が確定、3位になった場合はチャンピオンズリーグの予備戦からの出場となる。また残り2試合でリールに逆転される可能性もあり、4位になれば今季同様ヨーロッパリーグへの出場、5位以下の場合は国内のみでの戦いとなる。

■ジェレミー・メネスの決勝点で19年ぶり優勝

 このように地元のリヨンにとっても勝たなくてはならない試合となり、ジェルラン競技場には4万近い観衆が集まった。パリサンジェルマンはリヨンでは相性が悪く、2004-05シーズンに勝利して以来、7季連続してリヨンでは引き分け以下である。一方、3強のリヨンが優勝争いから脱落したのは年が明けてから地元での戦績が振るわず、2勝4分3敗と地元ファンの期待を裏切る結果となったからである。優勝のかかるパリサンジェルマンとチャンピオンズリーグ出場を目指すリヨンの試合は均衡した内容となり3強同士のカードにふさわしい内容のものとなった。パリサンジェルマンがやや優勢ながら、リヨンは果敢にゴールを狙う。結局、この試合唯一の得点となったのは53分、チアゴ・モッタがリヨンのマキシム・ゴナロンからボールを奪い、ジェレミー・メネスへつなぎ、メネスがグラウンダーでシュートを決める。
 この1点が決勝点となり、パリサンジェルマンは1993-94シーズン以来19年ぶり3回目の優勝を決める。前回は地元パルク・デ・プランスでトゥールーズに勝利して優勝を決めたが、2006年には2位チームが前日の試合で敗れ、リヨンが優勝を決めた翌日にパルク・デ・プランスにリヨンを迎えたパリサンジェルマンは敗れてしまう。大型補強でメンバーが大幅に入れ替わったパリサンジェルマンであるが、この屈辱を忘れていなかった。敵地リヨンで優勝を決めたのである。(この項、終わり)

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