第2210回 2017-18フランスリーグ開幕(2) リヨン、マルセイユもホームの開幕戦は大勝

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■フランスリーグ史上初めての世界のトップ選手の獲得

 前回の本連載では前年の国内タイトルを分け合ったモナコとパリサンジェルマンがいずれも本拠地で行われた開幕戦で勝利したことを紹介した。
 パリサンジェルマンの試合には、史上最高の移籍金でスペインのバルセロナから獲得したネイマールの出番はなく、フランスデビューはアウエーの第2節以降に持ち越された。第2節はギャンガンでの試合となるが、ネイマールの移籍発表とともに、あっという間にチケットはソールドアウトとなった。フランスのクラブへの世界のトップ選手の移籍というと1989年夏に当時イタリアのナポリに所属していたディエゴ・マラドーナをベルナール・タピのマルセイユが獲得しようとしたが、実現しなかった。ネイマールが初めて世界のトップ選手のフランスリーグへの移籍と言えるであろう。

■昨季3位のニースはアウエーでサンテチエンヌに惜敗

 のパリサンジェルマンに対して立ち向かうチームはモナコだけではない。今回はモナコとパリサンジェルマンを追うと予想されるチームを紹介しよう。
 昨季3位のニースについてはリーグ開幕前にチャンピオンズリーグの予備戦3回戦を戦い、オランダのアヤックス・アムステルダムに競り勝ってプレーオフへと駒を進めたが、リーグ戦の開幕戦は不本意な結果となった。アウエーでサンテチエンヌと対戦、開始早々の4分にジョナタン・バンバに先制点を奪われる。その後はニースはパス中心の組み立てでゲームを支配したが、どうしてもゴールをあげることができず、0-1と黒星スタートとなった。

■リヨンでは新加入のマリアーノ・ディアスが2得点

 リーグで4位となり、ヨーロッパリーグの本戦への出場権を得たリヨンはリーグ開幕前にはインターナショナルチャンピオンズカップの中国大会に出場した。1試合のみ戦い、イタリアのインテル・ミラノと対戦し、0-1で敗れている。リヨンは多くの主力選手が国外のビッグクラブに移籍している。アレクサンドル・ラカゼットはイングランドのアーセナルへ、コランタン・トリッソはドイツのバイエルン・ミュンヘン、マキシム・ゴナロンはイタリアのASローマへと去った。また復調の兆しのあるマチュー・バルブエナはトルコのフェネルバフチェで再起を期す。一方、これらの穴を埋める新獲得選手は実績の少ない選手が多く、ポスト・ラカゼットとして期待されるマリアーノ・ディアスはスペインのレアル・マドリッドから移籍してきたが、レアル・マドリッドのトップチームには昨季昇格したばかりでわずか8試合出場、1得点のみである。
 リヨンの開幕戦の相手は2部から昇格してきたストラスブールである。ジャン・マルク・ビラーがバックについており、決して侮れない相手である。リヨンの本拠地はネーミングライツの買い手がようやく付き、デグルーパマ競技場となる。新たな名称になったこのスタジアムでの初ゴールはディアスであった。23分に右足でゴールネットを揺らす。リヨンは試合を圧倒し、後半に入ってから59分にはナビル・フェキルがPKで追加点、62分にはディアスが俊足を生かして2点目をあげ、さらにアディショナルタイムの91分にはフェキルがゴール、終わってみれば4-0と大勝する。

■新加入の選手が全得点をあげたマルセイユ

 そしてネイマールのパリサンジェルマンを一番悔しがっているのはマルセイユのファンであろう。マルセイユの初戦は8月6日21時キックオフ、1部勢の最後に登場した。マルセイユは本拠地ベロドロームにディジョンを迎える。マルセイユの新戦力はベテランが多く、モナコからバレル・ジェルマン、ドイツのウォルフスブルクからルイス・グスタボ、スペインのセビリアからアディル・ラミが加わり、イングランドのクリスタルパレスからスティーブ・マンダンダが、ニューカッスルからフローリアン・トーバンが復帰した。
 前半は均衡した展開で両チーム無得点、後半開始時にマルセイユは主将のディミトリ・パイエを下げて、イングランドのトットナム・ホットスパーから獲得したクリントン・エンジエを投入、エンジエは51分と74分に2得点をあげる。マルセイユはこれ以外にトーバンがゴールをあげ、新戦力が3点をあげて開幕戦を飾ったのである。(この項、終わり)

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