第2002回 パリサンジェルマン、4季連続6回目のリーグ優勝(1) 3月中旬に優勝に王手

 平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。

■前半戦からリーグで独走したパリサンジェルマン

 今年のフランスサッカーの主役はパリサンジェルマンである。本連載でもリーグ、カップ、リーグカップという国内の3タイトルに加え、国外のチャンピオンズリーグという4つのタイトルを狙う勢いであることはしばしば紹介してきた。
 リーグ戦については本連載の第1960回と第1961回でリヨンの新スタジアムを取り上げた際に、パリサンジェルマンが前半戦を終わった段階で16勝3分、2位のモナコに勝ち点19の差をつけて独走していることを紹介した。
 後半戦になり、フランスカップに参戦し、リーグカップも上位戦となり、そしてチャンピオンズリーグも決勝トーナメントに入る。このようにタフな環境になったため、パリサンジェルマンはリーグ戦では前半戦の勢いを持続し、2位以下との差を着々と広げていった。
 通常、国内3タイトルのうち、最初に覇権が決まるのは4月下旬に決勝が行われるリーグカップであるが、今年のパリサンジェルマンは早くも3月中旬に優勝が決まってしまった。

■2位モナコ、ホームで2たび追いつかれドローに終わる

 パリサンジェルマンは後半戦に入っても8勝2分1敗という成績で第30節を迎える。この時点でパリサンジェルマンの勝ち点は74、2位のモナコの成績は13勝12分4敗で勝ち点51である。勝点23の差で残り9試合であるから、この第30節でパリサンジェルマンの優勝が決まる可能性がある。第30節でモナコが引き分け以下の場合、パリサンジェルマンが勝利すれば8節を残してパリサンジェルマンの優勝が決まる。
 第30節は3月中旬に行われ、モナコは11日の金曜日、夜の20時30分にスタッド・ド・ランスを迎え、パリサンジェルマンは13日の日曜日の14時にトロワでのアウエーゲームとなる。すなわち、モナコの結果がわかってからパリサンジェルマンは試合を行うという格好の日程となった。
 2試合連続で引き分け続きのモナコであったが、バグネル・ロベが5分に先制点をあげる。しかし、11分にスタッド・ド・ランスのガエタン・シャルボニエのゴールで追いつかれてしまう。37分のロベが勝ち越し点を決めて、後半に入ってもモナコは安定した試合運びをして逃げ切るかと思われたが、80分に追いつかれてしまう。モナコは引き分けに終わり、パリサンジェルマンの優勝が13日にも決まることになった。

■最下位のトロワとのアウエーゲームで勝利すれば優勝の決まるパリサンジェルマン

 さて、優勝まであと1勝となったパリサンジェルマンの相手のトロワ、今季はここまで2勝8分19敗の勝ち点14、最下位であり、19位のトゥールーズとの勝ち点差は第29節終了時で9も離れており、大差をつけられての最下位である。勝ち点で60も差がある首位と最下位の対戦となり、パリサンジェルマンの勝利は確定的であるが、ファンとしては本拠地パルク・デ・プランスで優勝を決めてほしいところである。もしこの第30節で優勝が決まらなければ、次節はパルク・デ・プランスにモナコを迎え撃つ直接対決となる。

■トロワの守備の乱れもあり、前半に3点を奪ったパリサンジェルマン

 パリサンジェルマンのファンにとっては複雑な思いで日曜の午後の試合を迎えることになったが、予想通りの結果となった。いや、正確には試合前の段階でリーグ最多の68得点のパリサンジェルマン、59失点のトロワを象徴するような予想以上の結果となったというべきであろう。
 パリからも多くのファンが詰めかけ、2万人近い観客の集まった中でキックオフ、13分にトロワはDFがGKに緩慢なバックパス、これをエディンソン・カバーニが奪い、先制点をあげる。17分にはハビエル・パストーレ、19分にはアドリアン・ラビオが追加点をあげ、この段階ですでに試合の行方は決まり、ゴール裏に集まった赤と青のパリサンジェルマンのファンは歓喜の雄たけびをあげる。
 3-0で前半を折り返したパリサンジェルマン、後半は驚きの展開となったのである。(続く)

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