第1864回 フランスリーグ最終節 (2) モナコが3位、チャンピオンズリーグ予備戦へ

 4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■3位モナコを逆転するためのマルセイユ、サンテチエンヌの条件

 昨年夏から展開されてきたフランスリーグ、最終節の注目はチャンピオンズリーグへの出場権のかかる3位争いとなった。モナコ(勝ち点68、得失点差+24)が、マルセイユ(66、+31)、サンテチエンヌ(66、+20)をリードしている。
 勝ち点でリードしているモナコはアウエーゲーム、追うマルセイユとサンテチエンヌはホームで最終戦を迎える。5月23日21時、10試合が同時にキックオフされた。モナコは勝利すれば確実に3位の座を確保できる。マルセイユが逆転するケースはモナコが引き分け以下で、マルセイユが勝利する場合である。また、サンテチエンヌが3位に入るためには、サンテチエンヌ自身が勝利し、モナコ、マルセイユがそれぞれ引き分け以下というのが現実的なケースであろう。

■アシストランキングトップのディミトリ・ペイエが先制点

 さて、ロリアン-モナコ、マルセイユ-バスティア、サンテチエンヌ-ギャンガンの3試合の中で最初にスコアが動いたのがマルセイユの試合である。立ち上がりからパスをつないで試合を支配したマルセイユは14分にディミトリ・ペイエが先制点をあげる。フランスリーグでアシストランキングトップのペイエのゴールでマルセイユがリード、このまま他の2試合のスコアが動かなければ、マルセイユが3位になる。

■モナコ、マルセイユ、サンテチエンヌがそろって勝利

 しかし、その5分後、モナコが得点をあげる。20分にダシルバからのパスを受けたヤニック・カラスコが左足でゴールを決める。ここで再びモナコが3位、マルセイユが4位となる。
 さらに35分に、3試合のうちで得点シーンのなかったサンテチエンヌ-ギャンガン戦でも得点が生まれる。サンテチエンヌのトップスコアラーであるマックス・アラン・グラデルが左足で先制点を入れる。これで3チームの状況はキックオフの段階に戻った。39分にマルセイユは幸運なオウンゴールで追加点を得て、ハーフタイムを迎える。  後半になって、サンテチエンヌはグラデルが追加点をあげる。今季16得点目のゴールとなるが、複数得点はこれが3試合目、4万人のファンで満員となったジェフロワ・ギシャールのファンは歓喜する。ギャンガンは61分にPKで1点を返すが、追いつけず。またマルセイユは試合終了直前にオカンポスがダメ押しゴールを決めて3-0とする。マルセイユはシーズン通算で76得点をあげ、これは1980年代後半から1990年代初めにかけての黄金時代でも成し遂げなかった得点数である。地元ファンを歓喜させたマルセイユ、サンテチエンヌの勝利も及ばず、堅守モナコは得点を許さず、1-0と勝利する。
 結局、3位争いをしていた3チームは最終戦を白星で飾り、試合前と順位は動かず、3位モナコ、4位マルセイユ、5位サンテチエンヌとなった。

■際立った強さを見せつけた上位5チーム

 またすでにチャンピオンズリーグ出場を決めている首位パリサンジェルマンはスタッド・ド・ランスに3-2と勝利、2位のリヨンもアウエーでレンヌに1-0と勝利し、上位5チームはそろって白星でシーズン最終戦を飾った。
 フランスカップの決勝の結果によって4位のマルセイユがヨーロッパリーグの本戦から出場するか予備戦から出場するか、6位のボルドーがヨーロッパリーグの予備戦に出場できるかどうかが決まるが、パリサンジェルマン、リヨン、モナコ、マルセイユ、サンテチエンヌという上位5チームの戦いぶりは見事であった。この5チームは後半戦は5位以内を堅持し、シーズンが終わった段階で得失点差が二桁なのはこの5チームだけである。さらにその得失点差は最少のサンテチエンヌでも+21、そして最多のパリサンジェルマンは実に+47という驚異的な数字を残したのである。
 また、18位エビアン、19位メッス、20位RCランスが2部降格、2部からは1位トロワ、2位GFCアジャクシオ、3位アンジェが1部に昇格してくるのである。(この項、終わり)

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